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猪瀬直樹メールマガジン「日本国の研究」第715号「気仙沼の奇跡」

2012/09/13 14:50 投稿

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                  2012年09月13日発行 第0715号 特別
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 ■■■    日本国の研究           
 ■■■    不安との訣別/再生のカルテ
 ■■■                       編集長 猪瀬直樹
**********************************************************************

                       http://www.inose.gr.jp/mailmag/

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     猪瀬直樹公式ホームページを“新装開店”しました!
           http://www.inose.gr.jp/

 “新装開店”にあわせて、ニコニコチャンネルに「猪瀬直樹TV」を開設。
      http://ch.nicovideo.jp/channel/inosenaoki

                *

  本日9月13日12時に第3回動画「大震災の夜に」をアップしたばかりです。

 東日本大震災の夜、猪瀬直樹ツイッターにつぎつぎと飛び込んでくる情報提
供やSOS……。その膨大なツイートの中から、猪瀬が本当に大切なものを選
びとり、助けを必要とする人びとを救うことができたのはなぜか。その明確な
判断基準とは――。

 インタビュー動画をお楽しみください。
 http://ch.nicovideo.jp/channel/inosenaoki
 
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                猪瀬直樹氏は、
      子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
           アメリカが日本に仕掛けた
     対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
    それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
        霧のような薄闇を払っていくのである。

                      梯久美子(「解説」より)

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 9月1日、新装開店した猪瀬直樹公式ホームページ(http://www.inose.gr.jp/
には「作家の部屋」と「副知事の部屋」の二つの入口があります。

 両方の側面を持つ猪瀬ならではの構造で、少しホームページを覗いていただ
ければ猪瀬直樹という人間の「面白さ」が伝わるはずです。

 さらに猪瀬直樹TV(ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネル)、語録など、新
しいコンテンツも追加。

 ツイッター、フェイスブック、ブログとも連携し、ホームページを始点に幅
広い分野におよぶ猪瀬の活動を網羅することができます。

 是非、ご覧ください。
 http://www.inose.gr.jp/

                *

 先週に続き、ニコニコ動画・猪瀬直樹チャンネルの配信動画をテキスト化し
てお届けします。ぜひ動画とテキスト双方をお楽しみください。

 本日は、第2回「気仙沼の奇跡」のテキストをお送りします。

 2011年3月11日深夜、猪瀬ツイッターのタイムラインにSOSが飛び込んで
きました。

「@shuu0420 @inosenaoki 障害児童施設の園長である私の母が子供たち10数人
と一緒に避難先の気仙沼市中央公民館3階にまだ取り残されています。子供達
だけでも助けて」

 気仙沼中央公民館の屋上に446人が孤立、周囲は火の海、そんな緊迫した
状況をつたえるものでした。

 猪瀬はいかにして彼らを迅速に救出したのか。その「奇跡」について語りま
した。

                *


  9月11日(火)と12日(水)の二日間に渡って猪瀬は奇跡の舞台・気仙沼
を訪れていました。 
 随時、現地の模様をツイッターで報告していましたが、ブログでも一部を
リポートしていますので、あわせてご覧ください。
 http://www.inose.gr.jp/news/post5113/

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ニコニコ動画 猪瀬直樹チャンネルより
一問一答「第2回 気仙沼の奇跡」

――東日本大震災のとき、猪瀬さんが指揮をとられ、宮城県気仙沼市の中央
  公民館から避難者を無事救出されましたね。

■猪瀬□  昨年、3月11日の震災で気仙沼が火の海になりました。NHKや
     インターネットで映像が流されたので、ご覧になった方は多いと
思います。潮見町の中央公民館には、近所の保育所に通う子供を含む446
人が避難していました。この人数は救出するまでわかりませんでした。

  そこに避難していた内海直子さんという、市の心身障害児施設の園長が夕
方、携帯メールを家族に送信したんです。「火の海 助けて」と。それをロ
ンドンに住む宝石デザイナーの長男直仁さんが受け、救助を求めるツイッタ
ーを書いたんです。
 
 今はインターネットがあるからロンドンも東京も大阪もどこにいても関係
ない。国際電話をかけなくても一瞬でつながりますからね。

――そのツイッターを読んでみます。
 
「拡散お願いします。障害児児童施設の園長である私の母がその子供たち十
数人と一緒に避難先の宮城県気仙沼市中央公民館の3階にまだ取り残されて
います。下の階や外は津波で浸水し地上からは近寄れない模様。もし空から
の救助が可能であれば子供たちだけでも助けてあげられませんでしょうか」

 これは猪瀬さんの著書『決断する力』に納められています。

■猪瀬□  このツイッターは、内容がしっかりしています。

 まず、第一ステージで、状況を「浸水している」と説明しています。そし
て、次のステージで、どうしたら助けられるか。空からしかできないという
ことを、ロンドンにいながら説明しているんですね。よくこれだけ140字
で説明できたな、というくらい非常に論理的に書いています。それで、いろ
いろなところを経由して、僕のところに届いたわけです。

 ヘリコプターを飛ばすしかないということが、このツイッターからわかり
ましたので東京消防庁からヘリを飛ばし、結果的には446人のいのちが助
かりました。

――ロンドンに行かれた時、その青年、内海直仁さんと会われたんですね。

■猪瀬□  どうしてああいう論理的な文章が書けたのかが知りたかったんで
     す。彼はホームページを持っていたので、住所がわかりました。

 東京・青山に、かつて骨董屋がたくさん軒を連ねていたことから名づけら
れた「骨董通り」がありますね。ロンドンにも同じように宝石屋がたくさん
ある「宝石通り」という通りがあるんです。その通りの裏手の小さな工房が
彼の仕事場でした。

――どういう経歴の青年でしたか。

■猪瀬□ 気仙沼育ちで、一関工業高等専門学校に進学しましたが、4年生
     になるころ、イギリスの靴の職人になりたいと、ロンドンの靴職
人の専門学校へ行くんです。そして、学費のためにアルバイトでアクセサリ
ー作りをしたのが、宝石デザイナーになるきっかけでした。        

 イギリスの伝統工芸的なものを覚えて作っているうちに、デパートのよう
なところで販売コーナーを持つことができ、少しずつ販路を広げていくこと
ができたそうです。やがて志を同じくするイギリスの女性と結婚し、二人で
宝石ビジネスの世界に入っていったと。

――ロンドンでのビジネス界に入り込んだわけですね。

■猪瀬□ 作って売るだけならただの職人ですが、ここからが彼の強いとこ
     ろです。彼は宝石デザインの職人たちを支配するようになるんで
す。

 ロンドンのビジネス界は仕組みで動いています。その仕組みを学び、覚え
たんですね。

 神宮前にも東京店を出すほど広がったようです。

 イギリスはテニスのウィンブルドン選手権を毎年やっているけど、ずっと、
外国の選手ばかり優勝している。それでも毎年開催するのは、イギリスがウ
ィンブルドンの仕組みを持っているからです。

 彼はロンドンで宝石デザインを覚えると同時に、ビジネスの仕組みを覚え
たんです。

――それがあのツイッターにつながったのですね。

■猪瀬□  緊迫した中で、まず、気仙沼がどういう状況かを判断し、どうや
     って救助すればいいのかという論理展開で、あの140字の文章
を書けた。彼と話していて、その秘密がわかりました。謎が解けました。

 彼の書いた冷静な文章が僕のところにまわってきて、文章がとても構造的
だったから、東京消防庁に依頼しヘリコプターをとばして、救助できたとい
うわけです。


                               (了)


                *


 「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp


猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■掲載情報

・9月13日付「産経新聞」の特集「領土を考える」(21面)に、猪瀬が意見を
 寄せました。こちらをご覧ください。
  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120912/plc12091221380020-n1.htm

・9月13日発行『週刊新潮』に、領土問題についてコメントが掲載されました。

・9月10日発行『文藝春秋』10月号、「反日包囲網を打ち破る 日米韓31人の
 提言 韓国、中国『領土紛争』の深層」に、論考「都が先頭に立つ」が掲載
 されました。
 
・9月5日発行『潮』10月号、連載対談「日本を変える次世代の騎手たち」
 第5回に速水浩平氏との対談が掲載されました。

・日経BPネットの好評連載「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」最新号。
 「札束で尖閣を購入してどうするのか 船だまり・灯台・電波塔を整備しな
 ければ寄付金は渡せない」はこちら。
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20120910/322531/

・8月29日発売『SAPIO』9月19日号に領土問題についてのインタビューが掲載
 されました。

・8月18日発売『新潮45』に領土問題についてのインタビュー「もう国には任
 せられない」(聞き手・カメラマン山本皓一)が掲載されました。

・8月26日発行『一個人』10月号に、連載エッセイ「解決する力」の第13回が
 掲載されました。テーマは「自然再生エネルギーの課題と原発ゴミ問題」。

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 1983年に世界文化社から刊行され、文春文庫になり、『猪瀬直樹著作集』に
入り、ロングセラーとして版を重ね昨年6月に中公文庫に収録された作品です。

 巻末には勝間和代さんとの特別対談「日米開戦に見る日本人の『決める力』」
が収録されました。

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               □■『天皇の影法師』■□

          (中公文庫 税込700円)
 
      天皇崩御そして代替わり。その時何が起こるのか。
  天皇という日本独自のシステムを〈元号〉を突破口に徹底考証。
         処女作が待望の復刊です。   
 
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「天皇は実在するが、また同時に人びとの意識の底にとり憑いた幻想のひとつ
でもある。曲がりくねった鏡張りの回廊を歩くときに歪んだ自分の姿が無数に
映るばかりで天皇の影は見当たらない」(「あとがき」より)

 巻末には作家・批評家の東浩紀氏との特別対談「今、ここにある皇室の危機」
が収録されました。

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      □■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
            (中公新書 税込777円)

「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)

                *

     作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
 サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。
 
  第一部 「言語技術とは何か」
  第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
  第三部 「未来型読書論」

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                □■『突破する力』■□
          (青春出版社 税込800円)

              7刷出来!  

  道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
      さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
     自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
          本気の仕事&生き方論。
  
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