これから来る「本物の個人時代」は、どのようなものになるだろうか?

その前提として、まずは「世界中がフラットになる」ということがある。「フラット」とは、同じ言葉を話し、同じ食べ物を食べるという意味だ。

これは、「昔の日本」と「今の日本」の違いを考えると理解しやすい。100年前、青森県民と鹿児島県民は違う言葉を話し、違う食べ物を食べていた。しかし今は、両者とも同じテレビで見た同じ言葉を話し、同じイオンで買った同じ食べ物を食べる。

その一方で、100年前の青森県民同士は、皆均質だった。鹿児島県民同士もそうである。ところが今の青森県民には、いろんな人がいる。鹿児島県民にもいろんな人がいる。
そんなふうに、過去から未来に向けて、地域性が薄れる一方、個人の個性は際立っている。それはトレードオフの関係なのだ。

この現象が、これから世界を舞台に進む。世界中のどの国のどの地域も似たような言葉を話し、似たよう