それは、発売前に本の中に込めたさまざまな意匠やアイデアが、功を奏した結果だろう。そこまでは、いやらしい言い方をすれば「計算通り」だった。狙った通りに、多くの人々の興味を喚起することに成功したのである。
ただし、この本は初めから「爆発的」に売れたわけではなかった。すぐに大きなブームを巻き起こしたわけでもない。むしろ、ブームの一歩手前でじりじりと推移していた。売れ方としては、むしろ静かな方だった。堅調ではあったが、目を見張るほどのものでもなかったのだ。
その証拠に、この時期のビジネス書の売上げでは、常に2位以下に甘んじていた。というのも、この時期、「爆発的」なブームを巻き起こしたビジネス書があったからだ。
それは「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略(以下「フリー」)」という本だった。いわゆるフリーミ
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