1・経緯:2019年北方領土問題は幾つかの進展を見せた。

  1. プーチン大統領は9月12日、ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムの全体会合で、日本との平和条約を今年末までに締結するよう安倍晋三首相に提案した。 プーチン氏は提案に先立ち、平和条約締結後に歯舞、色丹の2島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言(1956年)に言及した。
     安倍首相は11月14日、訪問先のシンガポールでの日ロ首脳会談後、記者団に①「1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることでプーチン大統領と合意した」②「年明けにも私がロシアを訪問して日ロ首脳会談を行う。戦後残されてきた懸案、平和条約交渉を仕上げていく決意だ」と述べた。

2:安倍外交上の意義

 ・大手メディア紙は従来「外交の安倍」と称賛してきた。

  しかし2019年には苦しい状況が待っていいる。日米貿易交渉では米国は自動車、農