『神神化身』用語集



■ア行
■カ行
開化舞殿(かいかまいでん)

大祝宴で舞奏を奏上する舞台。踏み入ることができるのは舞奏競で勝利し、御秘印を多く集めた、優れた舞奏衆二組のみ。

「カミ」(かみ)

人間が対象の神を限定せず、漠然と「神」への祈りを捧げた時の信仰心によって生まれた八百万一余(やおよろずひとあまり)の神。まず神があり、そこに信仰心が向けられたのではなく、信仰心があったが故に存在が確立した逆説的な神。

古代の人々のコミュニティーの発展において大きな役割を果たした川や海や山などの自然、あるいは象徴的な動植物などに神性を見出すというアニミズム的な信仰を起源としているが、信仰の対象を具象化することなく、非人格的・超自然的な力の観念そのものを信仰の対象とすることで成立した。

櫛魂衆(くししゅう)

相模國(さがみのくに)の舞奏社に所属する舞い手の集団。
なお、従来の相模國の舞奏は三人組を想定したものとなっている。
衆の名称である「櫛魂」は地域に根差す祭事から名付けられた。

闇夜衆(くらやみしゅう)

武蔵國(むさしのくに)の舞奏社に所属する舞い手の集団。
衆の名称である「闇夜」は地域に根差す祭事から名付けられた。

覡(げき)

社に所属し、「カミ」に舞や音曲を奉納する舞い手。神職。
覡になる為には舞や歌の能力の他に「化身」必要とされており、覡は身体の何処かしらに「化身」がある。
覡が奉じる舞や歌により、地域の平安および願いが「カミ」に承認されるといわれている。

覡主(げきしゅ)

舞奏衆のリーダー。比較的古めかしい呼称でもある。

化身(けしん)

覡の素質を持った者にのみ発現する痣。
痣が顕れるタイミングや仕組み、意味合いは未だ明らかになっていない部分が多い。形は個人で違うが、特定地域の舞奏社に集う者に顕れる痣は同系統のものになる傾向がある。

御秘印(ごひいん)

舞奏競で勝利した舞奏衆に授けられる「印」。集めた数がすなわち舞奏衆としての優秀さの確証となる。

■サ行
■タ行

大祝宴(だいしゅくえん)

三年に一度、陰暦の閏月の朔旦に行われる。
各國の覡の力を見せる最高の舞台であり、大祝宴にて舞奏を披露し「カミ」を喜ばせることであらゆる「心願(本願)」が成就するといわれている。

■ナ行
ノノウ(ののう)

「化身」が顕れていない舞い手の意。
しかし稀に化身を持っていない「ノノウ」が覡を超える技量の舞や歌を披露することがあり、果たして「化身」の有り無しで舞奏衆のメンバーを決めるべきなのだろうかとの声も、舞奏社・観囃子の両方から出ている。
そのため現在一部の舞奏社ではノノウも覡として正式な所属が認められている。
 
■ハ行
譜中(ふちゅう)

武蔵國(むさしのくに)舞奏社の本拠地。

■マ行
舞奏(まいかなず)

舞い手が「カミ」に奉じる舞や音曲の総称。
歌と踊りの快楽に興じる民衆の娯楽としての「舞奏」が先に存在し、それに行事としての大義を与える為に祭事としての性格を与えたものと考えられている。

現代においての舞奏はカミに奉じるものという流れを汲みつつ、エンターテインメントとして成立している。

舞奏競(まいかなずくらべ)

舞奏社に所属する覡・舞い手による舞奏の戦い。
観囃子の歓心をより多く得た舞奏衆が勝利する。

【舞奏社所蔵文書より抜粋】

「観囃子」の向ける「歓心」が大きければ大きいほど、それは「覡」の力となる。「歓心」を多く得る「覡」が競い合い、切磋琢磨をすることで更なる熱狂を生むことこそが「舞奏競」の意義である。惜しみない賞賛こそが「開化舞殿」の扉を開くに相応しい。

「観囃子」の向ける「歓心」は「カミ」への供物となり、「覡」は更に力をつけるだろう。優れた「覡」が競い合い、切磋琢磨をすることで更なる熱狂を生むことこそが「舞奏競」の意義である。


そして得られる「御秘印」は、研鑽を積む「覡」たちを支えるよすがになる。

舞奏衆(まいかなずしゅう)

覡(舞い手)が組むチーム。各國につき一組。
人数は特に定められていないが、三人組は縁起が良いとされ、推奨されている。

舞奏社(まいかなずのやしろ)

舞い手を取り仕切る為に成立した組織。
各國に設置されており、舞い手の稽古が主な役割。
優秀な覡を所属させることが地域の平安や國力の強さにも影響し、舞奏社が國の中枢を担う組織とされた時代もある。
最古の舞奏社が何処かは分かっておらず、全国に偶発的に発生し始めたという。

舞奏披(まいかなずひらき)

舞奏社に所属している覡が舞奏競に挑む前に行う一般の観囃子向けの舞台。自分達がどんな舞奏を奉じるのか、どんな舞奏衆であるのかを知らしめる重要なものであり、舞奏競に際しては何度か行われることが常である。

御斯葉衆(みしばしゅう)

遠江國(とおとうみのくに)の舞奏社に所属する舞い手の集団。
衆の名称である「御斯葉」は地域に根差す祭事から名付けられた。
水鵠衆(みずまとしゅう)

上野國(こうずけのくに)の舞奏社に所属する舞い手の集団。
衆の名称である「水鵠」は地域に根差す神事から名付けられた。
観囃子(みはやし)

舞奏競を拝観する観客。端的に表現すると「ファン」。観囃子の歓心は勝敗の行方を左右する要素である。

■ヤ行
社人(やしろびと)

舞奏社において覡や舞奏のサポートを行う役職。覡とノノウの管理の他に、稽古のスケジュール組みや様々な申請を行うのが主な仕事。

■ラ行
浪磯(ろういそ)

相模國(さがみのくに)舞奏社の本拠地。

■ワ行

※2021年8月6日時点
用語集は随時更新いたします。


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


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