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【平直行「東方武術見聞録」】その15 グレイシー柔術を時空を超えて妄想で暴走開始。(前半)

2014/09/23 14:20 投稿

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その15 グレイシー柔術を時空を超えて妄想で暴走開始。(前半)


 

前田光世先生が、カーロス・グレイシーに丁寧に柔術を教えてる。妄想で暴走の景色が時空を超えて見えてくる。本当に見えてる訳じゃない。妄想で暴走ですよ(笑)。


前田先生は一体どのような思いで、カーロスに接したんだろう? 大金持ちで政財界に太いパイプを持っていたガスタオン・グレイシー。ブラジルで困窮していた前田先生を救った大恩人。その恩義に報いるために、カーロスに教えることを決意した柔術。


大金持ちの良家の御子息だったカーロスと初めて会った時は、一体どんな印象だったのだろうか? なぜ、講道館柔道を教えないで柔術を教えたのだろう? 講道館を破門されたから講道館柔道は教えなかったなど色んな説がある。諸説はあくまでも仮定だから、そこにもう一つの仮定が入ったとしてもまあ、大丈夫だろう(笑)。僕の妄想で暴走の仮定がそこに入り込むのだ!


カーロスはきっと好青年だったんじゃないのだろうか? 事業家として大成功したガスタオンの息子だから、頭も良くて理解力も高かったのではないか。最初は身を守るために、そして健全な精神と肉体を育み維持するために教えようとした柔術。教え始めるとカーロスの理解力と吸収力に驚き、教えることが楽しくなっていった……。だとしたら前田先生は講道館の柔道ではなく、古流の柔術でもない、自分が見つけた新しい柔術を教えてみたくなったのではないか? そんなふうに僕には思える。


自分が見つけた柔術……そんな話は聞いたことがないって? 僕も初めて知った(笑)。妄想で暴走は文章を書いていると勝手にやって来る。ちなみに僕の文章は考えて書いてる訳じゃない。書き出すと勝手に出て来る。妄想が出て来て、勝手に暴走を始めるのです(笑)。


前田先生は興行に出場して何度も試合をしていた。興行の試合のスタイルがプロレス的な物だったのか、それとも試合だったのか定かではない。いずれにしろ死合ではなかった。


古流の武術には死合しか本当はない。相手の目や金的を狙った打撃。それで怯ませておいて関節を砕く。極めるのではなく砕く。砕く箇所は首の関節を狙うことが多い。勝つのではなく殺すことが目的なのだから、腕や脚を極めても砕いても目的には届かない。


目的に届く過程で狙う関節も指の関節等になる。目や金的を打ち、相手の戦意と動きを奪ってから、目や口に指を突っ込み頭蓋骨を回し、下に落とす。そうやって命を奪う。これが古流の柔術の本当の基本だ。


頭蓋骨に手をかけ首を破壊する。これを「兜投げ」あるいは「兜砕き」と呼ぶ。古流の技というのは本当は一つしかない。そう聞かせて頂いたことがある。相手を死に至らしめるには首を一瞬で砕くのが一番良いのだ。目や金的を突いたり蹴ったりしても悶絶はするが、そのまま死んでしまうことはあまりないのだ。あくまでも目や金的を攻撃するのは、首を砕く過程の技に過ぎない。


もし興行の試合でそんな技を使ったら、次から絶対に使ってはもらえない。使ってもらえないどころか警察が来て逮捕されてしまうかもしれない。試合は殺し合いではない、初めから殺す意思を持って臨むものではない。


 

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