田原総一朗 「オバマ大統領が日韓の仲をとりもった本当の理由とは?」
3月24日、オランダ・ハーグで先進7か国(G7)首脳会議が開催され、「ハーグ宣言」が採択された。6月にロシア・ソチで予定されていたG8サミット(主要国首脳会議)を開かないことなど、ロシアへの制裁事項を盛り込んだものだ。ソチの代わりにベルギーで、G7サミットがおこなわれることになる。
そのG7の後、日米韓の首脳会談がハーグの在オランダ米国大使公邸で開かれた。言うまでもないことだが、これまで安倍晋三首相は韓国の朴槿恵大統領と一度も会談をしていない。これが、初めての会談となったわけだ。
これまでアメリカは、国際秩序を乱すと判断すれば、よかれ悪しかれ口を出し、軍事力を行使してきた。アメリカは「世界の警察」だった。だが、アメリカはいま、その役割をやめようとしている。イラクやアフガニスタンでの戦闘に対して、アメリカ国民の間に厭戦ムードが強まっているのだ。経済的にも、他の国のことにかまっている余裕がない。
そんなときに、ロシアがクリミアを併合し、ヨーロッパ情勢がにわかに緊迫した。一方、アジアに目を向ければ、同盟国である日本が、中国、韓国とうまくいっていない。オバマ大統領にしてみれば、「アジアはアジアでうまくやってくれ、世話を焼かせるな」という気持ちだろう。それでも今回、オバマ大統領は日本と韓国の仲を取り持ったわけだ。
実は、僕が注目していたことがある。この三者会談の後、日韓のみで会談が行われるかどうかだ。結局、安倍首相と朴大統領との会談は、なかったようだ。両者が顔を合わせて意見を交換するのは、まだまだ容易ではないのだろう。だが、日韓間の会話への第一歩が踏み出されたことは喜ばしく思う。
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2014/04/10(木) 20:00 長谷川幸洋コラム第43回 クリミアめぐる国連決議でわかった「G20の分裂」「冷戦に逆戻り」「集団的自衛権の必要性」
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