偽物の個人時代:その9(1,721字)
団塊ジュニアの多くは、「自分は特別な存在」と思って育った。親からそう教えられたからだ。それで、その考えを補強してくれる『世界に一つだけの花』が好きになった。そういう人が多かったから、この歌は大ヒットした。
しかし、この歌の末路が今、どういうふうになっているかは誰もが知るところであろう。作詞・作曲の槇原敬之氏は麻薬中毒から抜け出せず、二度目の逮捕をされるに至った。歌ったSMAPは日本国中を巻き込んだ解散騒動の末、今またジャニーズ事務所そのものが崩壊の危機に瀕している。
槇原敬之氏もSMAPも、そしてファンたちも、団塊ジュニアだった。そのため、彼らのマインド(哲学)は一種の宗教的結束を生み出し、この歌の大ヒットへとつながった。
しかしそれは、2020年に轟音を立てて砕け散った。それは、花がしおれるようなひっそりとした死ではなく、ダイナマイトが爆破したような、あまりにもド派手な死だった。それもま
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