「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2025年03月11日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2025年03月25日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2025/03/11配信のハイライト
- Macの新製品感想と「トランプに深淵な意味があるとは思ってはいけない」
- 各国の安保政策と「追っかけてくるアメリカの税務署」
- 「中国からなんでもかんでも買ってるアメリカ」と「クレカと規制」
- 視聴者質問「弾さんのヒゲ」「AIの創造性獲得」「日本の公立学校」
- 「デンマークのデジタルポスト」と「膵臓がん早期発見」
- コラッツ予想と数学とAIについて
Macの新製品感想と「トランプに深淵な意味があるとは思ってはいけない」
山路:3週間ぶりに生配信やろうと思ったら、世界が変わってるんじゃないかと思うぐらい、いろいろ出来事があって(笑)。その前に軽い話題からいっておきましょうか。ちょっと楽しげな話題からというか。Mac、いろんな新製品出ましたよねと。たとえば、
小飼:いろんなものがM4になりましたね。(MacBook Airを見せながら)だからこれのM4版も出て。さすがにどうしようかなというふうに思って。
山路:弾さんのってM1ですよね?
小飼:M1です。そういう山路さんも、
山路:そうなんですけど(笑)。今までそんなに不自由はしてなかったんですけれども。
小飼:そうなんですよね。
山路:ただ、やっぱさすがにこのM4の速度アップとか見ると、ちょっと羨ましいかなと。
小飼:あと、やっぱMagSafe欲しいなと。これと違うのはくさび型ではなくて平べったくなったことと、MagSafeが付いたのと、あと(画面上部を指しながら)ここにノッチが付いたことですよね。
山路:MacBook Airもノッチ付いたんでしたっけ?
小飼:つきました。
山路:そうかそうか、それ嬉しいわけじゃない気もするんだけどもな(笑)。
小飼:そう、ノッチが付いたのに、FaceID付いてないんですよ。
山路:なんでMacにひたすらFaceIDを載せないのかとは思うんですけど。
小飼:TouchIDがあるからというのも理由の一つなのかな。
「プライバシーシールで隠してます」(コメント)
山路:ってカメラをってことなのかな。
小飼:そうそうそう、要するに盗視盗聴されないようにという、
山路:でも、いちおうMacのカメラってハードウェア的になんか録画をしてるんだったら、もうそのランプが光るみたいな、
小飼:そうそう、
山路:それはまだハッキングされてないんじゃないですかね?
小飼:そうですね、そこのとこに関しては、その辺の仕組みというのはロジックボードではなくてカメラのほうに付いてるんだそうなので。
山路:あと、そのMacBook Airの他にもMac Studio出たじゃないですか。これがけっこう話題になってるという、
小飼:なんかM3 Ultraというのを積んだモデルが出るという。
山路:メモリが512GBでしたっけ、
小飼:しかもそれがMac ProのIntel版のMaxには追い着いてないんだよね、1.5TB乗ったので。
山路:ユニファイドメモリアーキテクチャーだから、その512GBはそのまま、
小飼:そう、だから後載せが効かないんだよね、
山路:だけど、そのまんまそれがGPUのメモリとして使えるのはでかいじゃないですか。
小飼:ただHBMとかではなくて、LPDDR5なんだよね、確か。そう、Macに限らずApple製品のユニファイドメモリっていうのは。
山路:一番速いやつじゃないってこと?
小飼:一番速いやつではない。
山路:うーん、なるほどね。
小飼:コンシューマー用の最速ではあるんだけれども。世の中にはもっと速いメモリアーキテクチャーがあるので。
山路:生成AI時代だから、また仕様がどんどん変わっていきそうですね。
小飼:うーん、それはYESでもあり、NOでもあり。
山路:Macに関しても?
小飼:いや、Macに限らずね。どうせAPI経由で叩くことになるので、じつはユーザーからすると、opaque(不透明)なんだよね、透明ではない、透過ということではない。そう、だからNVIDIAのほうがその辺というのは、もっと生ハードウェアに近づけはするんだけれども。それでも、どうなんだろうね。当然、CUDAで書かれたコードというのはGPUに読まれて実行されるわけですけど、読む時にトランスペアレントに読んでるのか、あるいはいろいろな解釈を含めて出してるのかっていうのは、
山路:なんか前、弾さんが言ってた、今のCPUっていうのはアセンブラで書いたとしても、それがそのまんまCPUに伝わってるわけじゃないという。
小飼:そのまま実行されるわけではないです。
山路:それとちょっと似たような話でもありますね。もうそういうレベルである意味、なんていうのか抽象化されてると言えばいいのかな。それにしてもなんかApple、ちょっとAIのほうでは苦労してる印象がありますよね、新しいAIの機能を載せてくるのに。
小飼:というのか、ちゃんと載せるにはまだpremature、要するに未熟なんじゃないかという風に思ってるところはありますね。だけれども、市場動向をあと鑑みてなんかやらなければいけないというのが確かで、それの上でのApple Intelligenceって言ってるんだと思う。
山路:なるほどね。確かに今後ローカルなパソコンに載せるAIがどういう仕組み、どういう形が正解なのかって、まだMSのほうも掴めてないですしね。Googleだって、なんかどうしていいのかっていうのはまだ試行錯誤な感じだし。でもまあ久しぶりにパソコン面白くなってるところじゃないですか?
小飼:そうですね。僕でもそろそろちょっと買い替えようかなって思ったぐらいなんで。その一方で、本当にMagSafeがないことぐらいなんだよね、(MacBook Airを指しながら)こいつに対する不満っていうのは。
山路:もうちょっと速くてもいいと思いますけどね、さすがに(笑)。M1の世代となると。
小飼:いや、でもXcodeですら、けっこうまともに動くし、ギリギリApple Intelligenceもこいつで動くので。
山路:あとApple、意外にAIのことに関してもそうだし、ちょっとこれから後で話すトランプ政権の話なんかに関しても、うまく世の中渡ってってるところないですか?
小飼:そうですね、世渡り上手ですよね、あの会社は。
山路:あえてうちはもう絶対DEI(Diversity:多様性、Equity:公正性、Inclusion:包摂)を守ってくぜみたいな。で、もうそう言われたら、リベラルの人はApple製品買うしかないじゃないですか(笑)。意外に自分の会社のポジションの取り方がうまいなとか思って、感心しましたけどもね。
「ローカルに載せた場合って消費電力どうなんでしょうね」(コメント)
山路:どうなんでしょうね。ここのApple Siliconが低消費電力とは言っても、ガリガリに、
小飼:まあでもApple製品のデフォというのは、冷却のファンレスなんですよ。第一(MacBook Airを指しながら)こういうので動かなければいけないから。
山路:M3 Ultra積んだMac Studio、あれもファンレス?付いてましたっけ?
小飼:あれはファンついてます。あれはものすごいでかいヒートシンクがついてるというのか、Mac Studioっていうのは一昔前のMac miniを、今やあんまりminiではない、20センチかける20センチぐらいの正方形のやつ、上に倍ぐらい厚みがあって、その倍ぐらいの厚みは何かっていう、ヒートシンクだという(笑)。そう、あれはUltraとかをちゃんと冷やせるように、
山路:デカくしてるという、
小飼:そう、あの形の筐体になってるので。
山路:まあしかし本当にけっこうローカルLLMの分野でもちょっとMac、気にはなってきて。150万でしたっけ、でも一番いいやつ(笑)、なんかすごいもんですけど。
小飼:いや、まあでも一番高かったMac Proって800万ぐらいしたので、
山路:昔(笑)。いや、怖えな。
小飼:メモリは3倍積んでるというね。
「久しぶりにAIでこれからのパソコンの進化ワクワクできる」(コメント)
小飼:いや、まあでもどこまで円が戻るかだよ。
「どこまで円高になるか誰か教えて」(コメント)
山路:ってコメントも。まあこれはちょっと後々の話にも関わってくるところではありますけどね。この3週間ぶりに『論弾』をやるにあたって、なんかすごい世界、激変してるじゃないですか(笑)、そんなことないですか。
小飼:なかなかの劣化ぶりだね。
山路:一番びっくりしたのはまずウクライナとアメリカの対談。ゼレンスキーとトランプの対談が物分かれに終わるという。
小飼:いや、でもあれは本当に物分かれに終わらせるしかないね。
山路:ゼレンスキーの立場としてはって?
小飼:うん。
山路:だって安全の保証をしてないんですもんね。
小飼:いや、まあでも、それのはるか手前として、確かにゼレンスキーは会談の場では一人でしたけれども、自分の思ってることをベラベラ喋れない立場なわけですよ。
山路:英語ネイティブじゃないからってことですか?
小飼:いや、そういうことではなくって。ウクライナ国民がいるわけですよ、背後には。その辺の感覚というのはトランプ政権の中の人たちとは違うわけです。
山路:ああ、彼らは何にも背負ってないというか。
小飼:そうなの。
山路:自分の利益だけを追求すればいい。
小飼:自分の利益ですら分かってないという、
山路:え、そうなの(笑)。ホンマもんのアホやないですか(笑)。
小飼:いやホンマもんのアホなんですよ。
山路:そうなんですか(笑)。
小飼:いや、まあでもヴァンスの方はホンマもんのアホを装ってるところはあるんだけれども、でもあの政権の本質というのは本来の馬鹿なので。
山路:馬と鹿の区別がつかねえってやつ?
小飼:つかねえというのか、馬を持ってきて、これは鹿だっていう人に、あ、鹿ですっていう。そっちの方なので。
「次はないって感じなのかな」(コメント)
山路:っていうのは、つまり再選だったりとか、そういうことっていうことですかね?
小飼:再選ってどっちがどっち、ああ、
山路:つまり共和党は、もうトランプは今の法律もままだと、憲法のままだったら3選は、3期はできないわけないですし。もう最後だと。
小飼:いや、戦争状態になると、2年延長がつくんですよね。でも、それは実行されたことがないんですよ。
山路:へええ、
小飼:3期目はないっていうのが憲法に記されてから。ちなみに3選禁止ができる前にルーズベルトは大統領になって3期目やって、途中で亡くなったので。
山路:本当にこのトランプ政権の無法、ウクライナについても、スターリンク、遮断するぞみたいなこと、
小飼:あのね、状態はもっと悪いかもしれない。どういうことかっていうと、スターリンクというのはその特性上、契約者の位置情報とかっていうのもわかるわけですよ。それをチクってるんじゃないかという疑惑が出た。
山路:ロシア側にってこと?
小飼:そう、スターリンクのユーザーがここにいるよというね。
山路:それって何というのかな、もしもそれが本当だとしたら、スターリンク側が使用者との間の契約に違反していることにならないですか?
小飼:えーと、なるけれども、でも結局のところ、契約を守らせる力っていうのがどこにあるかっていう風に言うと。そう、暴力にまで、国同士の暴力というよりも、まさに軍事力ですよね、これ還元されるので。
山路:ポーランドでしたっけ、ポーランドの外相でしたっけ、なんかスターリンクの代替探さなきゃいけねえなみたいなこと言ったら、イーロン・マスクがなんか黙れ小物、
小飼:雑魚と訳すのが正しいな、これ。
山路:そんな代替なんてねえんだよ、みたいな。そんなヤクザみたいなことを言います?
小飼:いや、まあでもスターリンクでやり取りされてるであろう情報のほとんどというのは、それほどの単位域幅というのは必要ないので、それであれば代替手段っていうのはいっぱいあります。
山路:ほー。HAPSみたいな?
小飼:そうそう。普通の今の旅客機とかでWi-Fiとか使ってるのは、まだスターリンク化されてないんですよ。あの程度でも、ほとんどの情報というのはこと足りるっちゃこと足りるので。
山路:それこそソフトバンクなんかもやってたような、飛行機飛ばしてそれを基地局にやってみたいな感じでもやってる、
小飼:それでもできるはできるけれども。まあでも帯域幅で言うと、もう圧倒的にスターリンクというのは衛星インターネットの中では強いので。
山路:あ、でも、航空機で飛ばして通信をやろうとするのは制空権を取ってないとダメか、結局。
小飼:いや、まあでも十分な高空であれば、ウクライナではなくってポーランドとかの領空で展開してもいいわけで、今、NATOのAWACSがそういう運用になってる。
山路:ふーん、じゃあ完全にそのスターリンクが使えなかったとしても、
小飼:ただ今までふんだんに使えたのが、そういう邪魔が入る、だから信用できなくなったというのはやっぱりでかいですよ、それは。それはでかい。
山路:あと軍備で言うんだったら、F-35にも疑いの目が向けられるようになってきた、
小飼:そうなの、いや、だからマスクが今、ホワイトハウスのラスプーチンみたいな立場になってるというのは、そういうところにも信用が行くんですよ。
山路:てか、信用の逆ですよね。
小飼:そうそうそう。
山路:信用の毀損が行っちゃうわけですよね。
小飼:そう。だからアメリカのミリタリーインテリジェンスというのはもう信用をおけるのか、クレディブルなのかという。
山路:F-35、実際、戦闘中にアメリカの意思で、たとえば情報共有みたいなことを遮断されて使えなくされてしまうことがあり得るんじゃないかみたいな、
小飼:とってもあり得る、
山路:国によってはキャンセルしたほうがいいんじゃねえの、みたいな議論まで出てきているという。これ、弾さんどうします? 弾さんがF-35の導入を検討する立場だったら(笑)。
小飼:もう導入されちゃったので。いや、でもそれはやっぱり最初に心配するところで。アメリカから兵器を買うと、まるっとその兵器が来ると思うじゃないですか。違うんですよ。ある部分というのはあのブラックボックスとして封印されてるんですよね、中身見ちゃいけないと。大抵どこの国も中身見ようとするんですけれども。そう簡単に見れないようになってます。韓国とか、かなり熱心にやってて、当然だと思いますよ。中国とかはもっと熱心にやってます、
山路:リバースエンジニアリングというか。
小飼:たとえばブラックボックスという、あ、ブラックボックスじゃなかった、失礼しました、ブラックホークというヘリコプターがあるじゃないですか。あれのコピー品っていうのは中国海軍も使ってるんですよね。なんでコピー品ができるかって言ったら、まるっと。そう、仲良かったこともあるんですよ、その頃には、はい。
「日本、イギリス、イタリアの戦闘機はいつできるのかな」(コメント)
山路:確かに自主開発が重要になってくる、
小飼:えらい先でしょうね。予定通りにできるとは思わんほうがいいです。F-35の場合は10年遅れましたからね。
山路:じゃあビビりながらF-35を使うしかないんだ。
小飼:うん、しかも年々ソフトウェアアップグレードされてますからね。
山路:いやー、これなんつーか、すごい軍事関係者って頭悩ましてるところなんでしょうね。どうすりゃいいのかって。まさか軍事同盟を結ぼうという相手がこんなに信用できないなんてことって、ちょっとなかったんじゃないですか。
小飼:いやー、トルコがS-400をロシアからね、パトリオットとかの対空ミサイルの代わりにロシアから買うって言って、じゃあもうF-35は売ってやらないっていう風にアメリカが言ったっていうことがあるじゃないですか。その比ではないですよね。
「トランプとマスクは喧嘩別れするんじゃね?」(コメント)
小飼:まあ、早かれ遅かれするんじゃないかな。
山路:なんかトランプ、明日Tesla、車が届くぜって、トランプTeslaの車を買ったぜっていうアピールをして、とりあえず仲いいよみたいなことは言ってるみたいですけどね。
小飼:じゃああれなわけ、ちゃんと防弾仕様とかに改造するのだろうか?
山路:車種はなんか明らかにしなかったらしいですけどもね。サイバートラックなんだろうか。
小飼:いや、でも、もともとが重いので。テスラに限らずEVというのは。モデル3みたいなものでも2トンぐらいあるので。
山路:防弾仕様にしたら大変なことになっちゃうぞと?
小飼:どうなんだろうな、そこは。まぁでも出力はあるので、重くするだけの余地はあると思うけれども、まだやってないと思うな、Teslaの防弾。でもサイバートラックとかはけっこう防弾仕様にしやすそうな気がするな。
山路:前の爆破騒ぎあったじゃないですか、あれとかもうサイバートラックが丈夫すぎたせいであんまり爆発が広がらなかったみたいな意見も。
小飼:どうなったんですかね、あそこの真相は。
「お互いビジネスマンって印象が」(コメント)
小飼:いやビジネスマンじゃないよ。
山路:冷静に利益を考えてるとは思えないような。
小飼:トランプのやってることに深淵な意味があるとは思ってはいけないです。あるいは、今のイーロン・マスク、だからすごい深淵なる計画があってやってるとかっていうことではないです。ハンロンの剃刀って言葉があるじゃないですか、
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