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世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その33(2,346字)

2016/08/30 08:00 投稿

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  • 日本の美的感覚
『巨人の星』以降で、アニメ界に最も大きな変革をもたらしたのは、高畑勲と宮崎駿のコンビであろう。彼らが一九七四年に制作した『アルプスの少女ハイジ』は、さまざまな意味でエポックメイキングな作品となった。

まず、宮崎駿がレイアウトという仕事を確立させた。
レイアウトというのは、実写映画でいえば演出とカメラを兼ねたような仕事だ。キャラクターと背景が、何秒でどのように動くかを決めていく仕事である。
なぜこのような役職ができたかといえば、それまでのアニメではキャラクターの動きと背景を統括する役職がなく、しばしばそれらがずれるという事態が起こっていたからだ。顕著な例では、地平線の向こうから走ってきた主人公が、わずか十数歩で眼前まで来るというような場合もあった。

また、アニメならではの絵の嘘も多かった。例えば、室内のシーンでは部屋の大きさや家具の配置などが決められていないため、つなげてみると矛盾する場合も

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