ドナルド・キーンは一九二二年生まれ。米国の日本文学者。・日本学者。
ドナルド・キーンは「日本の「随筆」とよばれるジャンルで、きらめくような才気煥発ぶりを発揮している作品といえば、誰もが清少納言の『枕草子』をあげるだろう」と高い評価を与えている。
そして、清少納言の個人について、「清少納言は少なくとも二回は正式に結婚しているが、それ以外にも、宮中の何人かの男性と関係を持っていた。枕草子には自分の情事にふれる部分がある」として、「冬の夜のいみじう寒きに、おもふ人とうづもれ伏して聞くに、鐘の音の、ただ物の底なるやうに聞ゆる、いとをかし」の部分を引用している。
「冬の寒さのなか、二人で埋もれ伏して鐘の音を聞き、逢瀬を楽しむのがおもしろい」である。ここで『枕の草子』の有名な第一段を見てみよう。「冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火
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日本の貴族社会の性生活は実におおらかですね。
奈良時代に半島からやってきた仏師が仏像の内部に漢字で落書きしているのが解体修理した時に発見された。日本の学者がねじり鉢巻きで解読に挑んだが、出来なかった。何故なら、朝鮮古語が漢字で万葉仮名風に書かれていたからだ。半島のその面での専門家しか解釈できなかった。その落書きの意味は、「この国では恋愛が自由で素晴らしい」ということだった。
確かに、武家社会に移行して、下への上の支配は厳しくなり、下に属する女性の自由は奪われれてきたと言えますね。先日亡くなった梅原猛先生は「万葉集は男女の愛がメインテーマだ。江戸から始まって明治維新以降、間違った解釈(益荒男の歌)が益々ひどくなったと嘆いておられた。
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枕草子全集1「春はあけぼの」は学校でも学んだ有名な文章である。
今回全集44「しのびたる所にありては」の一部分「また、冬の夜のいみじう寒きに、おもう人とうもれ伏して聞く鐘の音、ただ、物の底なるやうに聞こゆる、いとをかし」。澄み渡って聞こえる鐘の音が、鈍い音に聞こえる男女の状況設定の中で、
全集1「春はあけぼの」を読んでみることを勧めておられるが、私などは、情念が消え去り、日本の四季の情景が、ただ、鮮やかに脳裏に湧き上がってくる。孫崎さんと違って、凡人なのでしょう。