どのゲーム機にも、私たちの知らないストーリーが存在します。
世界中で売れに売れている、任天堂の携帯型ゲーム機と言えばそう...『ニンテンドーDS』ですよね。
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これは開発時に違う名前で呼ばれていたり、世界で一番高い場所でも遊べたり、日本ではあのお笑い芸人、海外ではディーバとして超有名なシンガーがCMに出演されていたりと、『ニンテンドーDS』にまつわる面白い話がけっこう存在するんです。
とにかくいっぱいありますので、今回は7分弱の動画でそのアレコレを学んでみましょう。
今では当たり前に思えるふたつの画面も、当時は革新的でした。
・『DS』は開発中に何度もその名称が変更になりました。任天堂の岩田社長は「ゲームボーイアドバンスに次ぐ世代のゲーム機は『アイリス』でした」とコメントされていました。
日本の「花菖蒲」にちなんだアイリス...公式DSデベロップメント・キットには、エミュレーターが入っていました(動画内で流れるゲームがその証拠)。
ハナショウブ
・そして上下同じサイズの画面が備わったプロトタイプは『ニトロ(英語でナイトロ)』と呼ばれました。その名残りが、ゲーム機本体とカートリッジに記載されたシリアル番号の「NTR-」の部分です。
この3文字がその名残り
・最終的に落ち着いた「DS」という名称には、ふたつの意味が在ります。ひとつは「ディベロッパー・システム」、もうひとつは「デュアル・スクリーン」。
・しかしながら、2004年3月にニンテンドー・オブ・アメリカは、「シティー・ボーイ」という名前をトレードマークとして登録しています。この名前は、忙しくとも元気なヤング・アダルト層を惹き付けようと考えたのです。
そして子供向けというイメージから、もっと成長した層に向けて、都会的なブランド戦略をしようと考えたのでした。その任天堂の哲学は、セレブリティー(芸能人)をコマーシャルに起用して、大人や女性なども惹き付けてくれるよう真剣に広報活動をしていた所にも繋がります。
オッパッピー!
・それはたとえば、「すれちがい通信」を使用して都市の中で社会的に繋がることができる機能にも現れています。『3DS』で使える「いつの間に通信」と「すれちがい通信中継所」も同じことです。
・『シティー・ボーイ』には、『DS』が失敗しても『ゲームボーイ・ライト』で再起を図ろうととしていました。ですが『ニンテンドーDS』シリーズは『3DS』よりも売れ、世界で1億5000万台以上が出たのです。
『DS』はこの世で一番売れた携帯ゲーム機でありながら、据え置き型家庭用ゲーム機を含めても『プレイステーション2』に続き歴代2位の成績も残しています。
・『ニンテンドーDS』は初代から『DSライト』、『DSi』、『DSi LL』という変化がありましたが、そのデザインは、『ゲーム&ウォッチ』にさかのぼります。しかも白の『DSライト』は、1989年に(海外で)リリースされた『ゼルダの伝説』にソックリです。
縦幅も同じ?
・『DSi』の録音機能には、いくつかのお楽しみが隠されています。それは録音後にそのデータを選択したまま放っておくと、録音した音源をミックスして『スーパーマリオブラザーズ』1-1の曲がプレイされるのです。
・『3DS』にも似たようなお遊び機能があり、マイクに向かって勢いよく息を吹きかけると、画面の中のアイコンがクルクルと回り出すというもの。
システム設定画面を回転させた時に、Wi-Fi接続のアイコンが回転するアイコンの裏側に見えたり、サウンドアプリでは、音声ファイルを再生中に『ゲーム&ウォッチ』画面に切り替えて、どれかのボタンを押すと実際にそのサッカーゲームがプレイできるというものもあります。
・『ニンテンドーDS』は、海賊版ソフトによる被害がとてつもなく多く、対策にもの凄く力を入れています。このゲーム機が登場してからというもの、Wi-FiにSDカード、カートリッジなどを利用したハッキングが容易く、海外の国々では売り上げ減少に大きく繋がっています。
特にヨーロッパでは、それが50%にまで落ち込んだそうです。海賊版ソフトをプレイ可能にさせるのが、「R4」と呼ばれるカートリッジ型のカードリーダー。これによりネットから違法ダウンロードされたゲームが遊び放題となるのです。
これが例のブツ
・2008年には、任天堂と54社が手を取り合って、「R4」を禁止にするべく「全てのゲーム業界の成長を妨げた」として訴訟を起こしました。
・『ニンテンドーDS』が持つふたつのスクリーンの登場は、ディベロッパーに対して新しいゲーム・デザインを作る良いきっかけになっただけでなく、既存のタイトルにも躍進的な進化を余儀なくされました。
・『逆転裁判』ではそれが顕著に見られ、1、2、3作目は最初に日本で『ゲームボーイアドバンス』用にリリースされたものの、後に『DS』用に焼き直されました。タッチスクリーンで操作が簡単になったり、法廷シーンでは「異議あり!」、「くらえ!」、「待った!」などをマイクに向かって叫べるようになりました。
これには意義なし!
・1作目の『逆転裁判』が『DS』へ移植されるにあたり、「蘇る逆転」という新エピソードが追加され、タッチスクリーンを活用してゲームを進められるようになりました。そして「カガク捜査」でルミノール試薬を吹き付けたり、指紋の採取や証拠品を3Dで細かい所までチェックができるようになりました。
ついでに音楽も飛躍的にハイクオリティーなものに変わったのです。ハードの進化サマサマですね。
・先代の『ゲームボーイ』が、湾岸戦争で焼け焦げてもまだプレイができたのは有名な武勇伝ですが、『DS』もまた快挙となるサバイバルを経験しています。それは2005年に、ふたりの登山家が各々エベレスト山登頂に『DS』を持参したのです。
他にもCBラジオやノートブックPC、4台のMP4プレイヤーといった電気製品が持ち込まれましたが、全てがあまりにも高過ぎる標高のせいでダメになってしまったのです。それでも『ニンテンドーDS』だけは、そんな場所でも見事に動いたのでした。ちなみにおふたりは、『マッデン NFL』でフットボールを楽しんだのだそうです。
世界一標高が高い場所でゲーム
・任天堂は大人の胸ポケットの位置とほぼ同じ高さである1.5メートルから、10回落としても問題なく作動する携帯ゲーム機以外は、認めないというスタンスで試作品を造らせてきたそうです。
岩田社長は、「その高さからコンクリートに落としても壊れない物を造れと言った時、ハードウェアのデザイナーたちは悲鳴を上げましたよ。でも彼らはどうにかテストに合格するもの考えついたのです」とおっしゃっています。
YouTubeチャンネル「Did You Know Gaming」がまとめたこれらのトリビア。皆さんご存知のものはいくつありましたでしょうか? ちなみにですが、訳者がブラジルのサンパウロに滞在した時に目の当たりにした、『ニンテンドーDS』とマジコンに子育てを任せっきりにしてしまう家庭の話なんて言うのもありますので、そちらもぜひどうぞ。
以上、もしもここで紹介されていない、『ニンテンドーDS』にまつわる新たなストーリーをご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひともコメントやツイートなどで教えてくださいね!
Fun Facts You Might Not Know About The Nitro, AKA Nintendo DS[Kotaku]
(岡本玄介)
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