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岡田斗司夫の解決!ズバっと 「両足のない女の子が殺し屋のライバル!『キングスマン』」(前編)

2015/08/12 06:00 投稿

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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/08/12
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
情報サイト『探偵ファイル』に掲載したコラムをお届けします。


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「両足のない女の子が殺し屋のライバル!『キングスマン』」(前編)

(元記事はコチラから)


 「キングスマン」という映画を、試写会で見てきた。
 結論から言うと、すごく面白い。
 「おおむかしの007映画みたいにデタラメで面白い」、と言ってもわかんないだろうから、解説しよう。

 007シリーズ原作は、イアン・フレミングというイギリス人作家が書いたベストセラー小説だ。
 インタビューで「どうやればあんな面白い小説が書けるのですか?」と聞かれたイアンは、
 「簡単だよ、読者が絶対に次のページをめくるように書けばいいだけだよ」と答えたのは有名なエピソード。
 この思わずページをめくってしまう面白さの一つが、国際諜報社会、という新しい視点だった。

 国家の裏には諜報組織という存在があって、ここが敵国の秘密情報を手に入れたり、破壊工作をしたりする。
 実はその段階で、既に戦争の勝敗は決まっているのだ。
 こういう考え方を、初めてベストセラー小説で世界中に知らしめたのが007シリーズだった。

 ちなみに007は「ダブルオー・セブン」と発音する。
 ゼロゼロセブンと読んだらダメ。

 それが1960年代にハリウッドで映画化され、007シリーズは大ヒットした。
 映画がヒットしたのは、大ゲサな敵の設定や荒唐無稽な小道具が楽しかったからだ。
 世界の悪を牛耳る犯罪者連合とか。
 マフィアの親分が核兵器を所有しようと画策したりとか。
 スイッチ一つで自動車が潜水艦になったりとか。
 敵の用心棒がシルクハットを投げると、鋼鉄の刃が飛び出して敵の首が斬れたりとか。
 大人が楽しめるアクション映画でありながら、こういうファンタジーに近いぶっとんだ設定が受けたのだ。

 大人気の007は現在までに24回も映画化され続けた。
 初代ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリー、70~80年代のロジャー・ムーアと代を重ねて人気だったけど、徐々にマンネリ化しはじめた。
 シリーズ11作目の「ムーンレイカー」ではスターウォーズブームに乗っかろうと、ついにボンドはスペースシャトルで宇宙まで行ってしまった。
 こういう荒唐無稽な設定が観客に飽きられたのか、観客動員数が落ち込み始めた。
 それを何とか打開しようと路線変更を試みたのが、1987年15作目の「リビング・デイライツ」
 ティモシー・ダルトンを新ボンド役にして、シリアスでハードな映画に切り替えたのが成功の鍵と言われている。

 昔の007映画のウリであった「むちゃな秘密兵器」や「おおげさすぎる設定」を排除した路線は大人気になり、ふたたび007シリーズはヒット映画に返り咲いた。
 この夏に公開される24作目の最新作「スペクター」はダニエル・クレイグが主役だ。
 昔の007とは、完全に毛色が違っている。
 豪華だが、リアリティがあって、まじめなスパイものになってしまった。

(次号に続く)


以上、情報サイト『探偵ファイル』よりお届けしました。
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