世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その33(2,346字)
『巨人の星』以降で、アニメ界に最も大きな変革をもたらしたのは、高畑勲と宮崎駿のコンビであろう。彼らが一九七四年に制作した『アルプスの少女ハイジ』は、さまざまな意味でエポックメイキングな作品となった。
まず、宮崎駿がレイアウトという仕事を確立させた。
レイアウトというのは、実写映画でいえば演出とカメラを兼ねたような仕事だ。キャラクターと背景が、何秒でどのように動くかを決めていく仕事である。
なぜこのような役職ができたかといえば、それまでのアニメではキャラクターの動きと背景を統括する役職がなく、しばしばそれらがずれるという事態が起こっていたからだ。顕著な例では、地平線の向こうから走ってきた主人公が、わずか十数歩で眼前まで来るというような場合もあった。
また、アニメならではの絵の嘘も多かった。例えば、室内のシーンでは部屋の大きさや家具の配置などが決められていないため、つなげてみると矛盾する場合も
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
2016/08/29(月) 06:00 『君の名は。』は新海誠監督がこれまでの弱点を上手く解消した彼の最高傑作だと思う(1,797字)
コメント
コメントを書く