子供の話というのは、当たり前のことではあるが、たいていつまらない。それは、知力をはじめさまざまな能力が欠けているからである。能力が欠けているからこそ、逆に奇想天外な話になり、かえって面白いということもあることはある。ただ、それはあくまでもイレギュラーなことで、本質的には、話術が足りないから話がつまらなくなる。
子供は、よく見聞きしたことを母親に報告する(物語る)。が、そこでたいてい、自らの話術が拙いために、母親につまらなそうな顔をされるという経験をする。あるいは、反応してもらえなかったり、無視されたりという事態も起きる。
そうしたときに、子供は当然の帰結として、「もっと面白い話をしよう」と考える。あるいは、考える以前に、本能的にそうしようとする。
幼い子供にとって、母親に相手にされないのは大きなストレスだから、なんとかそうならないよう状況を改善しようとする。
そうしたときに、ほとんどの子供
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