岡田斗司夫ゼミからのお知らせ

岡田斗司夫の毎日ブロマガ「エッチゲームは儲かる! ゼネプロ初のパソゲー部門 誕生!」

2018/03/16 06:00 投稿

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/03/16
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田中圭一のゲーム業界レポートマンガ【若ゲのいたり】第八話 https://goo.gl/b1wXJC に、岡田斗司夫が登場しました。

それに関して、3月4日のニコ生ゼミで岡田が追加の解説を加えています。

ガイナックスで、岡田と赤井のコンビがパソゲーを作るエピソードは、『遺言』第四章でも書かれていますが、アスキーの連載『ま、金ならあるし』でも「お金」」という視点から描かれています。

今回はそのアスキーの連載から、「パソコンゲーム部門設立」のあたりをお届けします。


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 時に一九八九年。アニメを作っても作っても赤字の額は増える一方。
 困り果てたガイナックス社長の僕に、赤井孝美は奇策を授けた。

「大きな丸がマジメなゲーム業界。『大戦略』も『イース』も含まれます。そして隣の小さな丸が、エロゲーム業界です。二つの業界は接点がない」。

 僕はうなずいた。
 今からは考えられないが、当時のゲーム業界は超マジメ。

 女の子の裸とか、全然なしだった。

「しかしこれからは違います。ビデオデッキが普及したのもアダルトビデオのおかげ。パソコンがマニアだけのもので無くなる時代が来るなら、そのキッカケは、やはり女の裸でしょう」

「やっぱりエロゲームを、作るの?」

「違います。マジメゲームとエロゲーム。どっちも不完全です。
 マジメゲームはマニアックで、次々と参入してくる初心者にはハードルが高い。
 エロゲームは裸だけがウリなので、パソコンというIQ高いジャンルに参入してくるシャイボーイたちには、下品すぎる。
 第三番目のジャンルが必要なのです」

 「三番目……」

 「えっち、です」。

  いきなり脱力した。え、えっち?

 「マジメでもエロでもない。さわやかな裸。
 教科書ではないけど、『アサヒ芸能』の温泉芸者グラビアでもない。
 『BOMB!』とか『すっぴん』とか、岡田さんもしょっちゅう買ってるアレです」。


 なるほど。それなら話がわかる。

 たしかに既成のエロゲームに出てくる女の子は、なんか小汚い。
 女の子の裸が出てくるだけで売れるから、グラフィックも手を抜いたものばかりだった。


 「ゲーム業界にガイナックスが参入するなら勝機はどこにあるか?
  ゲーム性やプログラミングでは勝てない。
 我が社がパソゲー業界で対等以上に戦えるのはグラフィックの分野、それも可愛い女の子のちょっとえっちなポーズ描かせたら敵なんかいませんよ」。


 ホワイトボードに描かれた大きな丸〟マジメゲーム〟と小さな丸〟エロゲーム〟の間に、赤井はもう一つ丸を加えて〟えっちゲーム〟と書いた。

 「パソコンを買った人は、必ずゲームを買います。彼らは一本目にはマジメゲームを買うでしょう。
 でも同時にもう一本買うとしたら、二本目のゲームは、肩の凝らない気楽なゲーム。
 今夜、すぐにプレイできるゲーム。
 それでいて、レジで売り子に渡すときにエロゲームほど恥ずかしくないゲーム」

 「えっちゲームか!」

 「そうです。わがガイナックスの独占市場ですよ」。

 ……すごい。
 やっぱり赤井は天才だ。


 「これまでは〟光のマジメゲーム〟と〟闇のエロゲーム〟しか世界には存在しませんでした。
 しかし今この瞬間より薄闇のゲーム、”夕暮れのえっちゲー”〟が生まれました。ゲーム業界は三つが覇を争う時代になったのです!」。

 「をを! まさにゲーム業界・天下三分の策!」。

 感心したら、逆に不安になった。

 「でもエロゲーム、売れないだろ?」

 「本格的シミュレーションゲームに比べたらですよ。
 目標を三千本にしたら充分儲かります」。

  ホワイトボードで検算した。

  売り上げ 定価八千八百円×三千本×掛け率五十%=千三百二十万円

  経費 開発費百万+量産費五百円×三千本=二百五十万円

  粗利=売り上げ−経費=千七十万円。

  あ、これは儲かる。よし、えっちゲームを作ろう!
 

 週刊アスキー 連載『ま、金ならあるし』第4集 [Kindle版]  https://goo.gl/3tpzPG より

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