「トランスポート」という言葉がある。「物を動かす」という意味だが、古来よりトランスポートは経済の鍵を握ってきた。

「ロジスティック」という言葉もあって、これは日本語では「物流」と訳される、トランスポートの中心的な概念だ。ただ、元々はローマ時代の戦争で、前線の兵士に武器や食料を届けることを意味した。日本語だと「兵站」だが、これが「戦争に勝つか負けるか」の鍵になったのでローマは、ロジスティック――いかに物資を前線に運ぶかを研究し尽くした。

その結果、出てきた答えが「道を作る」というものだった。そこでローマは、道を作るための技術をこれでもかと積み重ねた。
そうしてやがて土木大国となるのだが、それが巨大な帝国を作ることにもつながった。道を作るということが、国を作る上でも大きな役割を果たしたのである。

なぜかというと、道は「一石三鳥」だからだ。まず、上記のように前線に物資を運ぶのに役立つので、戦争に