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今回は、ニコ生ゼミ04月28日(#279)から、ハイライトをお届けいたします。
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「『攻殻機動隊』第2話 徹底解説!(1~2ページまで)」
「02 SUPER SPARTAN」というタイトルです。
ちょうど転換点あたり。
この夏くらいにバブルの崩壊が始まったから、この89年の12月だったかに「終わり」と言われるようになったので、世間では「まだまだ好景気が続く」と思われていたような時代です。
そういう時代に描かれました。
…まあ、『ブレードランナー』というのは、誤解している人も多いと思うんですけども、実は、サイバーパンクではなく、ただ単に出てくるガジェットが、ちょっと時代掛かってたり、スタイリッシュであったりするだけなんですけど。
なので、この草薙素子という主人公が座っているカバーイラストでも、首の後ろの方にコードが繋がってますね。
こういうのをSF漫画の中で意識的に描いた…
…まあ、“初めて” ではたぶんないんですけども。
表紙とかで、わかるように描いた作品だと思います。
実は、作者として描きたいのは、この目の強さと、人間が首の後ろからコードが伸びて機械に繋がっているという、この不思議さを出したい、と。
だから、実はこの絵で注目すべきところは、この草薙素子がこちら側をクッと横目で睨んでいるのと同時に、この “フチコマ” というロボットが、真正面からカメラの方を向いているところ。
つまり「2つの目が睨んでる」んですね。
これがこの今回のお話全体のテーマであると。
機械の上に人間が乗っている。
しかも、ただ乗っているだけではなくて “繋がっている” 。
そういう世界を描こうとしているということです。
なので、誰かのバイクに荒巻の映像が映って「仕事だ、少佐」と言う。
ところが、ここで少佐はフチコマから降りてお酒を飲んでますよね?
なので「この情報は少佐の元にも何らかの形で伝わっている」というわけですね。
いわば、「電脳で脳内に転送されている」というふうなことなんですけども。
今回、注目すべきキャラクターは、草薙素子という人と、次に “サル” と呼ばれている荒巻部長。
そして “トグサ” と呼ばれる新入り。
これは後で出てきます。
この3人だけを見ていれば、どういうふうなお話かがわかります。
これも、後で出てきます。
「やなこった。へへーん」という少佐に対して、「貴様が要求していた予算は通したぞ。仕事しろ」と言う荒巻。
この予算とは何なのかは、この回のラストで語られます。
結局、少佐がやりたかったのは何かというと、もう、この時代の世の中では、普通の法律とかでは裁けない、電脳犯罪、ネット犯罪とかが大きくなり過ぎていて、普通の警察組織とか軍ではどうにもならない。
それも、警察組織とか公安の端っこにいて、上司の考えとか許可を常に伺わなけれいけないような首輪付きではない、ほんとうの意味で独立した組織というのが必要だ、と。
「そういう組織を作るにはこれくらいの予算が必要です」ということで、少佐は予算を上申していたんですね。
「貴様が要求していた予算は通したぞ、仕事しろ」という荒巻のセリフは、つまり「お前が俺の部下になるならないは関係なく、お前が要求している予算は通したんだから、お前はいよいよ国家・政府の一員となって、国家公務員として仕事をしろ!」ということを言ってるわけですね。
それに対して、少佐は目線で「OK」と言っているので、バトーは首の後ろからケーブルを出して、彼女はうなじを開く。このうなじに有線ケーブルを差し込むんですね。
ということは、やっぱり作者自身も「ネットのセキュリティとは何か?」ということについて、この時には、まだそんなに考えてなかったんですね。
はい、これも後の『攻殻機動隊』ではあんまり出てこないシーンなんですけども。
コードをうなじに差し込まれた少佐が「うン!」と声を上げます。
バトー:いやらしい声だすな、気色悪い。
少佐:この前埋め込んだ聴覚素子(デバイス)が接触不良なのよ! で?
バトー:公安部(ポリコ)のサル部長はキレモノのクソ野郎だ。取り引きに賛成は3、反対2、棄権1。
――――――
ということで、バトーが皆の意見を素子に知らせます。
初期の『攻殻機動隊』にのみ……というか、この第2話のみ、接触不良云々の話が出てきちゃうんです。
「この前埋め込んだ聴覚デバイスが接触不良だ」ということは、つまり「少佐とバトーとが有線で会話するための端子が接触不良を起こしている」と言ってるんですね。
なので、ここで1回、それを見せるということをやってます。
――――――
少佐:正式な特殊部隊の設立を内務大臣(ボス)に申請するには、公安部の “協力” も必要だわ。
バトー:奴は我々に独立より “専属” を望んでいる。
少佐:だったら、なおさら退けない事ぐらい奴も計算づくよ。
――――――
ただ単に、意見として聞いているだけなんですよ。
草薙素子の考えとしては「正式に特殊部隊を作るんだったら、大臣の許可が降りて、予算が降りるだけは済まない。
そうではなくて、公安部のキレモノのサル部長、この人の協力も必要だ。
だから、協力するフリをしよう」と言っているわけです。
でも、彼女が信頼しているバトーは「いや、あいつは我々を独立部隊として泳がすつもりはない。専属して自分の下に組み込むつもりだ」と言って、反対している。
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