ティラノサウルスと人間が競走したらどっちが速い？:コタク・ジャパン・ブロマガ: コタク・ジャパンチャンネル(コタク・ジャパン)

ティガレックスのワイルドな突撃で何度死んだコトか！

巨大で残酷な爬虫類がどれほど速く走れるのかって、皆さんご存知だったりしますでしょうか？　テレビでもトカゲ類やワニなんかが走る映像をご覧になったコトもあるかと思いますが...やはり生物力学的観点から言っても、ヤツらはかなり速く動けると考えられているのだそうです。

とは言えホントのところは、ワタシたちが思うほど超高速ってワケでもなさそうですが...？　

では、これまで出されてきた研究結果をいくつか比較して、実際のT.レックスが走れる速さを考えてみましょう。以下へどうぞ。
　

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研究者たちの間では、恐竜たちの足の速さについてこれまでずっと討論がされてきたのだそうです。やはり恐竜界の花型なのか、特に！　ティラノザウルス・レックスのスピードについて、熱く語られてきたそうです。

19世紀の終わり頃までは、（発掘された化石を元に）姿が再構築された恐竜たちは、速く動ける生き物として描かれてきたのですが...20世紀半ばには、T.レックスのように二足歩行をする獣脚類は大きな頭と長い尻尾を引きずって歩く姿のほうが現実味を帯びてきたようで、かなり鈍重で遅く動く生物として考え直されるようになったんですって。

ここ20～30年ばかりの間、代表的なT.レックスについての運動能力イメージは、徐々に修正されてきました。でもまだ、速く走れるであろうという説を推している研究もあり、仮説では時速で約20キロメートルほどのスピードまでは出せるんじゃないかと考えられています。

ですが、ウェブサイトのNatureに研究を発表した、ジョン・R・ハッチンソン博士による最近の調査から導き出された考察では、T.レックスは秒速5～11メートル程度という、いたって節度のあるスピードで歩いていたんじゃないか？　と言われるようになりました。もしくは時速7メートル弱から11メートルの間あたりではないか、とも。

ってコトは、脚力に自信があるアナタなら、かけっこで勝てるかも？　

参考までに、世界一速く走れる男・ジャマイカの陸上競技短距離選手であるウサイン・ボルト選手の最高時速は100メートル9.58秒です。ソコから導き出すに、時速は37.6キロメートルとなるワケで...ボルト級でなくても、トップ・アスリートだったら勝てるかと思われます。

では、その他の二足歩行型恐竜たちはどうでしょうか？　

T.レックスやその他の獣脚類に関する速度の違いは、マンチェスター大学の古生物学者である、ウィリアム・セラーズ氏とフィリップ・マニング氏らが発表した、2007年の研究結果が興味深い例かと思われます。

それはGaitSymという、コンピューター・プログラムによるシミュレーションで、小型肉食恐竜コンプソグナトゥス、同じくヴェロキラプトル、中型肉食恐竜ディロフォサウルス、同じくアロサウルス、そして大型肉食恐竜のティラノザウルス・レックスといった5種類を比較したものです。

当然ながら、とっくの大昔に絶滅した恐竜たちを走らせるのはムリなので、化石を元に組み立てられた骨格標本から運動能力を測っており、それらの筋肉の動き方を数パターン導き出しての計測となりました。走らせてもコケてしまうようなパターンは除外して、最低限15メートルの距離を走らせれば、確実な数値が測れるであろうという考えでヨーイドン！　

そして最後に、セラーズ氏とマニング氏は人間が走るスピードもシミュレートし、GaitSymの正確性をより安定させるべく、エミューとダチョウも速度が計算されています。Proceedings of the Royal Society Bというサイトでその結果を発表しています。

こちらにある表では、トップスピードだけでなく体重や脚の長さ、そしてそのストライドの幅なども計算に入っており、現存している生物を見比べても大体正しいので、T.レックスも正しい速度が出ていると思ってよいかと思います。つまり、ハッチンソン博士が導き出していた秒速8メートルで走る計算は、かなり正しいというコトにもなるのです。

さらに以下の画像がヴィジュアルとしてわかりやすいのですが、二足歩行恐竜は小型であるほど速く走れ、T.レックスは比べるとそうでもありません。とは言いましても、やはり平均的に人間よりは速いので、もしも実在のT.レックスに追いかけられてしまったら、全力で逃げていてもパクっと喰われちゃう可能性が高いのです。