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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「【『平成狸合戦ぽんぽこ』予習 1 】 宮崎駿の『製作を中止しなければ俺がジブリを辞める!』宣言の謎」

2019/04/09 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/04/09
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今回は、ニコ生ゼミ03月31日(#275)から、ハイライトをお届けいたします。

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 【『平成狸合戦ぽんぽこ』予習 1 】 宮崎駿の『製作を中止しなければ俺がジブリを辞める!』宣言の謎


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ネコロン:
 『ぽんぽこ』予習その1は、宮崎駿が語った「『ぽんぽこ』は絶対に失敗する」宣言の謎ニャ。
 オカダ、『ジブリの教科書 平成狸合戦ぽんぽこ』の46ページ辺りを読むニャ!


岡田:
 はいはい、読みますね、ネコロンさま。

――――――

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 46ページくらいを読むと、どんなことが書いてあるのかというと。

 もともと、『平成狸合戦ぽんぽこ』っていうのは、『紅の豚』を終えた後の宮崎駿の企画ぶち込みから始まったんだよね。


 宮崎駿は「パクさん(高畑勲)は、杉浦茂の漫画の『八百八狸』をやってくれ。あれはすごい楽しい作品だから、哄笑できるような作品をやってくれ」と言ったんだよ。

 哄笑、つまり「映画館で見ている人が、思わず腹を抱えて大きい声を出して笑うような作品をやってくれ」と言ったんだけど。

 しかし、それに対して高畑勲が何と言ったかというと、「僕には、この漫画の面白さが全然わからないし、映画館で声を上げて笑うなんて、くだらないことだと思う」って “その時は” 言ったんだよね。

 ……後に『ホーホケキョ となりの山田くん』を作る彼が、そんなふうに。


 まあ、宮崎駿の真意としては、「僕は『紅の豚』という映画で、自分のことを豚だと言った。じゃあ、パクさんは狸だろ?」と。

 「自分は欲望にまみれた、なんもかんも欲しくて、女にもモテたい豚のような人間なんだけど。パクさん、あなたは人も騙すし自分も騙す。そうやって他人を使ってばかしたようなものを作る狸じゃないか」と。


 この当時、宮崎駿は……まあ、ジブリの中での読書ブームだったのか、宮崎駿個人のブームだったのかはわからないけど、『人間失格』をすごい読んでたんだって。

 この「宮崎駿が『人間失格』を読んでいた」っていうことは、僕も間接的に知ってて。

 なぜかというと、庵野秀明が一時期、メチャクチャハマってたんだよ。

 『人間失格』の話ばっかりする、と(笑)。


 『紅の豚』が1992年で、『平成狸合戦ぽんぽこ』が94年なんだよ。

 その間、庵野秀明って、物作り的にはちょっと大人しかった時期なんだよね。

 『トップをねらえ!』が88年で『エヴァンゲリオン』が95年だから。


 ちょうどそのヘコんでた時期に、宮崎駿の影響だと僕は思うんだけど、『人間失格』をすごい読んでいたんだ。

 なので、僕は、宮崎駿に『人間失格』ブームがあったというのは知らないんだけど、あの時期、庵野秀明が『人間失格』に すごくハマってたっていうのは、当時ガイナにいた連中だったらみんな知ってるんだよ。


 今回、いろんな資料を見ていると、宮崎駿が『紅の豚』が終わったくらいから、すごい『人間失格』を読んで「自分は汚い」とか、そんなことを語るようになってたんだって。

 つまり、宮崎駿が高畑勲に本当に望んでいたのは「俺はこんな人間なんです、すみません」というような懺悔を、高畑さんにもして欲しかったと。

 なぜかというと、ぶっちゃけ、宮崎駿は『紅の豚』を通じて、自分の中でマルクス主義というものに、一定の評価を与えながらも、悪く言ったら「捨てる」ようなことをしたわけだから。

 そうやって開き直って「俺は欲望で生きるぜ!」と言ったのが『紅の豚』という作品なんだけど。


 だけど、自分だけマルクス主義というのを捨てるのはツラい。

 だから「じゃあ、高畑さんも」ということで、「自分のことをカミングアウトする作品を作ってくれ! 自分のことを狸だと言ってくれ!」と言ったんだけど。

 じゃあ、『平成狸合戦ぽんぽこ』というのは、そんな作品になったのかというと、全然そんな作品にならなかったんだ。

・・・

 まず、この『平成狸合戦ぽんぽこ』というタイトル。

 「狸合戦」までは宮崎駿も認めてたんだけども、その前に「平成」を付けた。

 おまけに、またどこかのテレビ会社の営業かなんかが「じゃあ思い切って『ぽんぽこ』まで付けたらどうですか?」なんて言ったから、高畑勲は大喜びして「そうだ! もう、狸合戦の前に『平成』を付けて、うしろに『ぽんぽこ』まで付けたら、この作品がどんなにくだらないか、分かってもらえるだろう!」と。


 そういうふうに、軽い……まあ「軽い」という言い方は、高畑さんは絶対にしてないんだけど。

 どう説明すればいいかな?

 まあ、それは来週までに考えるわ。

 とにかく、そういうふざけたタイトルにしたんだよ。


 このタイトルに宮崎駿はメチャクチャ怒ったんだ。

 後に、井上ひさしという文学者と対談した時も、井上ひさしが「あのタイトルだけはね」って言ったら、宮崎駿は大喜びで「そうですよね! あのタイトルはダメですよね! あんなタイトルを付ける高畑勲の作品はダメに決まっている!」なんて言い出して、その隣で鈴木敏夫がメチャクチャ困っているという。

 「あれ? それと同じやり取り、何年か前に『ゲド戦記』の作者のアーシュラ・K・ル=グウィンの前でもやってたよな」ってことをやってるんだけど(笑)。


 タイトルが『平成狸合戦ぽんぽこ』に決まった時、宮崎駿はマジで怒って、鈴木敏夫に「絶対に失敗する! 俺のジブリを潰す気か!」って、散々 言ったらしいんだよね。

・・・

 次に、「その『ぽんぽこ』は、多摩ニュータウンを舞台にした、都市開発のせいで自然がなくなっていくという話にする」っていう話を聞いて、今度はいよいよ本当に「制作を中止しろ!」って言い出したんだって。

 「『平成狸合戦』を今すぐ制作中止しろ! 辞めてくれないんだったら、俺がジブリを辞める!」とまで言い出した。

 
 それはなぜかというと……まあね、この本(『ジブリの教科書』)の中ではすごくやんわり書いてるんだよ。

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やんわり書いてるんだけども、ぶっちゃけると「自然とかエコロジーというテーマを、高畑さんにはやって欲しくない」と。

 「自分はそれで “担ぎ上げられた” ような感じになってるんだけど、自分の中では一生懸命「そうじゃない! そうじゃない!」と言っている」と。

 なのに、高畑さんが、ジブリを代表するような超大作『ぽんぽこ』の中で…


 …だって、『紅の豚』は1年で作らされたのに、高畑さんは2年も掛けて、予算なんか何倍も使って『ぽんぽこ』を作ってるわけだ。

 その時点で、何か心の中で引っ掛かってるものがあるというのに、おまけに正面切って「エコロジーだ! 自然だ!」というふうにやられたら、それはないだろうと。

 「『おもひでぽろぽろ』でガタガタになったスタジオジブリの作画班を、ようやっと『紅の豚』で立て直したところなのに! でも、パクさんはまたボロボロにする! じゃあ、俺は引き立て役なのか!? 俺は低予算で1年で『紅の豚』作って稼ぐだけ稼いで、その稼いだ金や技術が上がったスタッフ使って、高畑さんは社会的に意味があるような作品を作って、何もかも持って行ってしまうのか!?」と。


 この「『平成狸合戦ぽんぽこ』を制作中止にしないんだったら、俺がジブリを辞める!」という時の宮崎駿が面白いのはね、これを 高畑勲 本人には絶対に言わないんだ。

 そうでなくて、鈴木敏夫にばっかり言うんだよね。

 もう本当に女学生の喧嘩だよ(笑)。

 鈴木敏夫にばっかり、それも、1ヶ月間言い続けたんだって。

 もう、この本の中では「あの時の宮さんは、たぶん狂ってた」っていうふうに書いてあるんだけど。

 それくらいおかしかった。

・・・

 さて、これが、どうなったか?

 この「製作をやめなかったら、俺がジブリを辞める!」っていう騒動が、どう収まったのかと言うと。

 ついに宮崎駿は、あまりに怒って、8時間連続で怒った結果、胸を押さえて「う……ッ!」って言いながら倒れたんだって(笑)。

 救急車を呼ぶかどうかということになって……いや、さっさと呼べばいいと思うんだけど、どうも、呼べないような状況だった。

 その辺を鈴木さんは書きにくそうに書いているんだけど、「正直、あの時の宮崎さんは、ちょっと狂ってたと思う」という状態だったんだろうね。

 「そんな状態の宮崎駿を外には見せられない」という判断もあったんじゃないかと、僕はこの文章を見て思ったんだけど。

 結局、宮崎さんが胸を押さえて倒れてしまって、救急車を呼ばずに、その日はなんとか立ち上がって家に帰れたので、「制作中止にする」とか「会社を辞める」というのはウヤムヤになったんだ。


 しかし、そんな宮崎駿は、それだけボロクソに言って、「やめろ!」とまで言っていた『平成狸合戦ぽんぽこ』を試写会で見て、ボロ泣きすることになるんだ。

 ボロボロと泣き出した宮崎さんの横には鈴木敏夫が座ってて「えっ? 泣いてるよ!?」って。

 宮崎駿はボロボロっと泣いて家に帰ったそうなんだけど。


 では、なんでそんなに泣いたのか?

 その辺りを考えながら、テレビで放送される『平成狸合戦ぽんぽこ』見てください。


 「なぜ泣いたのか?」という答え合わせは、次回のニコ生でやろうと思います。

 なんで宮崎駿は「こんなアニメを作るんだったら、俺はジブリを辞める!」と言っていたのに、試写会で号泣するようになったのか?

 この視点で見てみると、『ぽんぽこ』にも、ちょっと新しいポイントが見つかるかと思います。
 
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