高橋:
『ローグワン』はギャレスがなんだかんだ言って3割以上も撮り直したみたいなんですよ。
撮影は全部、終わってるのに。
岡田:
3割もですか!?
ネットで見てる感じでは、すごい褒めてる感じの人が多いですよね。
でも、50歳すぎてる俺らからすると、もの足りないですね。
高橋:
ファーストを見た者としては、『スター・ウォーズ』という作品を見たものとしては、嬉しかったですけどね。
一番うれしかったのは、スイッチ。
あれはリスペクトですよね。
岡田:
そう!そう!
一番最初のスター・ウォーズの時、「デス・スター」の駆動スイッチ。
あれが世にも安っぽいレバーだったのが、今回すごいクローズアップで出てきた。
高橋:
ルーカスが『ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス』で、へそを曲げてたんです。
岡田:
安っぽいということ?
高橋:
いや、特別編を作った時に、CGで作り直しをするって、細かいとこを直したじゃないですか。
ファーストからのファンにしてみると、「なんでやったんだ!」と文句が出たんです。
「レーザーディスクとか持ってる人間でないと、もう見れないじゃないか」って。
岡田:
ジョージ・ルーカスはすべて差し替えてしまって、公式には最初の『スター・ウォーズ』のタトゥイーンの街は無いですもんね。
高橋:
ルーカスは、「何をやっても文句を言われるんだ!」とあちこちに言ってたみたい。
「もう監督やだよ!」って。
だから監督を降りて、人に任せて、ディズニーに売っちゃった。
でも『フォースの覚醒』の時には、「ちょっと違うなー」と思ったらしい。
岡田:
『フォースの覚醒』はルーカスも気に入ってなかったんだ。
でも俺らはもうルーカスのセンスが信用できない。
「よくぞ監督やめてくれた!」と思う(笑)。
今回のギャレスがいいのは、30代のジョージ・ルーカスとセンスが似てるところでしょう。
スペース・オペラ感があるところ。
新型メカで「ニューウイング」とか出てきたんですけど、基本的にダサいのが良かったですよね。
高橋:
『フォースの覚醒』までは、エピソード1からずっとジェダイとかをフィーチャーしてきた結果、歌舞伎になってきちゃった。
ライトセーバーにしても、型の世界になっちゃった。
でも今回は、ちょっと違うんですよ。
あれはやっぱりカンフーだから、歌舞伎の型の世界から外れて、もうちょっとリアルになった。
岡田:
初めてあの世界にカンフーが出てきましたね。
あとはキャラクター群像劇としてよかった。
やっぱ古い、50歳を超えたファンにとっては、ガンダムにおけるMS戦記みたいになってる。
ガンダムのおもしろさ中にある「カツ・レツ・キッカ」という子供向きな要素を取り除いて、モビルスーツ戦闘をちゃんとやったらどうなるのか?
すると案外、地味なガンダムになっちゃったというのと同じ。
『スター・ウォーズ』も、フォースやライトセーバーっていう派手な要素や、スペースオペラ的なものを残したらどうなるのか?
すると、わりと地味なスペースオペラになってしまったんですよね(笑)
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