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「日本への恐怖によって生まれた “宇宙船” B-29爆撃機」
高度1万m以上というのは、人間は普通に生きていられないんですよ。
そのために、このB-29には、2箇所に “キャビン” という与圧室があります。
今「他の爆撃機は5000mくらい」と言ったんですけど、この5000mの高度限界というのは、もう、複葉機の時代からそんなに変わらないんですよ。
だいたい、プロペラとエンジンを使ってる限り、高度5000mとか6000mとかが限界なんです。
まあ、無理すりゃ8000m、9000mに上がれないこともないんですけど。
このB-29の高度にだって、戦争後期の日本軍の戦闘機なら、一応、なんとか行くことは行けるんです。
零戦の上昇限界が6000mくらいですから、これにいろんな仕掛けを付けた新型機を作ったら、行くには行けるんですけども。
だから、無敵の爆撃機というか、まあ本当に宇宙船なんですよ。
その時に調査してみたら、中の乗務員が防寒服を着ていないし、酸素マスクも付けてないんですね。
なので「この飛行機は、たぶん高度1000mくらいしか飛べない飛行機なんだ」と思った人もいたらしいんですけど、そうじゃないんですよ。
乗組員、全員、Tシャツを着てたんですけど、それはなぜかというと「Tシャツで大丈夫な機体だったから」なんですね(笑)。
これを発見した人にとっても、まさか「飛行機の中、乗務員室の全てを、まるで潜水艦のような缶詰構造にして、その中を空気で満たして呼吸させる」だなんてことは、もう全くの想定外なんです。
まさに、戦争がなければ、おそらく50年先の飛行機だったとしてもおかしくないくらい未来の飛行機だったんですね。
それも、照準の中央に敵機を捉えて撃つ際にも、その時の風の方向とか、相手の進行方向というのをザッと計算して、修正点に向けて撃つという、エグい仕掛けもついてる。
さっきも言ったような「零戦とか日本軍の攻撃が怖くて、兵隊がこれ以上1人でも死んだら、アメリカの世論が戦争反対の方に一気に傾くかもわからない」という状態が、アメリカ軍部を恐怖させ、こんなとんでもな飛行機を作っちゃったんですね。
これが1945年。ニール・アームストロングが、高校に通いながら、バイトしたお金で、1回飛ぶのに8ドルだか9ドルだかという、なかなか大した金額を払って、飛行機学校に通い始めた時代です。
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いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/12/27
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「日本への恐怖によって生まれた “宇宙船” B-29爆撃機」
あの、この機会にちょっと話しておきたいんですけど、B-29は飛行機ではないんです。
実はこれ、高度1万m以上飛ぶための “宇宙船” なんですね。
実はこれ、高度1万m以上飛ぶための “宇宙船” なんですね。
高度1万m以上というのは、人間は普通に生きていられないんですよ。
そのために、このB-29には、2箇所に “キャビン” という与圧室があります。
機体の前の方と真ん中辺りに、人間が入れる魔法瓶のように密封された部屋があって、その内側は常に1気圧に保たれてるんですね。
・・・
他の爆撃機とか飛行機は、だいたい高度5000mくらいを飛んでるんですから、みんな与圧服を着て、防寒服を着て、酸素マスクを付けてるんですよ。
しかし、B-29はそうじゃありません。
部屋の中全体が、まるで現代のジェット機のように加圧されているんです。
部屋の中全体が、まるで現代のジェット機のように加圧されているんです。
今「他の爆撃機は5000mくらい」と言ったんですけど、この5000mの高度限界というのは、もう、複葉機の時代からそんなに変わらないんですよ。
だいたい、プロペラとエンジンを使ってる限り、高度5000mとか6000mとかが限界なんです。
まあ、無理すりゃ8000m、9000mに上がれないこともないんですけど。
このB-29の高度にだって、戦争後期の日本軍の戦闘機なら、一応、なんとか行くことは行けるんです。
零戦の上昇限界が6000mくらいですから、これにいろんな仕掛けを付けた新型機を作ったら、行くには行けるんですけども。
でも、そこまで上がっても、1回攻撃して降下してしまったら、もう二度とその高さまで上がれない。
そういう状態が続いてました。
そういう状態が続いてました。
だから、無敵の爆撃機というか、まあ本当に宇宙船なんですよ。
このB-29が日本に墜落したことがあったんです。
まあ、何度か墜落したんですけど。
まあ、何度か墜落したんですけど。
その時に調査してみたら、中の乗務員が防寒服を着ていないし、酸素マスクも付けてないんですね。
なので「この飛行機は、たぶん高度1000mくらいしか飛べない飛行機なんだ」と思った人もいたらしいんですけど、そうじゃないんですよ。
乗組員、全員、Tシャツを着てたんですけど、それはなぜかというと「Tシャツで大丈夫な機体だったから」なんですね(笑)。
もう、頭がおかしいんですよ。
みんな防寒服と酸素マスクを付けて飛んでる時代に、Tシャツ一丁で爆弾を落とすという。
そんな、高度1万mからの攻撃をするとんでもない機体なんですよね。
みんな防寒服と酸素マスクを付けて飛んでる時代に、Tシャツ一丁で爆弾を落とすという。
そんな、高度1万mからの攻撃をするとんでもない機体なんですよね。
これを発見した人にとっても、まさか「飛行機の中、乗務員室の全てを、まるで潜水艦のような缶詰構造にして、その中を空気で満たして呼吸させる」だなんてことは、もう全くの想定外なんです。
まさに、戦争がなければ、おそらく50年先の飛行機だったとしてもおかしくないくらい未来の飛行機だったんですね。
・・・
これは、同時期にイギリスが使っていた、宮崎駿も大好きな“ウェリントン”という爆撃機なんですけど。
これ、機銃が前とか後ろについてますよね?
これを “機銃座” と言って、この中には銃を撃つ人が入っていて、グルグル回転したり斜めにしたりして、周りの飛行機を狙って、撃ち落とすものなんです。
これを “機銃座” と言って、この中には銃を撃つ人が入っていて、グルグル回転したり斜めにしたりして、周りの飛行機を狙って、撃ち落とすものなんです。
B-29にも同じようなものがついてるんですけども、これとは原理が全然 違うんですよ。
この機銃座というのは、ウェリントンにしたら、もうとにかく寒くて当たり前だし、あとは敵の弾も飛んでくるから危ないしという、みんなに嫌がられる場所だったんですけど、B-29では違うんですね。
この機銃座というのは、ウェリントンにしたら、もうとにかく寒くて当たり前だし、あとは敵の弾も飛んでくるから危ないしという、みんなに嫌がられる場所だったんですけど、B-29では違うんですね。
機銃を撃つ係の乗組員は、機体の真ん中辺にある、暖かくて安全な、いわゆる魔法瓶の中みたいなところにいたんです。
その中で、リモコンとなる小さい銃身をクイックイッと回してスイッチを押したら、電動で機銃がグイーンと動いて相手に向かって機銃を発射する。
そんなすごい仕掛けを使っていたんです。
その中で、リモコンとなる小さい銃身をクイックイッと回してスイッチを押したら、電動で機銃がグイーンと動いて相手に向かって機銃を発射する。
そんなすごい仕掛けを使っていたんです。
それも、照準の中央に敵機を捉えて撃つ際にも、その時の風の方向とか、相手の進行方向というのをザッと計算して、修正点に向けて撃つという、エグい仕掛けもついてる。
もう本当に、当時としては、完全に未来の飛行機だったんですよ。
どう考えても、この時代の飛行機じゃないんです。
どう考えても、この時代の飛行機じゃないんです。
さっきも言ったような「零戦とか日本軍の攻撃が怖くて、兵隊がこれ以上1人でも死んだら、アメリカの世論が戦争反対の方に一気に傾くかもわからない」という状態が、アメリカ軍部を恐怖させ、こんなとんでもな飛行機を作っちゃったんですね。
どうやっても降伏しない日本人を焼き尽くすためだけに作られた未来の宇宙航空機、それがB-29だったんです。
このB-29によって広島と長崎に原爆が落とされまして、ついに日本は降伏しました。
これが1945年。ニール・アームストロングが、高校に通いながら、バイトしたお金で、1回飛ぶのに8ドルだか9ドルだかという、なかなか大した金額を払って、飛行機学校に通い始めた時代です。
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