結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年12月6日 Vol.245
はじめに
おはようございます。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
もう12月なんですねえ!
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サイン本の話。
翻訳された結城浩の本を何冊かプレゼントする企画を行っています。 〆切は2016年12月6日(火)、つまり、この結城メルマガの配信日です。 ぜひどうぞ!
詳しい応募方法については、 以下のブログ記事をごらんください。
◆中文版『数学ガール/フェルマーの最終定理』他多数!
《結城浩のサイン本無料プレゼント》
https://snap.textfile.org/20161123170454/
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まぐまぐ!での購読者さんへのお知らせ。
「まぐまぐ!」から配信される有料メルマガは、 配信元ドメインが順次変更になるとのことです。。 これまでの「mag2.com」から「mag2premium.com」に変更されるとのこと。 もしもメール受信のフィルタ設定などをしている方は、ご注意ください。 公式の情報は以下です。
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なお、「ブロマガ」からの配信には変更ありません。
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謎のメモの話。
先月末、TODOリストを見たら、
★★★ 11/30 までに連絡メール出すこと ★★★
というメモが書かれていました。 ★マークがたくさんついているので、 きっと重要なことなのでしょう。
でも「いったい誰に対して、何に関する連絡メールを出すのか」 がさっぱりわかりません。思い当たるものが何もありません。 しかも11/30って月末。今日じゃん!
こんなひどいメモを書いたのは誰だ? 私だ!(涙)
これ、結局何の連絡メールだったのか、現在もまだわかっていません。
この話をしたら、多数の知り合いから「『予定表あるある』ですね」 と言われました。よくあることなんだ……
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リラックスの話。
先日、こんな質問をいただきました。
あなたがリラックスしたいとき、
もっとも効果があるものは何ですか。
結城がすぐに思いついたのは「入浴」という答えでした。 疲れたときや、いろんなことで頭がいっぱいになったとき、 もっとも効果的なのは入浴じゃないかな、と思ったからです。
その次に思いついたのは「睡眠」ですね。 結城は寝付きが比較的よい方で、横になって目を閉じると、 たいていの場合はすぐに眠ってしまいます。 直前にコーヒーでも飲んでいなければの話ですが。
他にはあるかな、と考えてふと気付いたことがあります。 それは「入浴」や「睡眠」はリラックス法というよりも、 疲労回復法じゃないか、ということです。 質問に対してちょっとずれた回答をしてしまっていました。
リラックスするというのは緊張感をほぐすという意味ですよね。 ということで改めてリラックスについて考えてみます。 結城に効果が高いリラックス法は、
「歩く」
ことじゃないかな、と思いました。
結城はよく歩きます。カフェに出かけて書き物をしますし、 一日のうちに何度もカフェを移動しますから、 そのたびごとにこまめに歩くことになります。 そしてそれは、執筆の緊張をほぐすのに大きく役立っていると思います。
私の頭には慣性の法則が働いています。 なので、仕事の一区切りで席を立ち、 荷物をまとめてカフェから出ても、 しばらく頭は仕事のことを考えています。
さっき書いた文章を頭は勝手に思い出し、なぞり返し、 概念をこねくり回し、適語選択したかどうかをチェックし、 自然に浮かび上がる疑問がないかどうかを再確認します。 それは仕事にとってはいいことなのですが、 ある種の緊張が持続しているともいえますね。
それでも、しばらく歩いていると次第に緊張はやわらいできます。 空を見上げ、町行く人たちを眺め、 仕事とは直接関係がない風景を見ているうちに、 心がリフレッシュするように感じます。
ということで「歩く」は私のリラックス法の一つですね。
あなたはいかがでしょう。
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「可能性はゼロではない」の話。
〔結城注:下記の引用部分に誤記がありました。以下では修正しています〕
大貫剛さん(@ohnuki_tsuyoshi)がこんなツイートをしていました。
--------
「可能性はゼロではない」といった表現が混乱を招く問題、
IPCC第5次報告書が非常に良い統一基準を作っていたので、
これを参考にすると良いと思った。
可能性が1%未満の場合は「ほぼあり得ない」で統一してる。
https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/803097506082996224
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ここで言及されているIPCC第5次報告書では、 「0〜1%の確率」は「ほぼあり得ない」、 「0〜5%の確率」は「可能性が極めて低い」という表現が使われているとのこと。
結城もときどき「可能性はゼロではない」という表現が気になります。 「ゼロではない」という表現は「ありえなくはない」 という二重否定のニュアンスで使われているように感じます。 つまり「ありうる」ことが強調された言い回しであるという意味です。
「可能性はゼロではない」という表現が使われる場面を想像すると、 単なる事実として「ゼロではない」が語られているわけではなく、 そこには別の意味合いが付加されてしまっているのですね。
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掛け算順序の話。
先日、カクヨムで『掛け算』という落語を読みました。 ときどきネットで見かける「2×3は3×2と同じか違うか」 という議論を落語仕立てにしたものです。
◆第1話 - 落語・掛け算(山本弘)
https://bit.ly/2gRHgAo
この落語がおもしろいのは、 単なる「変な算数を批判する」というパターンに収めるのではなく、 掛け合いがどんどんエスカレートしていって、 ありとあらゆる数を含む表現の順序をひっくり返している点です。 一つのアイディアを極限までもっていった笑いとでもいいましょうか。
それほど長くないので、ぜひお読みください。
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「数学者はすごい」と思う点。
結城が素朴に「数学者はすごい」 と思っている点をいくつか列挙してみます。
論じているとき、 「そもそもそれは存在するのか」と問う姿勢。
解が見つかったとき、 「解は唯一か」と問う姿勢。
解が存在し、唯一だとわかったとき、 「一般化できないか」と問う姿勢。
一般化した解が得られたとき、 「別の分野に類似する概念はないか」と問う姿勢。
つまり、数学者の「どこまでも問う」という姿勢を、 結城はすごいと思っているのですね。
第一歩の「それは存在するか」という問いからして驚きです。 だって、存在について真っ正面から考えるって、 日常生活ではなかなかありません。 そんな問いを中学校(あるいは小学校)から学べる点で、 数学の学びはとても重要じゃないかと思います。
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それでは、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞ、ごゆっくりお読みください!
今回は『数学ガール6』執筆の関係もあって、 いろんな意味での「もがき」が絡んでいるようです……
目次
- はじめに
- 進捗が見えないときの対処法 - 仕事の心がけ
- 「断片」は「作品」ではない - 本を書く心がけ
- 本を書くために必要なこと - 本を書く心がけ
- お絵描きでリラックス
- おわりに
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