「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2021年09月21日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2021年10月05日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
新刊『小飼弾の超訳「お金」理論』
「ブラック労働者」をやめましょう。「お金を増やさねばならない」思い込みを捨てましょう。働いたら負け。もう労働には価値はない。理想は、誰でも自由に生きて食べていける世の中。なのに、いつまでも「お金」に振り回されるのはなぜか―――。
『小飼弾の超訳「お金」理論』では、世界を動かしているお金の仕組みと、お金との付き合い方をやさしく解き明かします。
2021/09/21配信のハイライト
- Apple新製品発表の感想
- オーストラリア原潜購入が新たな軍拡競争を引き起こす?
- 「BNPLとは?」解説と「企業と再分配」について
- みんな「給料を上げよう」ではなく「タダでよこせ」と言うべき
- 恒大問題に見る「文革2.0」と「バブル崩壊との相似」
- 質問「地方移住で気をつけるべきことは?」
Apple新製品発表の感想
山路:今日はいろいろ中国の話だったりとか、BNPL、資本主義がうんたらかんたらみたいなご大層な、
小飼:でも今日、今回はかなりミリタリーな話題が。
山路:ミリタリー(笑)。まずは軽い話題としてApple Watchの、コメントでもApple Watchって出てますよね、Apple製品の発表会が、この前の火曜日水曜日にあったんですけど。
小飼:ありましたね。
山路:弾さん、なんか買いました?
小飼:例年通り、13 Proは普通に注文しましたね。
山路:映画でも撮るつもりなんかという(笑)。
小飼:でも僕的に一番大きいのはあれだな、もう次女がアメリカで13 Proを買ったというのか、次女のiPhoneがもう調子悪くなってたから、もう変えるのいいって、いつ買ってもいいけど新製品もうすぐ出るよつったら、じゃあ待つって言って、ちゃんと注文入れられたみたいで。今回は久しぶりにあれだ、注文ページにBusy表示ぽいのが出ましたね。ここ数年はすごいスムーズだったんですけどもね。そう、申し訳ありません、リクエストの処理中に問題が発生しましたっていう、
山路:で、弾さんが大好きなiPad_miniも新製品出ましたけど。
小飼:まぁでもな、さすがに今現役のiPadが2台あって、必ず1台使えるような状態になってるんですけど、もう1台の増やす、なんて言うか、手間暇的な余裕が。
山路:私、iPad_miniは注文しちゃいましたね。
小飼:すごいいいと思いますよ。
山路:配信でのスライド表示はiPad Proでやってるんですけど、MacBook Airと一緒に持ち歩くんだったら、iPad_miniのほうがいいよなとか思って。だいぶ荷物少なくできるし。後、Apple Watchのほうはどうです?
小飼:まあ順当なというのか、新しいセンサーが付いてないっていうのが、ちょっとあれですが、ディスプレイが大きくなったっていうのはけっこう、
山路:あのへんはAppleけっこう慎重ですよね。
小飼:血糖が測れるとかそういうような噂があったけども、そうはならなかったみたいで。
山路:センサー類のやつとか、やっぱりディスプレイとか筐体とか、全部いっぺんに変えるっていうのは相当リスキーだから、そこはなんか穏当な路線でやっていくのかなと。
小飼:あとちょっと充電速度が速くなったという。シリーズ6持ってる人は買うまでもないと思うんだけれども、まあたぶん注文しちゃうんだろうな。今のところあれだね、Apple Watchを必ず新製品を手に入れてはいるな。
山路:ただまあ私も、iPad miniとか注文しちゃったぐらいなんですけど、だいぶ、なんて言うのかな、もう落ち着いてきた感じありません?Appleの新製品が。びっくりするような物があんまりなかった。
小飼:というのか、びっくりしたくないよね。
山路:ははは。もう枯れた製品になってきた。
小飼:やっぱどうしても保守的にならざるを得ないというのも、どの辺かな、やっぱり財布代わりになる、あるいは鍵代わりになるっていうふうにあたりから、やっぱりものすごいそのプロダクトに関しては、保守的なアプローチにならざるを得ないと思いましたね。
山路:それこそ、ワクチンパスポートのプラットフォームにもしようとしてるぐらいですもんね。
小飼:だから、けっこうiPhone7が、iPhoneだとね、境目なのかな、あれでSuicaが使えるようになって。
山路:インフラの一部になっちゃってますもんね。あの辺りから。
小飼:インフラの一部だから、じつは僕もiPhone、2台持ちしてて、メインはじつは新しい方ではなくて、今のところiPhone 8なんですね。なんでiPhone 8かって言うと、これの母艦とかやってるので。取っ替えるのがすごい億劫なんですよ。
山路:あーわかる、あのへんの同期。
小飼:さすがに重たくなってきたというのか、特にポケモンGoとか、あのへんが重たくなってきたので、さすがにSEにしようかなと(笑)。
山路:でも、それでもiPhone 13 miniとかにはしないんですか。
小飼:あ、それ迷ったんだけどね、あのディスプレイのサイズ、ちっちゃいディスプレイのサイズのやつが、ちょっと欲しいんだよ。
山路:しかし、半導体不足の影響でちょっと保守的な戦略にしてるとか、あんま関係ないですかね、それは。
小飼:どうなんでしょうね。Appleあたりになると、もう半導体不足って騒ぐよりも、ずっと前からprovisioningはしてるので。
山路:3年とか5年のスパンでいろいろ回してるわけですからね。
小飼:そうそう、今年はジョブズが亡くなって、Appleの船長がクックになって10年ということなんですけど。
山路:もう10年になるか。
小飼:でもその前から、なんでAppleがGAFAの一角を占めるまでになったかつったら、やっぱりティム・クックの功績でしょう。だから、ちゃんとこれだけで売るって言って、それだけ作っているって言うのは、もはやもうそれ自体がお仕事ですから。
山路:しかもいちおう新しい技術は、なんだかんだ地味とは言いつつも、相当新しいことやってますもんね。
小飼:iPhoneだけで年間2億台作って売るというのは。
山路:で、SDGsにうるさい皆さんも満足させつつ、新機能を盛り込んで、全世界、日本語も含めて先進国、発展途上国でかなりの言語カバーしてたりもしますもんね。それは神業に近いもんがあるなと。あと、今日iOS 15とiPadOS 15公開されましたけど。
小飼:あー、なんか今日それだけで、ビタ一文にもならないのに疲れるんだよね、OSのアップデートって。
山路:私もしちゃいましたけどね(笑)。
小飼:iPhoneが2台に、iPadはじつは1台はベータにしてたので、何もしてなかったんだけど、これと、Apple Watchと(笑)。
山路:何げに時間かかりますよね。iPhoneをアップデートしてからでないとApple Watchアップデートできないし。なんか気に入った機能とかありました?
小飼:ああ、気に入らない挙動が少なかったのはありがたかったけど、でもそれでもちょっとSafariのタブには。タブがボタンみたいな形状に変わったんです。
山路:アドレスバー自体が下に来たのはなかなか、私はいいかなと思った。
小飼:iPhoneのほうね。
山路:iPhoneのほう。
小飼:でもiPhoneよりも、むしろMac用もSafariだけはアップデートしたんだけれども、アップデートされたんですけれども、あれだ、タブがボタンみたいになってる。
山路:まぁでもタブグループとか便利そうだし、あれは慣れるかなという気もしますかね。あと細かいことですけど、iOSで拡張機能がサポートされたじゃないですか、Safariの拡張とか。あれはけっこうでかいかなと。
小飼:でかいかもしれないね。あれで広告ブロッカーというか広告ストッパーとか簡単にできるよね。そう、だから広告を検知したらCSSで全部hiddenにしちゃえば(笑)。
山路:私、1Passwordってパスワードマネージャー使ってんですけど、あれもさっそくSafariの拡張機能対応してて、iOSでの使い勝手がめちゃめちゃ良くなりましたね。あとなんだ、今日のとこだと、Apple WatchでAirTagを探せるようになったりとかかなあ。私的には。
小飼:地味に良くなってるけど、非常に地味なので、ひとつ前のバージョンとはちょっと差がわかりにくかったね。
山路:ちょっと気になったのが、これもまあWWDCの頃からわかってたことですけど、LiveText機能ってあるじゃないですか、写真のなかの文字を認識して文字列として取り出せるって。あれ、日本語の対応今回はまだなんですよね。
小飼:でもScribbleが日本語に対応したのかな。要は、Apple Pencilで手書き認識をするという。
山路:ただもうTier 1ではなくなってきたのかなという気もするんですけど、どうです?
小飼:まぁでもいちおう初日に売ってくれてるからね。
山路:そういう、そうかそうか。販売としては一番トップグループではあるわけだもんな。まだお得意様の国では、かろうじてあるかなという。
小飼:とくにiPhoneはね。
山路:あと、Apple絡みで言うと、今週ですよ、『ファウンデーション』。
小飼:そうそうそう。じつは9月のApple製品で一番楽しみにしてたのはそれなんですよ、
山路:Apple製品(笑)。
小飼:Apple製品じゃないですか。実に見事にApple製品じゃないですか。
山路:これ、それこそ何十年も前の名作じゃないですか。
小飼:でもぜんぜん、映像化する映像化するっていうのでもう何十年も来てるからね。
山路:まあまあ、とにかく口うるさい皆さんがじっくりと見て、文句を言いまくるんだろうなという(笑)、気がしますけどね。
「今年後半Apple M1X楽しみ」(コメント)
小飼:あー、今年中に出てくれるのかね。いやまぁ、形だけ今年中に出して、実際の発売は来年っていうパターンになるんじゃないかな。特にiMacの大きいほうとかだと、そうなるんじゃないかな。そうなんだよ、大きいiMacをリプレースしたいんだよね。ちっちゃいほうのiMacはリプレースされて、それはもう確かにいいんだけども、でもそれじゃあちょっと僕の用途足りないんだよ、ありとあらゆる大きさが。特に画面の大きさが。
山路:噂でもMacBook ProとかMac miniは出てるけど、iMacの話なかなか聞こえてこないですよね、新しいやつは。
小飼:さすがに出すだろうー。
山路:年末に? 出すかな?
小飼:年末かどうかはわかんないけど、
山路:今年度中ぐらいかなあ。
小飼:まあでもあるいは、そうMac mini Pro的なものができて、それでお茶を濁すかなと言う。前回も出たけれども、AppleのRISC-Vのエンジニアを募集してるって言うのがあっただっけ、今のところすぐRISC-VがAppleシリコン2みたいになるって言うのは考え難いので、じゃあ何をするかつったら、どう見てもペリフェラルに使う、周辺機器に使うんだよね。だから、やっぱりApple製のペリフェラルっていうのを復活させてもらいたいっていう気持ちは大きいね。
山路:Magic Mouse、作り直させるべきですよね(笑)(※編注:充電用のLightningポートが底面に付いているおり、充電しながらマウスを使うことができない)
小飼:そうそう、そういうのもそうだし、AirPort(※編注:日本での商品名は、AirMac)、
山路:Wi-Fiの。
小飼:あるいはTime Capsuleとかっていうのがディスコンになっちゃったじゃん。ちゃんとWi-Fi 6のrouterも出して欲しいですね。
山路:そんなのって、Wi-Fiのメーカーの製品を買ってきてガワ整えるだけじゃダメなんすかと思うんですけどね。
小飼:そう思わんでもないんですけどもね。
山路:いくらでも優秀なメーカーあるから、Appleブランドで売るだけなんじゃないかと思うんだけどなぁ。
小飼:でも本当にマジで、Wi-Fi 6のrouter用意すんだったら、どこになるんだ、ちょっとシスコとかは値段とかも大げさになっちゃうんだよね。
山路:Atermとかなんですか、NECの。
小飼:実はですね、うち、まだフィジカルな10GBがないんですね、10ジガビットの。それを導入し始めたら、一挙にWi-Fi 6とかも入れようかなとは思ってるんだけど、どのみち屋内だけによね、外はすぐにジガビットになっちゃって、だからそれより速くなるというのはちょっと考え難いので。
山路:家ん中でそこまでの速度がいるって、バックアップとかそういう同期させたりとかそういう感じの用途で?
小飼:本当にないよ、本当10GBの必要な用途っていうのは実はあんまりない……。
山路:正直に白状してる、あっはっはっは。ないんだ(笑)。
小飼:だけども、単純な1GBだと、Wi-Fi 6のrouterとかで明らかに足りないわけです。だからそんなこんなで、世の中には2.5とか5とかっていうのも、10の後に規格化かされて実用化されましたけど、やっぱりそこは10のが欲しい。
実際、10GBの通信っていうのは、たとえばファイル転送とかも、両方ともSSD、それもSATAとかではなくって、MVNE、PCI EXPRESSに直に繋がってるのがもう前提になるので。けっこういろいろなものをきちんと取っ替えないと10GB出ないんですよね。ちなみにNetflixのサーバは1台で400GB(笑)、400ジガbpsをさばいてるそうです、1台で。
山路:なんかもう基幹網を担えるんじゃないですかね、Netflixって(笑)。
小飼:ね。それの論文が出てたんですけれども、それもちょっと面白かったですね。だから単純に、NIC買ってきて、
山路:ネットワークカード(Network Interface Card)を、
小飼:そう、箱に入れてOSを入れてと言うのでは、その速度はぜんぜん出ないんです。
山路:へええ。え、ドライバを書くとかっていうこと?
小飼:だからけっこうすごいことをしていて、SSLをカーネルでやってるんです、FreeBSDが。
山路:専用のカーネルを自分たちで開発をしてるっていうこと?
小飼:そうなんです、Netflixのすごいところというのはそこなんですよ。
山路:へええ。
小飼:しかも、SSLの、いったん鍵交換した後の暗号化というのは、もうネットワークカードでやってるんだそうです。
山路:ふーん。
小飼:ドライバを書いたそうです。
山路:それってなんか、そのOSだけで商売できそうな気もしますけどね。
小飼:実際に商売してるじゃないですか。
山路:他社に売ったりとか、需要ありそうですけどねっていう意味で。
小飼:いやでも実際400ジガ、サーバで捌く需要っていうふうになるのほんとにNetflixとかとその商売敵みたいな形になっちゃうんですね。
山路:なるほどね(笑)。
小飼:1台で400ジガって凄いよな。
「Netflixでお勧めは」(コメント)
山路:これはなんか動画のお勧めの話なのかな。
小飼:それでも1人10メガとして、1ジガで100人、で、100ギガで一万人、そうか、それで10人一度には捌けないんだね、それだけ太くても。たとえば、ハイクオリティなやつはそれだけあっても、1台じゃ捌けないんだよね。
山路:「Netflix何かお勧め」ってコメントありましたけど、後のほうで、もしかしたら触れるかもしれない、後でスペースXのインスピレーション4とかとり上げるかもしれないけど、
小飼:ああ、そうだそうだ、それもあったな。
山路:Netflixでそのドキュメンタリーを同時進行でもう撮って放映しながら、実際の宇宙開発をやってるっていうのは凄いですよという。
小飼:じつはうちのソニーのテレビも、もうAndroid boxで、Android TVというのが中に入っていて、Netflixもアプリケーションとして入ってるんですけれども、やっぱ他と比べて出来がぜんぜん違いますね。
山路:ああ、アプリが。
小飼:そうなんですよ。本当にAmazonプライムのやつもあるんだけど、ほんと金返せレベルで(笑)。
オーストラリア原潜購入が新たな軍拡競争を引き起こす?
山路:なんだろうな、あの辺の違いっていうのは。
じゃあこれ、ミリタリーの話行っちゃいますか。けっこうこれもでかい話ではあるのですが、
小飼:いやでかいっていうのか、ちょっとオヨヨオヨヨなんですよね。
山路:オーストラリアの原潜の話ですよね。
小飼:そう、オーストラリアが原潜を買うという。
山路:けっこう、
小飼:原子炉もない国が原潜を買うという。
山路:そもそもはフランスと提携して、フランスの技術、フランスの原潜の技術をまあこう持ってこようと。
小飼:え、フランスも原潜だったの、フランスの通常型じゃなかったっけ? それのいきさつって。
山路:原子力ではなかった、通常型の?
小飼:通常型だったはずなんだけど。
山路:ほんと? すいません、それちょっと私勘違いしちゃったかも。で、まあそういう7兆円規模のビジネスの話を、
小飼:でも7兆円とかっていうよりも、原潜っていうのはものすごい意味があるところで。普通、原子力潜水艦ができたことで、それまでのディーゼルで充電、鉛蓄電池に充電してたタイプの潜水艦というのは通常型と呼ばれるようになったんですけど、原潜ができたことで。これはもう別物といっていい。
山路:それは航行時間っていう。
小飼:そう、だからガラケーとiPhoneぐらい違うんですよ(笑)。
山路:ガラケーとiPhone(笑)。
小飼:この例えがあれですけれども。じつは原子炉潜水艦以前の潜水艦というのは、水中に潜ること「も」できる船なんです。だから、いざ戦闘の時だけ潜ってて、普段は水上にいるというのがUボートとかもそうだったわけ。なるべく水上にいるところを見つけてハントしてたわけですけれども、これが原子力潜水艦になって変わったんですね。原子力潜水艦って何が凄いかって言ったら、もういったん出港して潜航しちゃったら、任務が終わって戻ってくるまでたいてい3ヶ月でシフトを組んでるらしいんですけれども、潜りっぱなんですよね。
「乗員のほうが先にまいっちゃう」(コメント)
小飼:そうなんです。乗員がパトロールの期限を決めてるんですよね。
山路:そこがボトルネックなんだ。
小飼:そうそうそう。人間がボトルネックなので。戦略ミサイル原潜とかっていうのは、もう常に打てる状態にしとかなければいけないじゃないですか。だから、同じ船にクルーを2セット用意して、人を丸ごと交代させてパトロールさせてますね。アメリカとかでは。でもそれは置いといて、まずはぜんぜん別物だという、ただの潜水艦と原潜というのはもう全然別物。
山路:なんか使われ方が、運用目的、戦略的な位置づけもぜんぜん違ってくるということなんですね。
小飼:そうなんですよ。ポケモンで言うとミニリュウとカイリューくらい違うんですね。
山路:いきなり『ポケモンGo』で、よけいわかりにくくならないですか(笑)
小飼:まずそれが一つと。で、じゃあどんな国が原子力潜水艦を持ってるのって言ったら、弾道ミサイルを持ってる国なんですよね、核保有国なんですね。じゃあ具体的な国名で言うと、まず持ったのはアメリカですね。次が旧ソ連で今はロシアで、ソ連がバラバラになった時に、ソ連邦でロシア以外のところというのも、港にあったんですけど、たとえばウクライナとか、そういうのはだからロシアに引き取らせましたね。というわけでロシアと中国とイギリスとフランスと。要するに常任理事国五カ国ですね。で、プラスパキスタンと核兵器の持ち合いをしたインドと。だから今この六カ国。
山路:え、パキスタンも持ってるんですか、原潜て。
小飼:原潜じゃなくて、ごめんなさい、原爆です。
山路:ああ、はい。
小飼:パキスタン原爆を持ったので、その仮想敵国であるインドもめでたく、と言うのもなんですけど、
山路:原爆はね。
小飼:でもインドは昔っから、じつは原子炉先進国で、たとえばトリウム炉とかはたぶん世界の最先端なんじゃないですかね。
山路:インドが。へええ。
小飼:まあでも当然のことながら、今まで原子力潜水艦を持ってた国というのは、自分のところで原子炉も運用できてて、核ミサイルも作って持ってたっていう国ばっかりなんですね。ところが今度のオーストラリアの話というのは、オーストラリアには発電用の原子炉がないんです。そういう国がいきなり原潜を持つって「えーっ」ってなりましたね、少なくとも僕は。
山路:そんなふうに原子力技術を持たない国が原潜って運用できるものなんですか?
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