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ターザン山本の「試練の七番勝負」 第1戦 ゲスト/田原総一朗

2013/06/10 00:24 投稿

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山本 
はじめまして! ターザン山本です。

田原 田原です。よろしくお願いします。

山本 今日のテーマは“老人”ということで。

柳沢 ち、違います。“老害”です!

山本 あっ、老害老害。

柳沢 すいません、いきなりインタビュアーが老害かまして(笑)。

田原 あなたはプロレスをやってたんですか?

山本 いえ、編集長です!

田原 ああ、編集。で、老害?

山本 ハイ!

田原 例えば、経営者はみんな老人じゃないですか。政治家も幹部はみんな老人じゃないですか。そこから新しい発想は出てこない。

老害のいちばんの欠陥は、いままで自分がやったことを肯定したい。だから、世の中を変えることに反対なんですよね。

これが老害だと思う。僕は若い頃にある雑誌の編集者から言われました。この国で成功しようと思えば一穴主義だと。

ジャーナリストとして、評論家としてやっていくなら、プロレスをやるならプロレスだけ。歴史をやるなら歴史だけ。科学をやるなら科学だけ。一穴主義でやると偉くなれる。

山本 この道一筋で行くということですね。

田原 そうです。僕は好奇心が強くていっぱい穴を掘るから大成しないと言われてたの。

一穴主義じゃなくていまだにいっぱい穴を掘ってるからまったく大成しない。しょうがないですね。

山本 でも、田原さんは若い時に小説家になろうとして、石原慎太郎と大江健三郎を見て、俺はちょっと無理だなという判断をしたのは大正解じゃないですか?

田原 いま思えばね。女房が僕の学生時代の同人誌を読んで「作家にならなくて良かったね」と言った。下手くそだってことだ。

山本 見極めが早いというか、見切りが早いというか。

田原 諦めが早いというか。

山本 それはものすごく重要なことで。じゃあ、岩波映画に入ってカメラの仕事をやった時も見極めたんですか?

田原 いやいや、そうじゃなくて。あれはクビになったの。

山本 クビですか!

田原 要するに、僕は不器用なんですね。岩波映画に入った時に「撮影をやるか?」と言われて、撮影ってロケーションだと思ったんで、「もちろん、やります」と。

そしたらカメラマンの撮影助手だったわけね。そこで失敗ばかりして降ろされたの。例えば、三脚があって、その上にカメラをネジで止めてあるわけね。

カメラマンが撮影する時は、そのネジを緩めておく。左右に動くように。カメラを移動させる時はネジを締めなきゃいけないんだけど、僕は緩めたまま担いでカメラが下にドンッ。

あるいは、カメラにはバッテリーがあって、電池があって、コードで繋ぐわけね。そのコードを忘れたりとか。そういう失敗ばかりして降ろされた。

山本 その時に挫折感は?

田原 もちろん、ありますよ。

山本 落ち込むとか?

田原 ありますよ。

山本 どうやって這い上がるんですか?

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田原 僕は落ち込むけども、あんまり悩まない。カメラマンをクビになって仕事がなくなった。その時、ちょうど60年安保だった。

毎日、毎日、デモで国会に行って、「安保反対! 岸は辞めろ!」って言ってた。そしたらあるカメラマンから「これからテレビをやるんで手伝え」と言われて、まず撮影助手になった。

テレビというのは、毎週、毎週やらなきゃいけないから、脚本を募集してるわけね。だから、脚本を書いた。

それが採用されて、演出助手兼撮影助手で撮影してた。それを年配の演出家に見せたら、「こんなものはダメだ。使い物にならない。もう一回撮って来い!」と言われて。

プロデューサーに「もう一回撮り直すからお金を下さい」と言ったら「ダメだ」と。しょうがないから自分で編集したら番組になっちゃった。それで演出家になったの。

山本 また運がいいというか、流れがいいというか、他力というか。

田原 就職試験だって、僕はマスコミに入ろうと思ってたから、朝日新聞、NHKをはじめいろんなテレビ局、ラジオ局、新聞社を10社以上受けたけど、全部、落ちた。

山本 完全な落伍者ですね。

田原 そう、落伍者の典型。でもね、若い時の失敗はいいと思う。

失敗したことが肥やしになるから。だから、なんで失敗したかは考えるけど、悩みはしない。

山本 日本人ってどちらかというとみんな自罰主義というか。

田原 ああ、僕は自罰はないの。

山本 やっぱり! 僕も超他罰なんですよ!

田原 僕は他罰もないけどね。

山本 ……。

田原 悩んで解決するならいくらでも悩むけど。悩んだって解決しないんだから悩まない。

山本 それはすごい武器だなあ、必殺技というか。

田原 能天気なんですよ。

山本 それが若さの秘訣ですか?

田原 そうかもしれないね。能天気。悩まないからね。

山本 『朝まで生テレビ』とか討論番組で、どんどん相手を追い詰めて突っ込んで行きますよね。あれは趣味なんですか?

田原 あれはゲームですから。野球で、バッターはピッチャーの投げた球を打つじゃないですか。あれと同じですよ。ゲーム。喧嘩じゃないから。

山本 それでどんどんビンボールを投げるわけですか?

田原 ビンボールは投げないけど。シュートを投げたり、スライダーを投げたりしますよ。

山本 相手はだいたい日本人なので、自分を守ろうという意識の強いタイプばっかりじゃないですか。

そこに突っ込んで行った時に、追い詰めてる快感はないんですか?

田原 追い詰めてる快感はないけど。相手がためらったり、答えなかったりすれば、これは面白いじゃない。

山本 そういう時に「勝った」「負けた」という感覚はあります?

田原 それはしょっちゅうありますよ。でも、勝った、負けたと言ってもゲームだから。

プロ野球のチームが一回負けたからって、一週間も10日も悩まないでしょ。

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