⌘ 2015年01月22日発行 第0831号 特別
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■■■ 日本国の研究
■■■ 不安との訣別/再生のカルテ
■■■ 編集長 猪瀬直樹
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「救出 3.11気仙沼 公民館に取り残された446人」(本日から書店へ)
阪神・淡路大震災から20年を迎え、今年3月には東日本大震災から4年が経
過する。多くの犠牲をともなう自然災害に、作家ができることはなにか、ずっ
と考えてきました。
3.11、宮城・気仙沼――。湾から押し寄せた津波で水没した公民館の屋上に
446人の被災者が取り残されていました。生後間もない赤ちゃんがいる。隣
接する保育所から避難してきた71人の園児と保育士たち、そして近所の水産
加工場や製氷工場など町工場や住宅から避難してきた人びと。東京消防庁のヘ
リで救出されるまでの一昼夜、被災者たちは必死に声をかけあい、知恵と力を
合わせます。
災害に立ち向かう希望のよすがになればと証言を編み、記録として残すこと
にしました。手にとっていただければ幸いです。
猪瀬直樹
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「三階屋上から気仙沼湾を見渡すと、大島のあたりに炎が立ち上っている。火
種に見えたものが津波に乗って、みるみる内湾へ拡がった。海水の上でなぜ火
が燃えるのか、意味がわからないのだ。火災は一カ所ではなくがれきに燃え移
って赤い炎が点在している。煙を吐きつづける燻った塊も漂っている。
子どもたちはカーテンの下に隠れているが、半身をカーテンの下にさらして
いた菅原保育士には大人たちのざわめきが聞こえている。火のついたがれきが
波に揺られて中央公民館にぷかぷかと近寄ると「来た、来た、来た……」「来
ないで、来ないで」、波が引くと「行った、行った、行った……」と、悄然と
力ない声が重なり唱和している。為す術がない。小型の重油タンクも流れて来
た。林小春所長は、両手を突き出し、手で押さえるようなしぐさで「来るなあ!
来るなあ!」と叫んだ」(本文より)
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