沈みかけの日に周囲が赤々と染まる頃、隣国との国境近く。この付近一帯は深い森に覆われており、一本の街道だけが頼りなさげに国同士を繋いでいる。そこから少し外れに分け入った先、人の肩幅はあろう樹木の影。認識阻害の魔法結界に身を潜めながら、私は指示書の内容を思い返していた。
要人救出、対象は帝国の高官ゴードン・ゴルトマン。以前一度だけ見掛けたことがあるが、歳相応の交じり白髪と顔の皴、そしてまっすぐ射抜くような力強い目に、それまでの経験に裏打ちされたであろう信念と精神性を感じたものだ。しかし高潔で知られる彼を、それゆえに帝国内部では煙たがる者も多い。そんな彼が何者かに拉致され、その命と引き換えに高額な身代金の要求があったのだという。
事件の解決にあたっては帝国上層部でも意見が割れたらしいが、馬鹿正直にカネを払えば相手がつけあがるだけとする判断のもと、偽金を持たせた交渉役を単身突入させての殲滅救
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コメント
不落さんかっこいい…!!
ひとつひとつの動作や情景が丁寧に描かれていて目に浮かびます。
続きも楽しみに待ってます!
良いですな、この感じ。
不落さんの境遇が分かり、この先が更に楽しみになってきました
導入から一気に物語が動き始めましたね。文章もちょっと肩の力が抜けてきていい感じ。次回も楽しみです!
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(ID:647161)
第2話投稿お疲れ様です!
限定枠なので、内容を細かく語るのは避けますがワクワクする展開になってきましたねー!
今後も楽しみです!