競争考:その33「自分との対話によって見えてくるもの」(2,117字)
規則正しい生活をしていると、自分というものが見えてくる。
では、そこで見えてくる「自分」とは何か?
それは、他者としての自分である。客観としての自分なのだ。
他者としての自分、とはどういうものか?
それは、自分から見た自分――つまり本人としての自分と比較するとよく分かる。
本人としての自分から見たとき、例えば胃が痛かったりすると、まず出てくる感想は「胃が痛くて嫌だなあ」という被害者意識である。そして「どうしておれは胃が痛くなるんだろう?」という疑問がわき上がる。
一方、他者として自分を見たとき、まずわき上がるのは「あ、おれ、胃を痛がっている」という「興味」である。続いてわき上がるのは「どうしておれは痛くなるんだろう?」という疑問だ。
このとき、両者とも疑問がわき上がるのは一緒だが、前者の場合は被害者意識に基づいているので、厳密には答えを求めていない。それに対し、後者は興味に基づいているので
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