第二次大戦が日本に与えた影響は大きかった。というより、終戦(敗戦ではなく戦争が終わったこと)が日本に与えた影響には本当に大きなものがあった。この一事によって、日本という国の雰囲気はガラリと変わったのだ。
どう変わったかというと、一瞬にして奇妙な明るさに包まれたのである。
ここで「奇妙」としたのは、それが手放しの明るさではなかったからだ。そこには、敗戦によるショックや、これからどうなるか分からないという不安もあった。しかし、そうしたネガティブ要素をはるかにしのぐ大きさで、「戦争が終わった」ことの開放感に人々は歓喜した。
人々が喜びに包まれたのは、もちろんそれ以前の戦争が本当につらかったからだ。おかげで、終戦直前の日本は厭戦気分ではち切れそうになっていた。
しかし、当時の日本は今と比べるとはるかに同調圧力が強く、そうした厭戦気分をほとんどの人が表明できなかった。それどころか、ほとんどの人が厭戦
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