「桃太郎」において犬、猿、雉の家来たちは、「人間関係」を象徴している。あるいは、その関係性は「組織」というものを象徴している。
まず重要なのが、桃太郎と犬との関係である。両者は、必ずしも愛情や友情、思想で結ばれているわけではない。それ以前の、「きびだんご」という「報酬」で結ばれている。桃太郎と犬とは、いうならば「雇用関係」だ。その組織は、現代でいえばベンチャー企業のようなものである。
ここが、「桃太郎」という物語の卓越したところだ。
私たちは、その大部分の人間関係が、愛情や友情、思想などで成り立っている。そのため、一見そういう関係の方が重要に見えてしまう。
しかしながら、私たちの生活を成り立たせている胆のところは、実は報酬の授受を前提とした雇用関係で成り立っている。私たちの生活を保障する「仕事」というものは、愛情や友情、思想で成り立つケースはとても少ない。むしろ、雇用関係というドライなもの
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。