「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2025年02月04日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2025年02月18日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2025/02/04配信のハイライト

  • トランプの人気の根源は無能さにある
  • トランプに票を投じた人たちはloserとは思ってない
  • 「持ってる、持ってない」の分断と「これからの自治体インフラ整備」
  • 視聴者質問「属国になるなら米中どちら?」「資本主義経済はなくなる?」
  • 視聴者質問「サイバー防御について」と「deep searchによるリサーチ結果」
  • 「孫さんは転売ヤー」と「1型糖尿病、治るかも」

トランプの人気の根源は無能さにある

「雪が降ってるよ」(コメント)

山路:都内なんだろうか、日本海側の方なんだろうか。

小飼:現在気温が4度だから、都内でも降ってもおかしくない。ミニマムな、

山路:いきなり、冬らしくなりましたよね。

小飼:まぁ2月だし。

山路:今日はタイトルにもあったAIの話とかしていこうと思うんですけども。先になんか、嫌な話というか、は片付けとかなきゃいけないものじゃないですか。

小飼:山路さんは食べ物がいっぱい並んでる場合、自分が嫌いなものから食べるほう、好きなほうから食べるほう?

山路:好き嫌いはあんまないほうですけど、どうしても食わなきゃいけないんだったら先に食うほうですね。

小飼:僕もどっちかっていうとそうですね。

山路:(笑)じゃあ、まずはホワイトハウスのページを紹介しておきましょうかねと。ドドン。普通のホワイトハウスの公式ページでございますけれども、いかがですか、弾さん(笑)。

小飼:いや、でもAmerica is backっていうのは、いろんな意味に捉えられますね。

山路:アメリカが後退している(笑)、

小飼:まったくもってその通り。America is goning backwardっていう意味にもなりますし、実際そうですね。

山路:こんなアホな人って、今までいました? いたんかな? いたのかもしれないな、歴代の大統領の中には。

小飼:現代の基準でだから言うと、もっとヤバいやつというのはいっぱいいたよね。多分、アメリカの建国に関して、初代のジョージ・ワシントンもそうですけれども。たぶん一番貢献した人というのはトーマス・ジェファーソンという。3代目ですけれども。黒人の奴隷の女中さんと隠し子を作って、その子孫がDNA鑑定のおかげでちゃんとわかったなんていう例もありますし。

山路:そいつがまぁもっともらしく建国の父をやってたという、というか今の基準ではそれを裁く、

小飼:いや、だからアメリカの独立宣言というのはWe the peopleから始まるんですけど、the peopleの中に今の、

山路:黒人が入っていたかと、

小飼:いや、そもそも女性すら入ってなかった。

山路:ああ。ただ、必ずしも昔の時代に今のコンプライアンスを当てはめて批判するのが正しいともは思わないんですけれども。

小飼:だけれども、まぁ懐古趣味なわけですね。どの程度まで懐古したいのか。もうすでにマイノリティは人にあらず、ぐらいまで戻ってますよね。

山路:DEIでしたっけ、そういう、

小飼:ポトマック川で、レーガン空港に、レーガン空港というのも改名の結果レーガン空港になったんですけれども、にアプローチしてた旅客機と軍の、

山路:ヘリコプター、

小飼:どの軍か忘れたけれども。

山路:訓練中だったんですかね。

小飼:まぁアーミーだと思うんですけど、いや、訓練中でなくて、まぁフェリーしてたんですね。要するに回送ですね。犠牲者の数からするとたぶん回送です。お客さんいなかった。お客さんというのか、人員とか、あるいは物資とかっていうのは。

山路:それ、そういうふうなこの事故が起こったっていうのは管制に、管制官に原因があるんじゃないかみたいなことを噛み付いたって話ですよね。

小飼:だからこの段階じゃ言っちゃいけないわけよ。

山路:まだ何にもわかってないわけなんですもんね、これから。

小飼:もうそこからしてダメなわけ。

山路:で、そういう何にも言っちゃいけないような段階のところから、管制官のところ、多様性を重視してたからこんな事故が起こったんだみたいなことを決めつけることを言ってしまったという。

小飼:そうですね。

山路:はっきり言ってアウトな発言だと思うんですけど。

小飼:いや、だからこれはどんなリーダーであっても、一番やっちゃいけないことなんだよね。人っていうのは、こういうことをやってしまいがちなんだけど、だからこそ、そういうことをやらない人をリーダーにつけるわけです。本当にそれこそ、将は、もう軍隊で言えば、もう小隊どころか、分隊のレベルから。どころか、もう家族のレベルから。もう家長というのはもう滅びた言葉かもしれないですけど、のレベルから、大はもう大統領に至るまで。

山路:ただそれがうまくできてなかったっていうのも、人類の歴史ではありますけどね。

小飼:で、じつはですね、民主主義というのは、これに関してはすごい、いくないんですよ。なぜかっていうと、決めつけるタイプの人のほうに、惹かれてしまうんですね、人というのはむしろ。

山路:なんか人間の脳の認知機能の問題かもしれないですけどね。

小飼:そうそうそう。

山路:おそらくは、不安定な状態っていうのを抱えておくことに、多くの人は耐えられないようにできているところがある。

小飼:はい。そう、だからシステム1、システム2っていう言い方が一時流行りましたけれども、リーダーにすべき人というのはシステム2が強い人なんですよ。なんだけれども、システム1が強い人のほうが魅力的なんですよね。これ、もう本当に霊長類ヒト科ヒト属の一番でかい欠点の一つなんじゃないですか。

山路:チンパンにも同じような、欠点ある可能性はありますけどね(笑)。

小飼:もちろん。もちろん。でも、それもじつは悪いことだけではなくて、速いんですよ。システム1というのは。

山路:それっていうのが、速い判断っていうのが小さな規模のグループとかだったら、まだ有効に働いたかもしれないけども、これだけ大きな規模、

小飼:そう、だから、大きければ大きいほど、システム1を疑わなければいけない。

山路:なんか本当に人間の認知機能に追いついてない規模の事象を扱わなきゃいけないことになって、まぁ大変みたいな話になるかなと。

小飼:うん。いや、だから、これは人類史としては貴重な記録が取れるチャンスでもあるんですけれども。いや、そのために世界がどれほどの犠牲を払うのかというのが、ちょっと読めないですね。

山路:これ、今の、それは弾さんが、この記録、貴重な記録っていうのはこのSNS時代だからこそって意味ですか?

小飼:いや、SNS時代だからこそではないですけど、昔からけっこう、We are back! みたいな古きよき時代、世界に、国に、我々は戻るんだっていう言説はべつに今のUSAの専売特許ではないわけです。ただし、まだその頃にはAIなかったし、SNSなかったし、インターネットすらあったかどうか怪しいという時代だったわけです。

山路:やらかしがそこまで波及しなかったっていう。

小飼:そう。だから一国にとどまらないわけです。

山路:今はってことね。

小飼:そうです。

「日本が相対的にだいぶマシって驚くなー」(コメント)

山路:まぁ同感ですね。

小飼:いや、まったくもって、まったくもってその通り。

山路:なんていうかいろんな国のオウンゴールで結果的に今、(日本は)一番いい感じの国になってるのかもしれない、もしかすると。

小飼:一番いいか、これでもなー。

山路:これでもって感じですけど。

小飼:これでもなー。

山路:だからといってべつに為政者を褒めなきゃいけないとか、そういうふうには思わないですけど。

小飼:世間に追いつくためにカントリーマァムはさらに一段小さくなってほしいと思うんですよね。値上げはしないで。小さくするところがミソ。

山路:これ、しかし100年後ぐらいとかに人類学のデータを取ったら、私ら、体小さくなってたりするんですかね、この時代の日本人、

「すぐにバイデンのせいにする」(コメント)

小飼:というのは、これはアメリカというのか、民主的に政権交代をするところと、民主的でなくても、これは必ずやるので。

山路:韓国なんかもすごいですしね。

小飼:だから、日本だってやるじゃないですか。

山路:そうですね。

小飼:「悪夢の民主党政権」ってやつですよ。

「シビル・ウォー見てみようかな」(コメント)

山路:ってコメントありますけど、『シビル・ウォー』見ておいたほうがいいですよ。ある程度、今のアメリカのニュースとか把握した上で『シビル・ウォー』見ると、すごい納得がいくものがありますね。

小飼:だから、第1次政権程度のぶっ壊れさで済んだらいいね、とは思う。でもあの頃は、でも途中でパンデミックが来たから。

山路:これでさらにトランプの影響の大きそうなところ、トランプ関税と言われる関税、

小飼:いや、だからそれこそバカなのよ。

山路:関税の仕組みがわかってないんじゃないか、みたいな記事も見かけましたけど。トランプ氏が。

小飼:もちろん、

山路:関税を払うのが誰かって、いや、お前のところが国民だぞっていう、なんかその仕組みがわかってないんじゃないか、さらにうがった見方をする人も、

小飼:ただそれを言うと、関税を払いたくないがゆえに国内製の製品を使うということはあるので。一定の理はありますし、関税をかける権利があるっていうのはWTOももちろん認めてるわけです。ただ、それであれば、片方が関税をかけるって言ったら、もう片方もかけるっていう風に言ったんで、のべつ幕なしやっちゃダメだよっていう。やった場合というのはWTOに対して異議申し立てができて、WTOのほうからそれはやめろという風に言えて。で、それに従わない場合っていうのは最悪、貿易から占め出される。

山路:今って、アメリカのWTOへのコミットというか、それっていうのはどんどん減ってってる感じなんですかね。

小飼:いや、けっこう強いと思いますよ。アメリカは割とまめに関税をいじくる国です。だから、日本のほうがはるかにリベラルです。日本はすごい関税を取らない国でして。ただ例外はあって、米とかね。

山路:あー、なるほどね。

小飼:だから、薬でさえホイホイ個人輸入もできるわけですよ。関税取られずに。もちろん車とかもかかんないですね、日本の場合は。ただ消費税がかかるんですよね、面白いことに。輸入した場合。

山路:あ、コメントどうもありがとうございました。これ、関税って結局お互い、何かのことについて関税合戦になったりとかすると、それぞれの国の国民が買うものが値上がりするという、だいたいの場合、

小飼:そういうことです。

山路:多くのケースで。代替品がない場合はということですよね。

小飼:だから国内に代替品がある場合というのは、関税というのはその代替品の製造者、産業を保護するために、まぁある程度の意味はあると。農産物とかは特にそうね。

山路:トランプがやってることには、そういう理由はないだろうということですよね。これ、なんかうがった見方をする人は、トランプは関税とかのことはちゃんとわかった上で、つまり自分に注目を集めさせるためにやってんじゃねえかみたいな(笑)、

小飼:わかってねえに決まってんじゃねえか、

山路:(笑)わかってないほうに弾さんは賭けますかね。

小飼:いや、賭けますって、カシオミニとか。いや待て、カシオミニかけちゃいけないんだ。TIのcalculatorとかにしなきゃいけないな。いや、でもじつはですね、scientific calculator、要は教室に理数系の大学の試験とかに持ち込んでいいcalculatorというのはTexas Instrumentsのやつがデファクトスタンダードで。カシオのやつとかのほうが機能は優れてるんだけども、教科書とかに載ってる場合はTIのcalculatorだとこういう風にしろっていうのが今なってますね。

山路:TIのやつで、しかも、

小飼:話が電卓になってしまった(笑)、カシオミニから。

「いるよな、トランプ過大評価税」(コメント)

山路:(笑)何でしたっけ、ハンロンの剃刀、「無能で説明できることに悪意を見出すな」みたいな、そんなやつありましたよね。

「関税はインフレ要因になるんですか」(コメント)

小飼:インフレ要因になります。すごいわかりやすいのは日本で一番関税がかかっているものというのは米ですけれども、米がなんでこんなに高いかって言ったら、まさにそれなんですよ。だから、とりあえず安いのがいいというのであれば、バンバン輸入すればいいんですけれども。そうすると日本のだから農家というのは、みんな夜逃げするしかなくなっちゃうという。

「政治家としてはともかく、実際のところ経営者、実業家としてはどうなんでしょうか」(コメント)

山路:もうそれを弾さんに聞くかと、

小飼:それは証明されてるじゃん。わざわざ僕に聞かなくてもいいです、Wikipediaでもなんでもいいです、カジノを潰せるっていうのは、

山路:どれほどの無能なんだという(笑)、

小飼:でも、じつはここ重要なんですけれども、彼は人気の根源っていうのは無能さにあるんですよ。