マイケル・E. ポーター著は著書『日本の競争戦略』(ダイヤモンド社、2000年)で下記の警告を行っている。

・日本企業はオペレーション効率において先行していた。だがベスト・プラクティスは、早晩ライバルに模倣されてしまう。

・継続的改善の積み重ねは戦略ではない。競合他社の模倣や同じ手法を少し上手に行うことも戦略とは呼べない。

・戦略の欠如がもたらす危険性は、日本の幾つかの代表的な産業事例によって鮮明に例証されている。

ポーター・ハーバード大学教授は1980年『競争の戦略』(ダイヤモンド社、1982年)を出版し、企業戦略の第一人者の地位を確立した。彼は、この本の中で、企業戦略策定のプロセスを次のように記載している。

A 企業がいまやりつつあるものは何か。

 1明示的か暗示的かを問わず、現在の戦略は何か。

 2戦略の基礎になっている仮説は何か。

B 企業環境に