<前回までのあらすじ>
兄がお風呂でひっくり返った。
私の故郷「山形」には
朝日町とか小国町とか
川西町とか船形町とか
いくつもの”町”があるのだが
その読み方は唯一の例外である
「河北町(かほくちょう)」
を除いてすべて
「〜まち」なのだそうだ!
さっき習った!
なので「山辺町」も
「やまのべまち」と読む!
昨年2015年の7月に
「山辺町で講演会」をやらせてもらった!
そもそも子供の頃は
「山辺に行こう!」
と言われたらうんざりしたものだ!
我が家におけるその言葉は
退屈なお墓参りを意味するだけで
決してレジャーではなかった!
お墓を掃除して長時間のお経を我慢し
いい子にしていたからといって
帰りに”合体チョコボール”を買ってもらう
そんなお店すら見当たらない
ひたすらつまらない場所が山辺だった!
そこはまるで
子供の忍耐力を試す修行の町に思えたものだ!
ところが!
山辺町を活性化させようと企む集団
「Taiken堂」から講演会に呼んでもらった事で
「山辺に行こう!」
という言葉が
40年以上の時を経て
一気にひろぐ言葉に変わった!
なにしろ今回は
昨年記憶を失うまで飲んでひろいだ
あの「Taiken堂」のメンバーが
『大王を囲む会』を開いてくれると言うのだ!
よし!
みんなで囲むがいい!
前の晩も一緒に飲んでいた
”きれいどころ”「塚本順子」ちゃんと
”大阪産山形人”「笑福亭笑助」君とで
山形駅西側の「霞城セントラル」の前に立ち
寒い寒いと足踏みしながら待っていると
“山辺の粟根まこと”との異名を持つ
「ちえちゃん」が車で迎えに来てくれた!
車中での話題は
どこぞの病院の院長が汚職で逮捕され
「いい人だったのに・・・」
といったものだったが
私にはローカル過ぎて
何の事やらさっぱりだった!
裏も表もいい人なんてのは
「石野真子」様と
「大場久美子」様だけの世の中だ!
ちえちゃんの車
通称「チェラーリ」が到着した場所は
山辺町の”静かなる繁華街”にある
「マルイ牛肉店」というお肉屋さんだった!
Taiken堂メンバーはそこを
「山辺町が誇るお店」と称したのだが
見る限り実に普通な”町のお肉屋さん”で
なんならたまたまちえちゃんのお母さんが
夕飯の買い物をしていた!
「あらお母さん!」
とか会話していた!
どうにも奇妙な話なのだが
Taiken堂メンバーは
そこで私を囲むのだと言って聞かない!
これはひょっとして
テキサスの田舎町で起こった連続殺人を映画化した
あの作品のような事が起こるのではないか?
”今夜のごちそう”というのは実は私の事で
”囲む会”とはそういう意味なのではないか?
厨房の奥から手拍子に乗って
車椅子のじいさまが現れ
私の頭をトンカチで打ち砕くのを
みんなで山辺町歌『Hey!山辺』を歌いながら
見守る会なのではないだろうか?
いつでも逃げ出せる体勢を維持しながら
そっとお店の中を覗けば
実に普通なお肉屋さんの入口横には
なんと宴会場があった!
どうやら「マルイ牛肉店」は
店主であるおばさんの気分次第で
宴会をやらせてくれるお店なのだと言う!
しかもお肉のおいしさは
常軌を逸しているとまで説明された!
中へ案内されると
知り合い半分”誰やねん”半分の
15人ほどのメンバーが集合していた!
「大王を囲もう」との号令で
私を囲んでみたい人々が
わいわい集まってくれたのだ!
自動車修理業を営みながら
カフェを開業し
彫金でも収入があるという才人や
最近農家になったがまだ収穫が無いので
”何農家とは言えない!”
と自己紹介する奇人もいた!
長年退屈だと思っていた町は
とんでもなく愉快な連中であふれ返っていた!
やがて評判通りのお肉がどっさり運ばれて来た!
それらは通常の焼肉用のお肉ではなく
極上のステーキ肉を小さくカットしたものだった!
歯で噛む必要もないほどの
とろんとろんのお肉が
食べても食べても無くならないほど
我々の前に積み上げられた!
私の同世代はよく
「この歳になると
肉より魚を求めちゃうんだよねぇ!」
みたいな事を言う!
私はその言葉を言うのが生涯の夢だ!
80歳ぐらいまでには叶うだろうか?
そうこうすると
あの怪人「ミッチーチェン」も黄色く現れた!
彼は彼で山形の人気者なので
初めて本物を見る山辺町民は
それはそれは喜んでいた!
さて!
Taiken堂メンバーと言えば
決して忘れてはならないのがあの「牧野」君だ!
1年経っても相変わらずの髪型で
年下にしておくのがもったいないほどの男だ!
彼は昨年の『ひろぐ』において
「ちょんまげを奪われた侍」と称された事を
たいそう気に入っていた!
驚くほどの極上肉による焼肉と
それぞれが持ち込んだ山形の銘酒で
すっかりご機嫌になった我々は
そんな牧野君に
もっと”お侍様”らしい威厳を求め始めた!
なので!
まずは”なす”にした!
一気に威厳が上がった!
実に立派な”お侍様”がそこに居た!
この威厳のおかげで
この後
この宴会に参加した仲間で組まれたLINEグループは
『なす侍』という名称になった!
我々は「なす侍」様にひざまづき頭を垂れた!
そして畏れ多くも申し出た!
「お侍様!
デザートはいかがでしょう?」
侍ポイントは一気に下がった!
しかしM-78度が沸騰した!
”夏の似合う男”や”海の似合う男”はいても
”メロンの似合う男”はそうそうおるまい!
だがやはり!
こうしていられるのも3分間だけだ!
我々は”お侍様”に
年賀状用の写真を撮るよう薦めた!
ああでもないこうでもないと議論しながら
遂に完成したのが
この「えびざむらい様」である!
威厳が爆発した!
山辺町に城が建った!
まるで台湾で作られた黒澤映画の偽物のような
この素晴らしき一枚の写真!
これを冷蔵庫に一年貼っておくだけで
その御利益によって
食に困らないであろう事は間違いない!
この写真の年賀状が欲しい方は
是非山辺町役場まで
「牧野様 えびざむらい年賀状希望」
と書いて申し込むといいだろう!
ただしどうなるかは知らない!
最後はみんなでわいわい記念写真!
くれぐれも言っておくが
私の隣にいるのは「粟根まこと」ではなく
ちえちゃんだ!
声を枯らすほど騒いだマルイ牛肉店での宴会!
それが終わっても
今度はちえちゃんが宴会場としてだけ使っている
謎の別宅通称「ちえの穴」を占拠して
更に激しい宴会が続いた!
ちなみに左側に写っているのは
「粟根まこと」ではなくちえちゃんだ!
なんならミッチーチェンは
他人の家で勝手に眠りこけた!
まぁ言うところの”ネッチーチェン”だ!
かくして!
またしても私には
この宴会がどうなって終わったのか
記憶にない!
普通に実家で目覚めたところをみると
「チェラーリ」で送ってもらったのだろう!
だとしたらありがとうちえちゃん!
ほんの数年前まで
山形に帰ったところで
私を迎えてくれる人など
わずか数人しかいなかった!
なのにどうだ?
実に多くの人達が
おかえりー!
と言って帰郷した私を歓迎してくれる!
ある時には”二度と戻るまい”と思っていた
そんな山形だったが
今ではこうして『ひろぐ』を書きながらも
また帰りたいと思う始末だ!
私だけが従う哲学「ひろソフィー」には
こんな一節がある!
「人間の価値を数字で表すならば
それは財産や功績の量などではない!
”その人にまた会いたい!”
と願ってくれる人の数だ!」
もっともっと沢山の人に
「また会いたい!」と言われたい!
私が色々な仕事に着手するのも
目的はお金ではなく
”また会いたい”と誰かに言われるためだ!
最高に楽しい”囲む会”をありがとう!
飽きられない程度に
また山辺に行くとしよう!
翌朝は規則正しい日課として
実父「ごんぼちゃん」と温泉をひろいだ!
お昼過ぎにはまた映画館「山形フォーラム」に行き
『怒り』を観て怒った!
更に規則正しく映画館を出れば日暮れ時!
私は「木の実町」にある
自分の本籍地へと歩いて向かった!
「実に奇妙な展開」から
そこは現在映画監督「林海象」氏の住居だ!
「おじいさんの書斎の改装も終わったので
うちで鍋でもしましょうよ!」
自分の生まれた家の玄関を開けて
「ようこそ!」
と言われるのはたいそう不思議な気分だ!
しかし祖父「後藤嘉一」の書斎だった部屋に入ると
その不思議さは飛び抜けていた!
気難しかった祖父の書斎は
幼少期であれば
なるべくならば入りたくなかった部屋だが
海象監督の書斎となった今!
そこはとんでもなくポップで愉快な空間に変わっていた!
私の背後に見えるベッドは
壁への収納が可能だ!
「ベッドを壁から倒した時に見える壁に
モデルガンを並べたいんですけどねぇ!」
あまり薦めないが見てみたい事は確かだ!
祖父の書斎は
着々と何かの秘密基地になっていくようだ!
宴会は二階でと言われた!
まさにその二階こそが
私を含む家族5人で暮らしていた生活空間で
そこに関しては一切改装されていない!
家族で過ごしたそのまんまだ!
そんな所に
わいわいと海象さんの教え子である
「東北芸工大」の学生達が集まり
10人以上での大宴会となった!
学生のうち数名は
数ヶ月前に海象監督から香川県に呼び出され
「俳優引退」後に俳優として撮影した
映画『BOLT』のスタッフだった子もいた!
そんな香川県での想い出などを語り
一同はおおいに盛り上がった!
(写真:タイナカジュンペイ)
その宴会中に
ふと柱を見れば!
兄「よっと」が46cmだった時代の遺跡を発見した!
面白いので
あの転倒からぼんやり回復した「よっと」を
メールで呼び出すと
悪友「しぶちん」も一緒に現れた!
更に宴会は沸いた!
珍しく記憶をいっぱいにして帰宅した!
さーって!!!
驚くべき事に
この翌日がやっと序章で紹介した本来の仕事
『演劇大学 in やまがた』での
ワークショップ講師だ!
ずいぶんと”プレひろいだ”ものだ!
しかしワークショップをすれば
更にひろぐ事を私は熟知していた!
既にここまでの宴会続きで
私の声はまるで「バットマン」のように
枯れて消えかけていた!
それでも山形をひろぐ冒険記は
まだ続くのであった!
兄がお風呂でひっくり返った。
私の故郷「山形」には
朝日町とか小国町とか
川西町とか船形町とか
いくつもの”町”があるのだが
その読み方は唯一の例外である
「河北町(かほくちょう)」
を除いてすべて
「〜まち」なのだそうだ!
さっき習った!
なので「山辺町」も
「やまのべまち」と読む!
昨年2015年の7月に
「山辺町で講演会」をやらせてもらった!
そもそも子供の頃は
「山辺に行こう!」
と言われたらうんざりしたものだ!
我が家におけるその言葉は
退屈なお墓参りを意味するだけで
決してレジャーではなかった!
お墓を掃除して長時間のお経を我慢し
いい子にしていたからといって
帰りに”合体チョコボール”を買ってもらう
そんなお店すら見当たらない
ひたすらつまらない場所が山辺だった!
そこはまるで
子供の忍耐力を試す修行の町に思えたものだ!
ところが!
山辺町を活性化させようと企む集団
「Taiken堂」から講演会に呼んでもらった事で
「山辺に行こう!」
という言葉が
40年以上の時を経て
一気にひろぐ言葉に変わった!
なにしろ今回は
昨年記憶を失うまで飲んでひろいだ
あの「Taiken堂」のメンバーが
『大王を囲む会』を開いてくれると言うのだ!
よし!
みんなで囲むがいい!
前の晩も一緒に飲んでいた
”きれいどころ”「塚本順子」ちゃんと
”大阪産山形人”「笑福亭笑助」君とで
山形駅西側の「霞城セントラル」の前に立ち
寒い寒いと足踏みしながら待っていると
“山辺の粟根まこと”との異名を持つ
「ちえちゃん」が車で迎えに来てくれた!
車中での話題は
どこぞの病院の院長が汚職で逮捕され
「いい人だったのに・・・」
といったものだったが
私にはローカル過ぎて
何の事やらさっぱりだった!
裏も表もいい人なんてのは
「石野真子」様と
「大場久美子」様だけの世の中だ!
ちえちゃんの車
通称「チェラーリ」が到着した場所は
山辺町の”静かなる繁華街”にある
「マルイ牛肉店」というお肉屋さんだった!
Taiken堂メンバーはそこを
「山辺町が誇るお店」と称したのだが
見る限り実に普通な”町のお肉屋さん”で
なんならたまたまちえちゃんのお母さんが
夕飯の買い物をしていた!
「あらお母さん!」
とか会話していた!
どうにも奇妙な話なのだが
Taiken堂メンバーは
そこで私を囲むのだと言って聞かない!
これはひょっとして
テキサスの田舎町で起こった連続殺人を映画化した
あの作品のような事が起こるのではないか?
”今夜のごちそう”というのは実は私の事で
”囲む会”とはそういう意味なのではないか?
厨房の奥から手拍子に乗って
車椅子のじいさまが現れ
私の頭をトンカチで打ち砕くのを
みんなで山辺町歌『Hey!山辺』を歌いながら
見守る会なのではないだろうか?
いつでも逃げ出せる体勢を維持しながら
そっとお店の中を覗けば
実に普通なお肉屋さんの入口横には
なんと宴会場があった!
どうやら「マルイ牛肉店」は
店主であるおばさんの気分次第で
宴会をやらせてくれるお店なのだと言う!
しかもお肉のおいしさは
常軌を逸しているとまで説明された!
中へ案内されると
知り合い半分”誰やねん”半分の
15人ほどのメンバーが集合していた!
「大王を囲もう」との号令で
私を囲んでみたい人々が
わいわい集まってくれたのだ!
自動車修理業を営みながら
カフェを開業し
彫金でも収入があるという才人や
最近農家になったがまだ収穫が無いので
”何農家とは言えない!”
と自己紹介する奇人もいた!
長年退屈だと思っていた町は
とんでもなく愉快な連中であふれ返っていた!
やがて評判通りのお肉がどっさり運ばれて来た!
それらは通常の焼肉用のお肉ではなく
極上のステーキ肉を小さくカットしたものだった!
歯で噛む必要もないほどの
とろんとろんのお肉が
食べても食べても無くならないほど
我々の前に積み上げられた!
私の同世代はよく
「この歳になると
肉より魚を求めちゃうんだよねぇ!」
みたいな事を言う!
私はその言葉を言うのが生涯の夢だ!
80歳ぐらいまでには叶うだろうか?
そうこうすると
あの怪人「ミッチーチェン」も黄色く現れた!
彼は彼で山形の人気者なので
初めて本物を見る山辺町民は
それはそれは喜んでいた!
さて!
Taiken堂メンバーと言えば
決して忘れてはならないのがあの「牧野」君だ!
1年経っても相変わらずの髪型で
年下にしておくのがもったいないほどの男だ!
彼は昨年の『ひろぐ』において
「ちょんまげを奪われた侍」と称された事を
たいそう気に入っていた!
驚くほどの極上肉による焼肉と
それぞれが持ち込んだ山形の銘酒で
すっかりご機嫌になった我々は
そんな牧野君に
もっと”お侍様”らしい威厳を求め始めた!
なので!
まずは”なす”にした!
一気に威厳が上がった!
実に立派な”お侍様”がそこに居た!
この威厳のおかげで
この後
この宴会に参加した仲間で組まれたLINEグループは
『なす侍』という名称になった!
我々は「なす侍」様にひざまづき頭を垂れた!
そして畏れ多くも申し出た!
「お侍様!
デザートはいかがでしょう?」
侍ポイントは一気に下がった!
しかしM-78度が沸騰した!
”夏の似合う男”や”海の似合う男”はいても
”メロンの似合う男”はそうそうおるまい!
だがやはり!
こうしていられるのも3分間だけだ!
我々は”お侍様”に
年賀状用の写真を撮るよう薦めた!
ああでもないこうでもないと議論しながら
遂に完成したのが
この「えびざむらい様」である!
威厳が爆発した!
山辺町に城が建った!
まるで台湾で作られた黒澤映画の偽物のような
この素晴らしき一枚の写真!
これを冷蔵庫に一年貼っておくだけで
その御利益によって
食に困らないであろう事は間違いない!
この写真の年賀状が欲しい方は
是非山辺町役場まで
「牧野様 えびざむらい年賀状希望」
と書いて申し込むといいだろう!
ただしどうなるかは知らない!
最後はみんなでわいわい記念写真!
くれぐれも言っておくが
私の隣にいるのは「粟根まこと」ではなく
ちえちゃんだ!
声を枯らすほど騒いだマルイ牛肉店での宴会!
それが終わっても
今度はちえちゃんが宴会場としてだけ使っている
謎の別宅通称「ちえの穴」を占拠して
更に激しい宴会が続いた!
ちなみに左側に写っているのは
「粟根まこと」ではなくちえちゃんだ!
なんならミッチーチェンは
他人の家で勝手に眠りこけた!
まぁ言うところの”ネッチーチェン”だ!
かくして!
またしても私には
この宴会がどうなって終わったのか
記憶にない!
普通に実家で目覚めたところをみると
「チェラーリ」で送ってもらったのだろう!
だとしたらありがとうちえちゃん!
ほんの数年前まで
山形に帰ったところで
私を迎えてくれる人など
わずか数人しかいなかった!
なのにどうだ?
実に多くの人達が
おかえりー!
と言って帰郷した私を歓迎してくれる!
ある時には”二度と戻るまい”と思っていた
そんな山形だったが
今ではこうして『ひろぐ』を書きながらも
また帰りたいと思う始末だ!
私だけが従う哲学「ひろソフィー」には
こんな一節がある!
「人間の価値を数字で表すならば
それは財産や功績の量などではない!
”その人にまた会いたい!”
と願ってくれる人の数だ!」
もっともっと沢山の人に
「また会いたい!」と言われたい!
私が色々な仕事に着手するのも
目的はお金ではなく
”また会いたい”と誰かに言われるためだ!
最高に楽しい”囲む会”をありがとう!
飽きられない程度に
また山辺に行くとしよう!
翌朝は規則正しい日課として
実父「ごんぼちゃん」と温泉をひろいだ!
お昼過ぎにはまた映画館「山形フォーラム」に行き
『怒り』を観て怒った!
更に規則正しく映画館を出れば日暮れ時!
私は「木の実町」にある
自分の本籍地へと歩いて向かった!
「実に奇妙な展開」から
そこは現在映画監督「林海象」氏の住居だ!
「おじいさんの書斎の改装も終わったので
うちで鍋でもしましょうよ!」
自分の生まれた家の玄関を開けて
「ようこそ!」
と言われるのはたいそう不思議な気分だ!
しかし祖父「後藤嘉一」の書斎だった部屋に入ると
その不思議さは飛び抜けていた!
気難しかった祖父の書斎は
幼少期であれば
なるべくならば入りたくなかった部屋だが
海象監督の書斎となった今!
そこはとんでもなくポップで愉快な空間に変わっていた!
私の背後に見えるベッドは
壁への収納が可能だ!
「ベッドを壁から倒した時に見える壁に
モデルガンを並べたいんですけどねぇ!」
あまり薦めないが見てみたい事は確かだ!
祖父の書斎は
着々と何かの秘密基地になっていくようだ!
宴会は二階でと言われた!
まさにその二階こそが
私を含む家族5人で暮らしていた生活空間で
そこに関しては一切改装されていない!
家族で過ごしたそのまんまだ!
そんな所に
わいわいと海象さんの教え子である
「東北芸工大」の学生達が集まり
10人以上での大宴会となった!
学生のうち数名は
数ヶ月前に海象監督から香川県に呼び出され
「俳優引退」後に俳優として撮影した
映画『BOLT』のスタッフだった子もいた!
そんな香川県での想い出などを語り
一同はおおいに盛り上がった!
(写真:タイナカジュンペイ)
その宴会中に
ふと柱を見れば!
兄「よっと」が46cmだった時代の遺跡を発見した!
面白いので
あの転倒からぼんやり回復した「よっと」を
メールで呼び出すと
悪友「しぶちん」も一緒に現れた!
更に宴会は沸いた!
珍しく記憶をいっぱいにして帰宅した!
さーって!!!
驚くべき事に
この翌日がやっと序章で紹介した本来の仕事
『演劇大学 in やまがた』での
ワークショップ講師だ!
ずいぶんと”プレひろいだ”ものだ!
しかしワークショップをすれば
更にひろぐ事を私は熟知していた!
既にここまでの宴会続きで
私の声はまるで「バットマン」のように
枯れて消えかけていた!
それでも山形をひろぐ冒険記は
まだ続くのであった!
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後藤ひろひと
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