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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
「ダメなSFの見方」
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それとは別にもう1つ、「SFの黄金期は11歳だ」というのがあるんですよ。
つまり、その人が11歳の頃に読んだ本が1番面白いって考え方なんです。
11歳の頃に読んだ、自分の目を開くようなSF小説。それを目にした時の感覚。
僕らはこれを”センス・オブ・ワンダー”って言ってるんですけども。
そこで星空観測をしたとき、理科が得意な先生にこんなことを言われました。
「今、僕らが見ている一つ一つの星は、実は太陽と同じようなもので、あの周りを惑星が回っている。
その惑星のどれかには僕達と同じ人間みたいな住人がいて、その内の何人かは僕らのように山で合宿して、星空を見上げているかもしれない。こっちを見つめているのかもしれない。
これを聞いた時、なんだかゾッとするような、いきなり自分の世界がウワッと広がるような感覚があったんですね。
そして、やっぱり、センス・オブ・ワンダーを一番強く感じられるのは、11歳から13歳くらいの時だと思う。
だから、その時代に読んだSFはやっぱり「良いSF」だと思いますよ。
逆に言えば、人からいくら勧められようとも面白くないものはいっぱいあるので、そこはどうしようもないですね。
例えば僕は、小野不由美の『屍鬼』が嫌いで嫌いでしょうがないんですよ。
僕は2冊並べて1ページ目から比較しながら、「ほら、小野不由美ダメでしょ?」って言えるんですよね。
でも、僕の場合はスティーブン・キングを読んだのが先。それぐらい自分の感覚を開いた作品は彼のものだった。
なので、「ダメなSF」とはたぶん、自分にとって”近親憎悪”を呼び起こすような物なんでしょうね。
……小野不由美さんごめんなさい。
「ダメなもの」とは概ね「良い物」の反対です。
ですので、若い自分が感銘を受けたそれに“似ているようで違うもの”が「ダメなSF」であるのだと思います。
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