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小飼弾の論弾 #212「SF叙事詩『ファウンデーション』待望の映像化、資本主義のその次は?」

2021/10/15 07:00 投稿

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 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2021年10月05日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2021年10月19日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』

「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。

2021/10/05配信のハイライト

  • Facebookの長時間障害について解説
  • 総裁選と「固定税率でかつ再配分をきちっとする方法」
  • SFのファウンデーションとしての『ファウンデーション』
  • ドラマ『ファウンデーション』の改変、女体化など
  • 『資本主義だけ残った』感想と「政治的資本主義の停滞」
  • ノーベル賞がこれだけもてはやされる理由

Facebookの長時間障害について解説

山路:なんかコメントでも大暴落なので明るい話題をお願いしますといきなり書かれてるんですけど、私が個人的に明るいという話題は、これを買いましたという(笑)。

小飼:はははは。

山路:iPad miniを買いましたという。

小飼:そうなんだよね。Apple製品のリプレースする秋でもあんだよね。

山路:みんなではないですけど(笑)、リプレースするのは。これめちゃめちゃいいですよ、iPad mini。弾さん、iPad mini買わないんですか。

小飼:iPhone 13 Proになりました。あー僕はAirを買っちゃったので。

山路:はいはいはいはい。

小飼:で、常時使ってるAppleデヴァイスだけでもiPhoneが二つでしょう、Apple Watchが二つでしょう。iPadも二つで、でMacも二つ、二つ半ぐらいあるので。さすがに何て言えばいいのかな、管理するデバイスをこれ以上増やしたくないという気持ちは(笑)。

山路:なんか、そんなにAppleってものすごい勢いで製品出してるわけでもないんだけど。

小飼:けっこう昔のやつをそのまま引き続きっていうのもあるし、すごい潰しが効くんで。

山路:けっこう自分の生活の中に侵入してきてますよね。かなりの勢いで。「買いすぎ」ってコメントある、いや、そうなんだけどな、あのね、「miniに買おうかどうか迷ってんだったら買った方がいいですよ」って(笑)、私もMacBook air、パソコンで持ち歩くようになったら、やっぱりサブ機としてiPad Proだとちょっと重いんですよね。iPad miniが実にこのいい感じのサイズでは。iPad miniだけでもワンショルダーとか入れて持ち歩くのもいいですしね、このひゅっとこの、これ画面に出るのかな、画面には出ないか、このクイックメモは。

スタッフ:繋いでるんですかね?

山路:ああ、たぶんこれ、これで、

スタッフ:ミラーリングモードにすれば。

山路:ミラーリングモードにして、じゃあ、これをひゅっとやると、

スタッフ:これ流して大丈夫?

山路:大丈夫です。

スタッフ:じゃあちょっと画面切り替えます。

山路:出てる?

小飼:来た来た来た、変わった。

山路:ひゅっとこう、それでそこんとこ、しゃしゃっと手書きで書いたりとかも出来るって言うあたりが、非常に楽なんですよね。ここもたとえばウェブページ見てる時だったら、リンクをさっとそこにコピーして、後から検索したりとか、非常にこの文具としての使い勝手がよくって。

小飼:まぁまともなペンと使えるようになったという。

山路:そうそうそう。ちゃんとカシャッと、ケツにくっつけるバカみたいなことはminiでしなくて済むようになりましたからね(笑)。

小飼:第1世代のApple Pencilは、

山路:ギャグ以外の何者でもなかったですよね。

小飼:なんだけれども、長女は好んで使ってるな。なんだかんだ言っていいみたい。ペンシルである事がいいみたい。あの充電はねーわという感じだけど。

山路:iPadで子供をあやそうとしたら、充電させるとこで一番ウケたっていう話がありますよね(笑)。弾さん、13はどうですか、13 Proは。

小飼:いや、僕の使い方だと、もはや性能高すぎるって言う感じ、だからけっこう迷ったのよ。迷ったのだけれども、まあ惰性……。

山路:惰性で一番いいやつを買っちゃった(笑)。

小飼:うん。でも、やっぱりカメラすごくて、ほんと、これくらいでマクロ撮影とかできるんで。これのマクロ撮影は。

山路:おー。マクロはいいなあ。

小飼:でもそれよりも助かったというのか、ほっとしたのは、8をSEに変えました。こっちですね。だから、今、僕はiPhone二つ持ちしてるんだけれども、片方のじつはメインの端末、ずっと8だったんです。

山路:『ポケモンGO』用の?

小飼:そう。8も64GBだったんだけども、さすがに64だときつくなってきて。だからそろそろ変えたかったんだけど、でもメインの端末って言う事は金融関係とかもやるんで、しかもApple Watchの母艦もやってたんで、昔はApple Watchの引越しって、いったんペアリングを解いて、要はApple Watchをまっさらにしてから、新しいほうで最初期化っていうのやらなければいけなかったんだけども、最新のiOSとWatchOSの組み合わせだと、母艦を変えると、Apple Watchも変えますかっていうのが出てきて。

山路:地味に進化してますね。毎年。

小飼:すごい楽になった。それでも、単にWi-Fiでこうやって引っ越すやつがあるんです、ものすごい楽に。なんだけれども、一部の、たとえば銀行のワンタイムパスワードとかっていうのはやっぱり再設定が必要ですね。

山路:端末のハードウェア的なコード見てるわけですよね。

小飼:Appleもかなり工夫はしてるんだけれども、今や、スマートフォンって、単なるインターネットコミュニケーターではなくって、もう認証とか、もう鍵でもあるじゃん。だからけっこう引っ越しで失敗すると、すごい痛い目に遭うものであるじゃん。

山路:なんか私、今使ってるiPhone12で、iCloudのバックアップがなぜかできなくなってしまって、

小飼:えっえっ?

山路:で、iTunesっていうかパソコン、Macと繋いでの、ケーブル繋いでのバックアップはできるんですよ。だけどiCloudバックアップができなくて、Appleに聞いてみると、なんかそれファイル、何かのファイル破損してるのかもしれないって言われて、そういうの怖くないですか?

小飼:それ聞いてなんか怖くなってきたな。ちゃんとできてるかな、iCloud。

山路:だから、そういう本当に重要な情報とかが入ってる分、そのバックアップできて、なんかこうきちんと毎回毎日できてないかもしれないっていうのが地味に不安な感じで、怖いですけどもね。で、また来週なんか発表会もあるらしいですよ。

小飼:ね、そういえば、まだApple Watchの新しいのが来てないですね。

山路:今週の金曜日になんか予約が始まって。

小飼:それもあったな。だから、ちょっとホッとしてます(笑)。

山路:ホッとしてる(笑)。変な表現だな。

小飼:だって、今や壊れたら困るものなので、僕のだけではなくって、さっきも言ったように、他の家族の分のmigrationもあるわけでしょ。だからそこでたとえば大事なやつが壊れたりしたら、LINEとか昔はひどかったね。

山路:ひどかったですね。バックアップをあれをなんとか新しいマシンで再現するのにめっちゃ苦労した覚えが。

小飼:今はちゃんと再認証すればいいようになったので。だから、LINEも壊れなくなった。ちゃんとLINE Payの情報とかも残ってたし。

「アプリ引っ越しミスって銀行店舗行きました」(コメント)

小飼:そうそう、銀行系のやつというのは、端末だからコピーでは、コピーできないので、ワンタイムパスワードとか。

山路:あれ面倒くさいですよね、本当に。

小飼:ちょっと面倒くさいです。

「今だにLINE使ってねーわ」(コメント)

山路:それは幸いですね。次ちょっと、IT絡みの話なんですけど、今朝まで続いた、Facebookの長時間障害。

小飼:あーそれね、原因を聞いて何と、という感じでちょっと懐かしかったです。

山路:あれってちょっと説明して頂きたいんですけども、これって結局何が問題だったんですか。

小飼:かなり、仮想のルーター同士をつなげるためのプロトコルでBGPというのがあるんですけれども、そこの設定をしくったらしい。

山路:しかし、そんなに頻繁に変えるような設定でもないんですよね。

小飼:そんな頻繁に変えるようなものでもないけれども、なんかの理由で何か変えたみたいで。

山路:しかも言ってみたら、Facebookのエンジニアなってかなり優秀な人を高給で雇ってるわけじゃないですか。そんな凡ミスをしちゃうものなんですね。

小飼:凡ミスなのかどうかわからないけれども、BGPの設定をしくるとどうなるのかっていうのは、でですね、じつは僕もBGPの設定を業務としてやったことがありまして。

山路:業務として、そんなことをやることが。

小飼:はい。ものすごい昔です。オン・ザ・エッヂとかに入る、さらに前の話で、頃で、まだAPNICが国連大学にあった頃です。

山路:APNICって、

小飼:APNICというのは、アジアパシフィックのIPアドレスとかを管理している。

山路:あーなるほどね。

小飼:じつはですね、そこのルーターの設定、僕がやったんですよ。

山路:それはプロバイダーとかをやってたじゃないですか、プロバイダーの立ち上げ事業を。あれと関係が?

小飼:まぁそんな感じですね。流しのネットワーク屋さんだったので。

山路:すごい、そんな経験がある人はなかなかいなさそうですよね。

小飼:その時にちょっとしたミスがあったんですけれども。

山路:これ、素人として不思議に思ったのが、このBGPの設定ミスったっていう事っていうのは、言ってみたらわかるわけじゃないです。それ自体は。何で復旧に時間が。

小飼:えーとですね、それはBGPの特性にもあるんですよね。BGPというのはルーティングプロトコルにもいっぱいあるわけです。一番多い、圧倒的に多いというのは、上流のルーターが1台しかないというやつですね。だから、これはもう固定で、だから特にプロトコルもへったくれもない理由じゃないですか。複数ある場合の、なんとか、今でも使われてますけども、RIPというのもあります。で、OSPFというのもあるんですけど、BGPっていうのがなんで重要かって言うと、NSP同士をつなぐプロトコルなんですね。

山路:NSP?

小飼:ネットワークサービスプロバイダ。料金も発生するわけじゃないですか。だからただ単にパケットを通せばいいという話ではないんですね。

山路:どっちからどっちに金をやり取りするみたいなことまで含んだ、

小飼:そうそうそう。だからそういう合意をpeering agreementって言うんですけど、それを反映させてるわけですね。かつては本当に、だからネットワーク屋だけ、だから日本だとNTTとかKDDIとか。だったんですけれども、今はすごい、大きなコンテンツプロバイダっていうのは、GoogleしかりFacebookしかりというのは自分でデータセンターを持ってますから。自分用のシステムというのか、まあBGPの場合というのは、自分の内側にある一群のコンピューターというのはAutonomous System、ASっていう単位でAS同士をつなぐプロトコルなんですけれども。大きなコンテンツプロバイダっていうのは、やっぱり自分でもうAS番号を持ってて、他のネットワークとはBGPでつなぐわけですけれども。

山路:それってネットワーク技術者っていうか、もうほんとそういう事業者のやつで使う、ほんと特殊な感じですよね。

小飼:そうです、だからあんまやったことがある人というのはいないと思います、知る人ぞ知るプロトコルで、こういう問題でもないと、あまり出てこない話題でもあります。

山路:これって設定を、仮にそういうふうな金のやり取り、さっさと設定を決めなきゃいけないと、決めたらでも設定が即座に反映されるわけでもない?

小飼:ない。ないし、結局のとこ、どんなルーティングプロトコルでも、そのネットワークアドレスに関しては、こっちにパケットを送ってくださいよっていうのは送りつけるプロトコルなんです。だから、じつは経路情報を更新してくださいっていうリクエストを送っても、すぐに応じてくれるとは限らないんですね。で、一度大昔に、どこだったっけな、ブルガリアかどっかで、bogusなBGPの更新情報を流されたおかげでYouTubeが止まっちゃったっていうことがあります。それはどういうことかって言うと、AS番号を間違えたんです。自分の所のではなくて、YouTubeのASはこっちに送ってくれって流しちゃったんです。その時は、みんな素直に従っちゃったんですよ。

山路:こんなに間違えちゃいけない設定ってなかなかないですよねっていう。

小飼:はい。BGP怖いです(笑)。

山路:怖。コメントで「これはインサイダージョブの可能性がある」ってあるけど。

小飼:ありますね。

山路:つまり、これっていうのは正式な契約とかじゃなくて、企業同士の談合的な感じで値段を決めてるみたいな感じってこと? この場合のインサイダージョブっていうのは。

小飼:まぁあくまでもagreementなので、契約なので。じつは、大手のコンテンツプロバイダっていうのは、なかなか有利なpeering agreementを結べるんですよね。だから、ネットワーク的に近い方が、回線屋としては嬉しいじゃないですか。あんまり、たとえば、YouTubeの配信を受けるのに、他のNSPを通して欲しくないわけですよね。だから、なるべく多くのところとペアリングagreementを結ぼうとしますし、で実際に結んでるわけですよね。

山路:その時の契約条件で、いいところを押さえてるところはやっぱ強くなったりするみたいな。

小飼:それもあります。まあでも、それもとにかく、結局、どのパケットをどのASに送り込むかというのを決めてるのがBGPなので。

山路:これってその、今回みたいな失敗っていうのはもうある意味、避けられないと言うか、絶対になんかどこかではまあ必ず起こるようなことなの、

小飼:ゼロではないですね。ゼロにするのは難しいです。今言ったように、BGPの一番の特徴というのは大人の事情を設定に反映できることなんです。ほとんどのルーティングプロトコルっていうのはもう完全自動なんですよね、RIPにしてもOSPFにしても。だから、たとえばどこかの事故が起こったら、パケットはこっちに流すとか、もういったん設定したら、人間が弄る余地というのはあんまりなかったりするんですけど、BGPの場合というのはさっきも言ったように、peering agreementいうものがあるので。

山路:いやーしかし、これってこのFacebookが止まったおかげで与えられたダメージって、何かみずほの障害の比じゃないんじゃないかっていう気もしますよね。

小飼:そうなのですよね。

山路:怖。

小飼:今日はその他にもモバイルSuicaとモバイルPASMOが止まってたという。

山路:これはもう個人のユーザーレベルでもいろいろバイパスは用意しとかんといかんということですよね、本当に。なんか事故にあった時どうすんのみたいな、手段というのは。

小飼:Suicaチャージできなかった人とかちょっと大変だったかもしれない。

山路:下手すると改札を出られない可能性もありますもんね。

小飼:まぁでもオートチャージは動いてたみたいなので。

山路:ああ、そうなんだ。定期とかの話?

小飼:たぶんモバイルSuicaのインフラとは違うところを通ってるんですよね、たぶん、ビューカードのネットワークなので。Suicaの場合は。

山路:ややこしいな、意外に知られざるネットワークの世界ですね。ちょっとこの、これも今日と言うか、話題の、

小飼:(コメントを見ながら)すいません、たしかに説明聞いてもわかりにくいとは思うんですけれども、はい(笑)。わかりづらいよな、だって普通の人はまず触らないものだからね。

山路:じゃあ、

小飼:ああ、ありがとうございます、Suica。

総裁選と「固定税率でかつ再配分をきちっとする方法」

山路:総裁選のニュース。

小飼:相殺選って何と何を相殺するの?

山路:(笑)

小飼:こっちか、こっちか、お互いに殺すの相殺じゃないの(笑)。

山路:相殺選ってなんかすごいけど、そんな言葉聞いたことがないっすよ(笑)。私、政治がわかんなくて、

小飼:菅(かん)に菅(すが)をぶつけて対消滅させるとか。

山路:いやー、ねえ。

小飼:(コメントを見ながら)えーとですね、マスタリングTCP/IPにも、ちょろっとしか触れられてないと思います、BGPは。BGPは専用の、動物本、BGPだけで出てなかったっけな。ちょっと待って、いちおう検索かけてみます。

山路:マスタリングTCP/IPもけっこう難しい本だったようには思いました、丁寧には書かれていて読みやすいですけど。

小飼:まぁあまりに一般事項ばっかし載ってんので、あとちょっと古いといえば古いですね。

山路:なんか政治に関して「竹中平蔵の追放以外面白くない岸田」って、「太郎がよかった」「河野太郎は嫌だ」っていろいろですね。

小飼:(コメントを見ながら)あったあった。うちにもあるはず。

山路:その教科書? すごいな。日本語では出てない可能性ありますよね。

小飼:えーと日本語版は出てるのかな。このインパラ君の。

山路:すごいな、オライリー、そんなとこまできちんとやっぱりやってんだな。「ポエマーが消えたのだけよかった。ポエマーってこれは「こ」で始まる政治家さんね(笑)。

小飼:あははは。あれね、「息の呼吸」ってやつだね(笑)。

山路:レジ袋どうなるのか、興味深いですよね。

「フォーエバー言うな」(コメント)

山路:総裁選、どう思いました、この。

小飼:いや、知らん人多いなぁというのが率直な感想ですね。でも、ダメなやつが残ってるね。なんだったっけ、

山路:官房長官?

小飼:とか、ここにちゃんとあれだな、安チョコは見ながら、

山路:いやもう、名前がぜんぜん覚えて……、

小飼:そうそう、萩生田が経産相って、

山路:前の文科相だった人?

小飼:そう、

山路:入試改革に失敗した。

小飼:そうそうそう。

山路:(コメントを見ながら)ドリル優子も、あれ? いるんですか? あれ、そうなんですか。すいません、なんかぜんぜん、まだそれは出てこない……あれ、ほんと?

小飼:ドリル小渕さんは今回はいませんね。

山路:あとなんか気になったのは、自民党のほうの副総裁が麻生さんというのを、

小飼:あー、まぁでもいちおう財務大臣でなくなったというのはけっこう大きいんじゃないか。ただね、30兆円ちゃんと配ってくれるのかっていうので、だいぶ暗雲が、選挙の寸前でもあるし、選挙の前のタイミングでないと役に立たない、でも今の段階で、必要な人には配るっていうのはちょっとそれは弱すぎないか。

山路:30兆円そもそも余らせてるってのがおかしいですよね。

小飼:そうなの。ものすごいおかしい。

山路:そもそもそこなの? っていう気がしますけど。

小飼:あれじゃん、一人10万円配っちゃえば、事実上2度で終わっちゃうじゃん。だから1回やると12兆円かかるので。

山路:それになんか既に金配ったんだから税金を上げなきゃなみたいなことを言い始めている。

小飼:(コメントを見ながら)ああ、パンツ高木、あの人いったい何なんだ。

山路:(笑)あの、下着泥棒のこと云々かんぬんみたいなやつがあったやつですかね。

小飼:でもあれなんだよね、面白いことに、面白いというのか、いやなんか短命そうだなっていう予感がするのは、そう、スキャンダラスな内閣ではあるんですけど、本人のスキャンダルっていうのは意外と少ないですよね。菅前首相にしても。岸田現首相にしても。晋三君はスキャンダルだらけだったじゃん。

山路:しかし生き延びまししたよね。

小飼:そうそうそう。

山路:これ、後その岸田さんが今明言してる政策のことで、再分配だったりとか新しい資本主義って言い方してますけど。

小飼:でも、具体的にどうやるかだよね。

山路:ひとつそのうち言ってるのが、金融所得課税見直すってことを言ってたりする、たとえば株の配当なんかは今2割だったりするのをもっと引き上げるとか。

小飼:でもね、結局何でそれが人気なかったかって言うと、そのやり方で税率決めると、庶民のほうも減るわけです。だから、お小遣いを運用してたというのも減るわけですよ。

山路:しかも、今の段階だとすべての人の資産っていうのを政府が把握することはできないわけだから、いくら以上の資産がある人に対して何パーっていうかけ方ができなかったりもする。

小飼:じつはすごいしにくい。しにくいが故に日本は分離課税って言って、金融所得の税率と、残りの所得の税率というのが変わってたりする、金融所得のほうは基本累進しないんですよ。

山路:しかしまあこれ、政府としてはなんかちょっと、

小飼:ちなみに、暗号資産は、仮想通貨は金融所得じゃなくて雑所得扱いですからね。

山路:あれでだいぶ引っかかって税金をとられた人、いますね。

小飼:だから分離課税ではないのですよ。今のところは。

山路:これ、政府としてはなんかけっこう投資……、

「弾さん取られる側だから言葉濁してるな」(コメント)

小飼:うーん、どうなのだろうかね、それは。

山路:これって少なくとも今んところ金融、売ったり買ったりとかをしなければ、そこんところで配当は取られますけど、含み益みたいなものにかかってくるわけじゃないですもんね。

小飼:結局のところ金融所得というのは、基本的には現金化した時にかかるので。

山路:つまり長期保有で、ずっと持ってたら、あんまりダメージがないのではという。

小飼:だから、一番いいのは相続税100パーセントっていう言い方もよくしますけれども、政府が自動的に相続するという。

山路:でも、なんか昔ながらのイエを作っていきたい人たちが多いから。

小飼:だからそうすると、それだけで100兆円ぐらい集められるんですよ。そうすると、残りの足りない分だけ、あと所得税取ると。で、その所得税というのも累進させる必要がないんですよ。100パーセントもう固定税率は固定税率。だから、それが一番簡単なんだけど。死んだ時はまさしく年貢の納め時。

山路:その死生観っていうのがこうみんなに行き渡れば、ちょっと変わってくるかなと思うんですけどね。

「数千円の配当から20パーセント引かれるのは悲しい」(コメント)

小飼:そうなんですよ。で、そこの部分っていうのは累進課税にならないので、後はね、資産課税を累進課税化するには、特定口座どうしようかっていう。

山路:特定口座だと自動的に源泉徴収される。

小飼:その通りです。特定口座というのは、本当に源泉徴収なので。当然申告もしなくていいわけですよね。なぜ申告もしなくていいかって言ったら、もう固定税率だから。だから、その資産を預かっている金融機関も、個々の顧客のことというのは税務当局に言わなくてもいいわけですよ。トータルでこれだけ預かってて、トータルでこれだけの収益はあげたので、そのうちの2割を、納税しますと言うので、それで話終わっちゃうんですよ。っていうのができなくなるんですよね。だから、累進課税化しようとしたら。
 税金の理念からしたら、分離課税という制度自体がとんでもなくって、だから全部総合課税化した上で、税率を決めると、だからそうすると嫌でも累進課税になる。

山路:1円は1円やろうと、どうやって入ってきても。

小飼:そうそうそう。なんだけれども、累進税率っていうのは欠点が、かなり痛い欠点が二つあるんですよね。
 まず一つは、所得がずっと安定的なほうが有利なんですよね。極端な言い方すると、一発屋には不利なんです。だから一発当てた時に、ガッと取られてしまうので。っていうのがあって、あともう一つは、節税に対するインセンティブというの、ものすごい強く働くわけです。課税率が変わるから、よく130万円の壁とか言うじゃないですか。だから、そういうのも、税率、累進課税ゆえに発生してしまってるものです。
 だから、なるべく固定にしたいんですよね。でも固定だと、どう考えても、もうピケティの不等式をどうしようも、克服できない。なので、固定税率でかつ再配分をきちっとする方法としては、やっぱり社会相続というのが一番いいんですよね。一番冴えたやり方なんですね、それが。税率をすべて固定にできる。そうすると。

山路:なんかその文脈でちょっと言うならば、それこそ、いま話題になってるパンドラ文書が開いたやつも(笑)、結局この世界的なその税金の仕組みのややこしさによるところもあるのかなというふうに思って。

小飼:そうなのです。

山路:だからこそ、みんなどうしても節税に勤しんでしまう(笑)、これどうにか本当にならんのかなと思いますけどもね。

小飼:で、それがどんどん進むとですね、ちょっと待ってね、これだ、デイヴィッド・ブリンというSF作家が、日本語のタイトルだと『ガイア』だっけな、っていう作品を書いてるのですけれども、そこにヘルヴェティア戦争というおっかない言葉が出てきます。要は、金持ちの資産の預かられまくったスイスが滅ぼされるという(笑)、軽いエピソードとして出てくるんですけどね。

山路:いやー、なんかみんな、それこそ何て言うのかな、今の制度じゃいけないとわかってて、なんだかんだどうにかしようとするんだけれども、なかなかパリッとうまくは動けないでいますよね、どの国にしても。パンドラ文書も別にそれぞれの国で違法でなかったりもするわけじゃないですか。

小飼:いや、ほとんど合法なの。そこなんですよ。そこなんです。なんで合法かって言うと、金持ちが為政者に鼻薬を嗅がせて骨抜きにしちゃうから。いろんな法律を。アメリカとかけっこうひどいです。じつはですね、アメリカも外国人からすると、タックスヘイブンになるんです。アメリカも当然、利子とかに課税してるんですけど、外国人だと、それも免除されるわけです。

山路:中国人の官僚が外国、アメリカの口座を作りたくなるという、

小飼:そうそうそう。ありがとうございます、すごい、すごい118番に、なかなか早いネタバレが(笑)。

山路:「ブリンは、『ファウンデーション』の勝利』を書いて」ああ、そうですよね、新ファウンデーションシリーズと言うか、書いてますよね。いやこれ、ややこしいよな。とりあえず、ああそうだ、パンドラ文書の話が今出たところで、パンドラ文書に関しては何かこう、以前にも文書公開されたりしたじゃないですか。今回の文章っていうは、さらにインパクトがあるんでしょうか、そういうわけでもない? またかっていう、

小飼:まさかではなくて、やはりではあるんですよね。でも、確かにピケティの不等式にこれ以上世界に耐えられなくなってるって言うのも、あのアメリカが、他の国も最低税率決めようよって言い始めたっていうのは。

山路:そろそろみんな限界に達していることがわかっていると言うか。これが政治家のほうもそう言い出してるって事は、もうそういうふうにみんな集中しちゃうと資本主義としてうまく金が回らないっていうことがわかってるわけですよね。

小飼:資本主義としてというのか、たとえば日本は「失われた30年」って言い方しますけれども、バブル崩壊してから。個人の金融資産って、増えてるんですよ。2000兆円近くにまでなってるんですよ。なのに、平均所得というのは下がったと。要は、お金持ちは資産を増やしたわけです。でも、こう言うのもなんですけど、それであれば、せめて全体を足したものというのは、庶民が赤貧にあえいでいても、大きくなってほしかったんだけど、ろくに大きくなってないんですね、日本の場合というのは。

山路:格差が開いたところで、底もちゃんと上がってればいいわけですもんね。

小飼:で、アメリカの場合というのは、全体も大きくなったんですよ。でも庶民が増えてないというのは、日本と同じか、あるいは日本以上に酷くて。インフラがガタガタというのは、そういえば、どこだっけ、水道橋が、

山路:あはははは。

小飼:崩落した、和歌山か。和歌山市、

山路:まぁでもあれは、災害ですよね。

小飼:あれはまぁ人の被害は出てなかったけども、あの規模でボロボロ橋が壊れると言うのは、アメリカで頻発してて。

山路:社会資本っていうのも結局、そこに住んでる人の持ち物つか、資産なわけですもんなあ。

小飼:たぶんね、アメリカが金持ち優遇しても、だから全体のパイが大きくできたというのは、世界中から富と人材を吸い上げたっていうこともあると思います。要するに、世界から収奪してるわけですね(笑)、なんのことはない。
 結局、金融緩和とかっていうのをやっても、誰にお金を配るかっていうので、効き方が違うっていうのがだんだんわかってきた。

山路:ちゃんと要るやつに配れって言う。

小飼:そうそうそう。だから再配分っていうのは、どういうことかって言うと、まず、たとえば、平野に均等に雨が降ったとするじゃないですか。で、それはまあ、小川になり、小川が合流してだんだん大河になってくんですけれども。海に行きついても、もし雨が降らなければ、もうそこでおしまいですよ。再配分っていうのは、まさにそういう役割になるわけですけれども。それを金持ちになってしまうというのは、東京に豪雨が降るようなもので、あんま嬉しくないわけです。

山路:水困ってないよみたいな。

小飼:そうそう、水困ってないというだけではなくて、

山路:処理しきれない。

小飼:そうそうそう。なんだけど、今までは直に配るのはあまりに難しかったから、ちゃんとピンはねされる、ピンはね上等でこれをみんなに配れって言うのを繰り返すしかなかったわけですよね、下請け下請け下請けっていう。でも、今や直に配れるわけじゃないですか、まさにDXですよ。

山路:そういう発想が、なかなか政治家の人の頭に定着しないというのは、特に日本なんかで、それは単にテクノロジーに疎いからなんですかね、やっぱり。何が出来るって事を知らないからなのか。

小飼:まあでも、少なくとも今のやり方はもうさすがに持続不能っていうところは、岸田君も気づいたわけですね。

 

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