孫崎享のつぶやき

騙される側の責任(伊丹万作氏の抜粋)

2013/03/17 10:34 投稿

コメント:6

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今日、TPP,原発、オスプレイ、増税などを見ると、我々国民の側の騙される責任をひしひしと感ずる。この問題については第2次大戦後、伊丹丹万作氏が指摘し、何人かが引用している。極めて貴重な発言なので、共通の財産として皆で知っておきたい。底本:「新装版 伊丹万作全集1」筑摩書房 初出:「映画春秋 創刊号」1946(昭和21)年8 入力:鈴木厚司、 校正:田中敬三: 青空文庫作成ファイル

多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。ここらあたりから、もうぼつぼつわからなくなつてくる。多くの人はだましたものとだまされたものとの区別は、はつきりしていると思つているようであるが、それが実は錯覚らしいのである。たとえば、民間のものは軍や官にだまされたと思つているが、軍や官の中へ

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コメント

弁護士事務所に勤務していた知人によれば、消費者金融で破産するようなケースでつくづく思ったのは、悪いのは貸す方だけではない、借りる方も相応に悪い。両方が悪いのであって、片一方が被害者すらするのはおこがましいとのことでした。
自分は騙されたんだ、罪ない無邪気で天真爛漫な自分をだました方がすべて悪いんだ・・・揃いも揃って口こう言うばかりそうで。事実、破産してしまえば(というよりも弁護士にその後始末を一任してしまえば)怖ーいお兄さんからの執拗で厳しい取り立てから解放されるので、あとは鼻をほじりつつアホ面の知らん顔で必要書類の提出すらしないどころか、電話にも出ないというほどの堕落っぷりとか。自分に降りかかる負の圧力からいとも簡単に解放されてしまえば、自分のしたことや責任などはそれっきり完全に忘れてしまう。そして愚かにも同じようなことを何度も何度も繰り返すんだそうで。結局自分で自分のしたことの責任をとろうとせずに逃げおおせて、自分の罪深さ・愚かさとその結果生じる罰を担わず、その痛みを感じずに終われれば反省なんてものをしなくていいわけだから、いくらでも同じことをやらかすわけだと興味深く話を聞いていたことを思い出した。

社会心理学・マーケティングといったアメリカにおいて、日本ではまずお目にかかれないレベルの超絶エリートたちによって高度に洗練され、これ以上ないほどなまでに確立された手法をもってすれば、一億人くらいまあ軽~く操れますよ。だって奴隷根性や同調圧力といったまことに都合のいいものがが、素地に溢れ返っているわけですから。

そうならないためにはどうするか、こういう意識がまるでないですね、日本人って。アイデンティティー、ディグニティー、こういう意識は諸外国の人からはその話す言葉からも表情からも行動からもとてもよく感じられるのですが、相手が日本人となると殆どと言っていいほど感じられない。何か重大な不都合なことが指摘されても、それに耳を貸そうともその可能性があることを考えてみようともせず、ただ耳を塞ぐ。そしてそんなことはあるはずがないと頑ななまでに事実から逃げ回って、大丈夫なフリだけをしてやり過ごそうとする。蒙昧無知もここまでくれば完全に罪です。人が良い?素直?そんなのはもはや褒め言葉ではないですよ。しかも反省と自虐を取り違えている人、多いですよね。そして耳さわりのいい言葉の方へどーっと行ってしまう。何故ダメだったかと反省すれば、新たな面が見えてきて、次こそはやられないよう対策を講じることができるようになるかもしれないのに。

日本人はこの先も、飽きもせずにずーっと騙され続けるのだと思います。
果たして、それはいつまでか?

日本人が消滅するまで、でしょうかね。虐げられても消滅しても変わらないのが、この国の奴隷根性なのですから。この国では国政選挙なんて民主主義のツールにもなりゃしませんよ。それが先の選挙でよおくわかったという人も出てきたのではないでしょうか。集計作業だかによる不正選挙を叫ぶ人たちもいますが、そんなことをするまでもなく向こうは簡単に勝ちおおせるのですよ。

No.4 142ヶ月前

> 批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。

全くその通りと思います。
私の日々の会社生活でも、このような輩ばかりが目に付きます。
この側面だけ捉えれば単なるロボットのように見えますが、ロボットならまだしも、彼らには救い難い卑しさがある。平気でウソをつき、逃げ回ってばかりの卑怯な連中が実に多い。そして、そういうのに限って職場で幅を利かせています。
「どうしたらこんな腐った人格になるのだ?」とよく思いますが、謎は解けません。
しかし、それで全体として均衡が取れていることにしているのは確かで、上に行くほど汗を流さずに済んで、楽できるシステムになっています。
何とかしてこのバランスポイントを変えたいわけですが、公教育を根本的に変えない限り、何時まで経っても多勢に無勢でしょう。

No.5 142ヶ月前

戦後間もなく、このような指摘がなされていたことに安心しました。連合国主催の東京裁判により日本の戦争責任はすべて果たされた。その他はすべて被害者だったと理解し、戦争責任ついて思考停止になった結果、今日の極めて危険な状況を招いた。特に、戦後60年も米軍基地負担、被害、人権侵害等々を強いてきた私の住む沖縄に、さらに基地負担を押し付ける日本政府の姿勢は戦前思考と何も変わらない。だから、今、私たちが変わることが必要です。政治を変えるにはどうすればいいのか、真剣に考えましょう。

No.6 142ヶ月前
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