5月27日のニコ生ゼミはとにかく資料が多かったんです。
なので、ざっと使った資料の紹介をします。
『海賊の経済学』のほかにも、これだけの本を使いました。
だいたいの本は、まだAmazonで買えるので紹介しようと思います。
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まずは『海賊の経済学』。
https://bit.ly/2snrLHO
こいつはNTT出版で絶対にオススメなんですけども。
その他にも凄いのが、『世界史をつくった海賊』っていう ちくま書房の本ね。
https://bit.ly/2LRRhx8
これはもう世界史の見方が変わると。
この本を見ると「イギリスって本当にヒドイ」と思えると(笑)。
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それで、その他に『図説 海賊大全』っていう東洋書房の専門書。
https://bit.ly/2LdfL2N
歴史的な事実っていうのは、だいたいこの本で確認しました。
『海賊の経済学』ってノリ良く書いてるから、「ちょっとこれは本当かな?」っていうのがあるので。
不安になる内容は、これで確認しました。
この『図説 海賊大全』って軽い本に見えるんだけども、かなり本格的な本であります。
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あとはこの『海賊の歴史』っていう創元社の本。
https://bit.ly/2J2Cu4Q
これは海賊に興味が出たらオススメね。
安いのに、とにかくカラーが豊富で飽きない。
図版がキレイだし、読んでて楽しいよ。
なので、この本はわりとオススメですね。
ここまでが基本文献みたいなものです。
ここから先は、より海賊の世界を楽しむためのなんだけど。
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『マスター・アンド・コマンダー』、これはラッセル・クロウが主演で、ピーター・ウィアー監督の映画なんだ。
それで2003年の映画だから、もう15年ぐらい前の映画で、アカデミー賞の撮影賞と音響効果賞を取っているっていう割といい映画です。
Amazonのプライムで無料になっていたから、俺は見れたんだけども。
19世紀はじめのナポレオン戦争時代だから、実はカリブ海の海賊よりも100年ぐらい後なんだけども。
イギリスの海軍の軍艦と、フランスの私略船(略奪OKって船)の戦いを描いた映画で、面白いです。
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ナポレオン戦争の時代っていう、つまりトラファルガー海戦の時代を紹介したのが、輪切り図鑑の『大帆船』っていう本です。
https://bit.ly/2svT0zi
この本は2600円もするんだけども、本当に絶対にオススメです(笑)。
岩波書店です。
ナポレオン戦争時代の帆船がものすごく具体的で、『マスター・アンド・コマンダー』の資料としても抜群なんだけども。
あまりに いいシーンがあるので、フリップにしてみたよ。
輪切りで出てくる大帆船のシーンなんだけども、まずは手術のシーンね。
https://bit.ly/2sC0j8K
「けがした足や腕を切りおとして、すばやく手当てをすれば感染症の危険が減る」
「けがや手術よりも、感染症が原因で死ぬ人の方が多かった」
そうなんだよ。
基本的に帆船時代って、ケガしたら切り落としちゃうんだよね。
すぐに。
治そうとするんじゃなくて。
なんでかっていうと、下手に治そうとすると感染症が広がると。
で、船っていうのは、ケガで死ぬ人とか戦争で死ぬ人より、はるかに感染症で死ぬ人が多かったんだ。
だから「感染症を防ぐために、ちょっとでもケガしたら切っちゃおう」っていう発想になっちゃうっていう。
そんな恐ろしい事が、絵で描いてあるっていう(笑)。
そう。
よく海賊船で みんな義手・義足を付けてるじゃん。
あれって、それが原因なんだよね。
結局、ケガしたら すぐに切るから。
それから食事中の人は申し訳ありません。
「ビスケットにわく うじ虫」っていうのが描いてあるんですよね。
https://bit.ly/2sxzSku
もうね、船の中に詰め込むビスケットっていうのは うじ虫がわくもんだそうだよ。
で、ビスケットの食べ方が図解で描いてあるんだけども、ビスケットの上に魚が乗ってるの。
で、横に食べ方が書いてあってさ。
1、ビスケットの袋の上に、死んだ大きい魚を乗せる。
2、うじ虫が魚を食べようと這い上がってくる。
3、魚が うじ虫でいっぱいになったら、新しい魚に変える。
4、うじ虫がいなくなるまで、これを繰り返す。
「そうすると うじ虫が魚に移って、あとはちょっとしか うじ虫が残りません」って書いてあって。
ヒーッ(笑)。
それでも うじ虫は残るんだって。
だからビスケットを食べるときは、出来るだけ暗い部屋で食べたんだってさ。
すげぇよね(笑)。
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あとね、この『「知」のビジュアル百科 海賊事典』。
https://bit.ly/2LcPgdy
これは あすなろ出版から出てるんだけども。
基本的にこの『「知」のビジュアル百科』っていうのは、絵じゃなくて実物写真か模型写真ばっかりで作ってるから、めちゃくちゃ分かりやすい。
俺は、このシリーズは全部 お買い得だと思ってるんだけども。
海賊たちが奪い合ったスペインの銀貨“ピース・オブ・エイト” の現物が見れる。
“ピース・オブ・エイト”の何が重要なのかっていうのは、ニコ生ゼミの後半で話しました。
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あとは『イギリス海賊史』っていう本がリブロポートから出ていて。
これは基本中の基本なんだけども、ちょっとごめん、部屋の中のどこに行ったか分からなくなっちゃった。
今はもう古書しかないんだけども、データとしての本であって読み物じゃないから、そんなに無理して読まなくてもいい。
でも、だいたい海賊好きの人たちっていうのは、この『イギリス海賊史』って本は持っていて、基本文献として使っている。
バーソロミュー・ロバーツの裁判の一件とかのデータも、全部この本からの写しだと思っていいです。
基本的な解読文献です。
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で、あとは新紀元社っていうゲーム本なんかを出している出版社が出した『海賊』という本ね。
https://bit.ly/2LcPuRW
これは、まとめとしては最高。
とにかく一つ一つの単元が短くて、事実関係が分かりやすいから。
まぁ、新しい事実があるかっていうと、まとめだからそうでもないんだけど、使い勝手はメチャクチャいいから。
僕はこれを結構 便利に使いました。
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あとはPDFのプリントアウトが30数枚あるんだけども。
https://bit.ly/2LN2or0 これは何かっていうと『スペイン植民地時代のポトシ鉱山における銀製錬技術の再評価と今日的応用開発への可能性』ってやつ。
大阪大学大学院人間科学研究科の紀要。
いわゆる4ヶ月に一回出てくる要綱です。
これね、「大航海時代にスペインが何で超大国になったか?」っていう秘密がここに書いてある。
まだイギリスっていうのは当時は二流国で、スペインの足元にも及ばなかったと。
それに対してスペインが支配していた南アメリカのポトシ鉱山からは無限に銀が取れるようになったと。
それでメキシコでこれをコインに鋳造したのがピース・オブ・エイト銀貨なんだけども。
ポトシ鉱山の銀精製プロセスだよね。
いわゆるアマルガム法というやつがザーッと書いてあって、学者さんが書いた論文のわりには、わりと分かりやすかったです。
使える使える。
で、現在のペルーのポトシ鉱山で取られた銀がメキシコに行って、ピース・オブ・エイトって銀貨に鋳造されたんだけども。
このピース・オブ・エイトの意味は、「普通のスペイン銀貨の8枚分の価値がある」って意味なんだよね。
現在のゴールドカードとか、ブラックカードとか、クレジットカードと同様に、ピース・オブ・エイトの銀貨は世界中のどこへ行ってもこれで決済できたと。
どれぐらい通用したかっていうと、日本でも使えたって言われているぐらい決済力があったんですよね。
しかしこのポトシ鉱山の銀山と銀貨が、ヨーロッパ社会の貴族制を終わらせて、実はスペイン没落の原因になっていくっていうのが悲しい話としてあります。
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