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「本当にアメリカは再び月へ行けるのか?」
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いかがでしたか?
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/04/08
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今回は、ニコ生ゼミ03月31日(#275)から、ハイライトをお届けいたします。
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「本当にアメリカは再び月へ行けるのか?」
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岡田:
それではネコロンくん、次のニュースは何ですか?
ネコロン:
アメリカ、再び月へ。
岡田がデトロイトへ行ってる間に、アメリカの副大統領がとんでもない事を言い出したんだ。
「私はペンス副大統領。アメリカは2024年までに、また月へ行きまーす! 行けなかったらNASAは “お取り潰し” になりまーす!」
岡田:
すげぇ事を言ってるよね(笑)。
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ハッタリかましてきたよね、ペンス副大統領。
でもね、アメリカが月へ行くっていうのはね、正直に言って無理だと思うの。
なんでかっていうと、ヘンリー・フォードが成功した理由を考えてみたいと思うんだけども。
デトロイトっていうのはね、ちょうどニューヨークとシカゴの中間にあるんだよ。
なので、シカゴとニューヨークの中間だからね、まず物流のために鉄道が発達したと。
その前は幌馬車隊とか馬車を動かすための道路が整備されて、鉄道が発達して。
オマケに太平洋まで流れている川が、とりあえず五大湖で繋がりながら、デトロイトからセントローレンス川になって、大西洋まで流れてるんだよね。
そのセントローレンス川が、大西洋からエリー湖とか五大湖に繋がってきて、デトロイトからシカゴ、カナダまで 全部 繋がってる。
なので海運もいけると。
船の上での物流も捌けると。
で、こういうふうに陸路と水路が発達しているもんだから、産業は、あっという間に農業から工業へ。
元々は農業と、あとはカナダ系エスキモーや、いわゆる現地のインディアン・アメリカ原住民と取引して毛皮貿易とかをやってたんだけど。
あっという間に農業から工業に変わっちゃった。
で、川での運搬をやっている船の修理をしていると造船も始まって。
それで列車が通ったら、整備をしているうちに新しく機関車とかディーゼル車を、つまり石油をエンジンにしている列車も作るようになってですね。
電車までデトロイトで作り始めた。
それで道路が整備されていると、馬車の修理から製作までやって、ついには蒸気機関で馬車を動かすようになったと。
つまりヘンリー・フォードがフォード・モーター・カンパニーをデトロイトに作った理由っていうのは、ヘンリー・フォードがいたからじゃないんだよね。
そうじゃなくて、デトロイトに住んでいた土地の人たちが、元々、子供の頃から機械とか歯車をいじっていて、遊んでいて、発明したりというのが当たり前の土地だったんだよね。
だから、そういう場所だからデトロイトでの自動車産業っていうのが発達したわけで。
そのデトロイトは、1970年代から、いわゆる日本車の輸出攻撃に。
アメリカから見たら輸入だよね。
これで、壊滅してしまったわけだよね(笑)。
だから『ロボコップ』の舞台になってるんだ。
『ロボコップ』っていうのは、デトロイトであまりに犯罪が多すぎて、警官が少なくなって、「こんな労働条件では、警官はやってられない」っていって、警官がストライキを起こして、警官が働いてくれなくなって。
だからデトロイトの町は、さらに無法地帯になった。
そこに給料も貰らわずに働いてくれるサイボーグの警官がいるぞと。
そういう、とんでもない話なんだけども。
ま、それぐらいすごく犯罪が増えちゃった理由っていうのは、結局、町の中の自動車産業っていうのが日本車のおかげで潰れてしまって、白人がいっせいにデトロイトの町を出てしまって、そこに黒人達が残っているという状態になったんだ。
だから、今回 デトロイトに行ってビックリしたのは、本当にアフリカ系アメリカ人・黒人の多さが凄かったんだよね。
で、そういうふうにデトロイトの町っていうのも、もう何十年も工業の地盤が崩れちゃったから。
今から新しく物を作るっていうのは、フォードもGMも工場を新しくロボット化してるんだけども、その “ロボット化” っていうのは、最新型にするというよりは、「いかに現地の人間に頼らずに物を作るか」というふうになってるんだよね。
それで宇宙開発も、正直なところ同じでさ。
NASAにはもう、技術者がいないんだよ。
もうこの30年間、NASAの技術者っていうのは、だいたいクビになっちゃった。
だからペンス副大統領が何と言っても、アメリカが月に行くんじゃなくて、民間が行くんだよね。
だからこれからの宇宙競争っていうのは、中国とアメリカの競争ではなくて、“中国” という “国家” と、“GAFA(ガーファ)” と言われるような、いわゆる超国家企業・多国籍企業との対決になると思う。
この辺の話は、今年の夏にアポロ50周年があるので、もうちょっと後に細かくやって行こうと思います。
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