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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
2019/1/1(No.59)
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【No.59】同意なしの無断提供や不透明なデータ利用など問題続々の宮崎早野論文
──伊達市の個人被ばく線量分析はなにがダメだったのか
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年が明けて2019年になってしまいました。今年も無事に年を越すことが出来ましたことをお礼申し上げます。引き続き、よろしくお願いいたします。
原発事故の処理がまったく終わらないことや、放射能汚染が残る中で賠償や支援策の打ち切り政策が進み、被害者の中には生活が厳しさを増している方もおられると思います。継続して問題点の指摘をしていきたいと思います。
さて、新年早々、東電、政府の対応が目に余るのはいつものことだけれども、昨年末から続いている福島県伊達市の個人被ばく線量分析について、状況を少し整理してみたい。
2011年から伊達市が実施している伊達市民の個人線量測定事業で得られた結果について、早野龍五・東大名誉教授と、宮崎真・福島県立医大助手が2016年と17年に各1本、計2本の論文(以下、宮崎早野2016、宮崎早野2017)を著した経緯に不透明な部分、倫理上問題のある部分があるという批判が出ている。早野、宮崎両氏は、メールでの取材に対して回答はするものの、自らの情報発信や、批判に対する反論は今のところない。一方でTwitter上などでは、避難の内容を考えると撤回が妥当という意見が増えているように思える。
論文についてもっともわかりやすいのが、同意書のないデータを論文に使ったという倫理上の問題。けれども、他にも問題があって、それらが混合されていることもあるので、ちょっと整理してみたい。
今回の問題は、大きくわけて3つのポイントがある。ひとつは前述した論文の倫理上の問題。2つ目は、伊達市の行った被ばく線量測定事業と早野氏らのデータ利用の不透明な関係性の問題。3つ目は、12月27日に公表された東大による倫理審査の問題だ。
【同意書なしでのデータ利用や研究計画書違反の論文】
問題の端緒になったのは、伊達市議会での質疑だった。
宮崎早野論文の問題点を指摘し続けていた伊達市議の高橋一由議員は2018年9月4日、論文の同意書の数を質問。答弁に立った健康対策担当参事は、同意書を出していない人が2万7233人、不同意の人が97人だったと回答した。ところが論文では、伊達市民の全数に近い5万9000人以上のデータを分析したことになっていた。不同意の分までデータを使っていたのは明らかだった。
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