【編集長:東浩紀】ゲンロンβ14【視覚と誤配】
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ゲンロンβ14【視覚と誤配】
2017年5月26日号(テキスト版)
編集長=東浩紀 発行=ゲンロン
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※ より快適な環境でお読みいただくため、今号からはウェブ版でのご購読をご案内させていただくことになりました。巻頭エッセイ「つながりβ」下部にURLを掲載しておりますので、そちらをご確認ください。
◆◆◇◇ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. つながりβ 第2回 非言語を議論する 井上明人
2. 浜通り通信 最終回 誤配なき復興 小松理虔
3. 観光客の哲学の余白に 第2回 東浩紀
4. スマホの写真論 第2回 片目とスクショとパノラマ写真 大山顕
5. ポスト・シネマ・クリティーク 第16回 エドワード・ヤン監督『台北ストーリー』 渡邉大輔
6. 亀山郁夫×岡田暁生「オーケストラと近代市民社会のみた(悪)夢」イベントレポート 井手口彰典
7. 人文的、あまりに人文的 第13回 山本貴光×吉川浩満
8. 今月のゲンロンスクール
9. ゲンロンカフェイベント紹介
10. 五反田アトリエからのお知らせ 藤城嘘
11. メディア掲載情報
12. 編集部からのお知らせ
13. 編集後記
14. 読者アンケート&プレゼント
15. 次号予告
表紙:いわき市三崎公園から見下ろす小名浜漁港と旧小名浜魚市場。2014年撮影。 撮影=小松理虔
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つながりβ 第2回
井上明人
@hiyokoya6
「非言語を議論する」
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(編集部より)
巻頭リレーエッセイ「つながりβ」は、ゲンロンカフェにお迎えしている多彩なゲストの方々に、日々の興味関心事、イベントへの意気込みなどを自由に寄稿いただくコーナーです。
人間の身体がどのように世界を認識しているのか。人間自身が自らの認識の特性をそこまで把握できていないことはよく知られている。どんなに意識してもエッシャーの絵は錯視を起こしてしまうし、犬のような嗅覚をもつことも、コウモリのような空間把握も我々はできない。人間の世界認識は、犬からすれば特殊に見えるだろうし、同様に人間からすれば犬の世界認識は特殊なものに思えるだろう。我々の見る世界は我々の身体によって制約されてきた。
しかし、VR/ARをはじめとした知覚のテクノロジー群はこうした身体の制約を補ってみせる可能性がある。ここで「補う」といったとき、三つの意味に整理できる。
一つめは『マトリックス』や『ソードアート・オンライン』のように別の世界に没入し、代替する現実を体験するという意味だ。しかし、これは知覚の技術の一部にすぎない。
二つめは、スーパーマンのように拡張された身体を生きることができるようになるという意味がある。たとえば小川奈美が制作した『えくす手』では、VR上で指の数を倍にしたり、異常に指を長くしたりしながらピアノを弾くことができる。
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