「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2020年02月18日(火)配信その2をお届けします。
次回は、2020年4月14日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2020/02/18配信のハイライト(その2)
- 仮想通貨と税金で怖いのは
- サラリーマンも年末調整をチェックしたほうがいい理由と「ボッタクリ社会保障」
- 税制改正と「税理士目指すべき? 税理士モテる?」
- 「平均年齢65歳」と「よい税理士の見分け方」
仮想通貨と税金で怖いのは
山路:はい、じゃあ引き続きよろしくお願いします。
小飼:よろしくお願いします。
大河内:よろしくお願いします。なんか「ポチった」「ポチった」「ポチった」って、3人います。
山路:ああ、なんかありがとうございます。
大河内:ありがとうございます。
「初めての確定申告なので、ポチる予定」(コメント)
「貴族枠」(コメント)
山路:アハハ。じゃあさっそくというか、税理士、弾さんが税務処理を依頼して、どういうところでお知り合いになったんですか?
小飼:じつはTwitterのタイムラインです。
山路:本当に? 凄え。
大河内:そうですね、そんな感じですね。Twitterで、あれ仮想通貨の時期ですよね。
小飼:そうなんですよ。
大河内:仮想通貨の税金がもう全くわからんみたいな時に、僕がいろいろ発信してて、弾さんがこういう見解は? こういう見解は? みたいな感じで、タイムラインで2人で盛り上がってたという感じ。
小飼:だいぶ前でもないでしょう。わりと最近ですよ。
大河内:17年の夏前くらい。
山路:じゃあ本当に、なんというか、それまで白でやってて、なんか税理士をというのも。
小飼:もうWebフォームがあったので、あれでポチポチやってたわけですわ。
山路:ああなるほどね。
小飼:なんですけども、流石にちょっと仮想通貨絡みだと、流石に僕の手には負えなくなってくるだろうなということで。
大河内:あとまあ仮想通貨絡みのサービスも、弾さん自体が関わっていたから。
小飼:そうそう、関わっていたから。
山路:仮想通貨の頃って、税相談とか凄い多かったんですか?
大河内:いやあ、多かったですね。とんでもなく多かったですね、あの頃。特に1番バブルの時って、皆利益、買えば寝て起きたら利益になっているみたいな。
山路:まさに2017年から18年、18の頭でガクッと下がったんでしたっけ?
大河内:そうですね、18の1月でハッキングが、Coincheckのハッキングがあったので、そのちょっと前は凄かったですね。どうすればいいんですか? みたいなのは、本当に多かったですね。
山路:しかもそういう仮想通貨の扱いっていうのが結局、税金、雑所得扱いになるみたいなところがはっきり決まる前とか、なんか皆が混乱してましたよね。
大河内:そうですね、決まる前ですね。でも結局、税金って何だろう、今も昔も一緒で、得した部分には絶対課税されるから、ということは伝えてましたね。売ったらそれは絶対課税されるし、コインをチェンジしただけでも当然、課税されるしみたいな話は常に、Twitter上では僕はしてたんですけどね。
小飼:そう、とりあえずの考え方としては、仮想通貨ではなくてモノとしてみなすと。
大河内:そうですね。
小飼:だからものだから、モノを仕入れて売ったわけですから、という考えなわけですよね、根本の考えというのは。
山路:それにしても仮想通貨、億り人になったって喜んでも、含み益で1億円超えても雑所得で、それ全部いきなり全部換金するんだったら、雑所得で40パーセントくらいは45パーセントとか取られる?
大河内:ええと、そうですね、住民税と合わせて55パーセントですね。
山路:じゃあ半分以上とんじゃう。
大河内:まあ半分、理論上は半分とぶ人もいるということですよね。でも億り人が全員含み益を、ちゃんと実益に出来たかっていうと、たぶん相当出来てないと思いますね。
山路:それは大量に売ろうとしてやっぱり。
小飼:何が怖いっていうと、損金繰越が出来ないんだよね、今のところは。
大河内:うんうん。
小飼:だから、こういうことです。億り人になりました、ちゃんと利益も確定しました。ちゃんと利益を確定して、その確定した利益に対して、去年は税金を払いました。でも今年は更にそれで仮想通貨を買ったところ、損しちゃいました。これが普通の金融商品であれば、たとえば証券ですとか、たとえば投資信託ですとか、たとえば債権ですとかっていうのは、これ損金繰延が出来るんですよね。そう、だから、今年、下手すると、銀行とかでものすごい業績がわるかった時に、逆に税金貰ってたということがあるじゃないですか。だから、それも税効果会計というやつ。そのまさに、繰延ができるからこそ、そういうことになるわけですよね。
山路:うーん。
小飼:だからどんなに税金、沢山払っちゃっても、その後で損しても取り返せないんですよね。
山路:恐ろしいな、けっこう。儲かった人、ぜんぜん少なそうですよね、そういう話聞くと。
大河内:うーん、まあいろんな意味でそうですよね。やっぱりあんだけバブルだったら売れないし、まだ上がると思って持ち続けて結局損するし。結局、利益になった人も、たぶん2018年同じことやってたら、たぶん皆損になっているわけだから、ずっと下がってたわけですから、そうするとその損失は、え? どことも相殺できないよね。もちろん翌年にも繰り越せないよねという形で、たぶん仮想通貨損、テクノロジーとして捉えてないじゃないですか、その辺りの人。投機として終わったよねとなって、テクノロジーとしても終わったような感じが、空気感として流れちゃってるというような気がしますよね。もう凄くもったいないですよね。
山路:今、あらためてちょっと私なんかブロックチェーン絡みの書籍作ったりとかなんかして、非常に面白いなと、今さらながらに思っているところなんですけどね。今、地味な動きにはなってますよね。ずいぶんあの界隈は。まあでも仮想通貨、結局、私はトータルでマイナス20万円くらいで、さっさと手を引いてよかったかなと(笑)
大河内:アハハ、傷は浅かったと。
小飼:でもですね、笑っちゃうことに、こういう税のプロにお願いしたにも関わらず、僕ぜんぜん動かしてないんですよね。
大河内:そうですよね。
小飼:税金というのは動かして利益が、損益が具現化して、初めてそれを申告して、税金を払いましょう、あるいは払いすぎた税金を戻してもらいましょうという話になるんですけど、その意味ではぜんぜん僕は役立ててないですよね。
大河内:アハハ
小飼:それはもう僕がいけない。ちゃんと、ただ僕の立場からすると、そんなバンバン売り買いしているというのは、とてもヨロシクないんですよね。
山路:まあそうですよね、あの立場だと。アハハ、なんか李下に冠を正さずというか。
小飼:だからその辺をキチッとやってますというのを、税務当局に対して明らかにするという面でもプロにお願いしたわけですよね。
山路:ああ、なるほどな。今、大河内さんYouTuberで税情報を発信したりとか、これっていつくらいから始められたんですか?
大河内:YouTubeはまだ1年経ってなくて、4月くらいですかね、去年の4月くらいからです。
山路:じゃあそもそも税理士になろうと思ったきっかけ、元の大学とかぜんぜん違う。
大河内:ぜんぜん違いますね、もうふざけたきっかけで、僕、芸術学部出身なんですけど、芸術学部でいちおう夢があって、目立ちたいみたいな、そういうことがしたいみたいな感じで芸術学部の演劇学科だったんですけど、行って、夢破れてるというか、諦めて大学を出た時に、就職もしてないので、さあどうする? となった時に、実家は東京にはないので、東京にいるなら家賃も払わんとなと思って、いやいや資格でもとるかみたいなので、税理士を目指したというのがきっかけで。
山路:それでとれたというのが凄いな。
大河内:それはもう奇跡というか、ラッキーですね。日大、そうですね、日大、日芸ですね。だからその時は、まあそれがもう15年位前なので、今は資格取れれば食えるみたいなのって、もうたぶんそんな考え方って古いと思うですけども。当時はまだ最難関国家資格とれば、まだいけるんじゃないかみたいな。夢破れ仕事始めるから、人よりちょっと稼ぎたいなとか、そういう思いもあったので、なんか弁護士とか会計士とか並べて、ああ働きながらは、税理士が1番取りやすそうだな、じゃあこれにしようみたいな、ものすごく安易。
小飼:取りやすい(笑)
大河内:取りやすくなかったですけど、アハハ
小飼:アハハ
山路:アハハ
大河内:ぜんぜん取りやすくなかったですけど、でも人の3倍やれば出来るんでしょ、という思いはありましたね。
山路:なるほど。私の知り合いで別の人も、芸人をやりながら、芸人をやりながら税理士を目指してっていう、結局、税理士になって。
大河内:ああ素晴らしい。
山路:芸人仲間のそういう税務処理なんかを受けるようになってみたいな。
大河内:うんうん、考えはたぶん近いのかもしれないですね。僕もだからその芸術学部というのはあるので、気持ちの中で。
「YouTubeに俳優を目指した経験というのも役に立ってますか?」(コメント)
大河内:役に立ってます、立ってると思います。今、いわゆるビジネス系YouTuberと呼ばれる人たちがいるんですけど、僕もその1人にたぶん数えられているんですけど、皆さんの中で。やっぱり解説するだけなんですよ。
解説するだけなんですけど、でもYouTubeで今光り輝いているオリエンタルラジオの中田敦彦さんは、解説プラスエンターテイメントじゃないですか。芸人の勢いを感じるというか、魂を感じるんですけど、そこに近いことを僕は今やろうとしているんですけど、それはたぶん普通のビジネス系の人は出来なくて、演劇とか芸術とか学んでいるから、ああこっちもいけるかもっていう気持ちは、凄い今あります。だからYouTubeのビジネス系YouTuberの中でも、もう一歩先に行く可能性は、歩んで来た道から今自分には感じているという感じです。だから凄い役に立っていると思います。
山路:そうか、昔だと士業の人が、ちょっと展開、メディア展開しようと思うと本を出すみたいなんが当たり前だった、それに当たるものがYouTubeとかになってきているっていうことだったりするんですかね。
大河内:どうなんですかね、多岐にわたるという感じじゃないですかね。だから税理士もやっぱり士業も、AIにとって変わられる筆頭と言われている中で、若い人たちはたぶん何かしようという思いはたぶんあるんだと思いますよね。僕はそういう思いでやっているわけじゃなくて、やっぱりリテラシー教育がされない日本というのはおかしいよねという思いで、じゃあやっちゃうかみたいな。
小飼:それは凄い思う。僕も恥ずかしいことに、自営してから初めてバランスシートというものを学びましたね。ものすごいシンプルじゃないですか。だから小学生にも教えればついていけますよね。
大河内:ああついていけますよ。簿記、簿記学、簿記ですよね。
小飼:でもなんであれを義務教育で学ばせなかったのかというと、僕はもうあれは陰謀だと思う(笑)
大河内:もう陰謀論ですよね。もうこれは僕はどこにでも行って言ってるんですけども、まさに仰る通りで、教えずにサラリーマンになりなさい、終身雇用で勤めなさいと言って、最後抜き取るというのが、たぶん古く高度経済成長の頃は最高の徴収システムで、でも今そういう働き方じゃないじゃないですか。なので、なんかフリーランスとか自営の人たちにちゃんと教えて確定申告させたほうが、僕は税収増えるんじゃないかなと思うんですけどね。
小飼:借金も財産のうちというのは、あれをみれば一目瞭然なわけですよね。極論してしまえば、バランスシートという概念を持たない人は、借金してはいけないんですよね。
大河内:うんうん。
小飼:だから、あれがあるからこそ、健全な借金が出来るわけですよね。
大河内:確かにそうですよね。借金、そうですね、借金だけになっちゃいますからね、イメージというか解釈がバランスシート書かないと。でも難しいよなでも。
小飼:これってかなり高度な教育を持っている人たちも知らないというのの証拠に、技術的負債という言葉あるんですよね、我々の業界では。
山路:よくTwitterなんかでエンジニアがTweetしてたりしますよね。
小飼:でもあれはどう考えても、負債ではなくて不良資産だろうと。だから資産なんですよ。資産だけど不良なんですよ。だからバランスシートの載っかってるのが、右か左かぜんぜん違いますよね。
山路:うんうん。負債だったら誰かに返さなきゃいけない。
小飼:うん、英語でも同じ言い方をするんですよ。
山路:ああ、そうなんですか、技術的負債という言い方がある?
小飼:Technical debtという言い方をして、てめえdebtが何なのかわかってねえだろうと。
山路:英語でもイチャモンをつける、アハハ
小飼:それはassetなんだと。
山路:それなら首尾一貫してますね。
小飼:Non-performig assetなんだと。ぜんぜん違うじゃないかと。だからぜんぜん知られてないんですよ、もう。もう15世紀の頃には1番、大枠確立していた人類の叡智といのが、ぜんぜん共有されてない。
山路:私、弾さんに勧められた小学生向けの絵本みたいなバランスシートの本を見て、はあ、そういうことかって思いましたもんね。
小飼:疎いんですよね。
大河内:ああ面白い。美しいですからね、バランスシートって。わかると、凄く美しい、作った人天才だと思いますから、簿記とかは。
小飼:藤井太洋先生にいたっては、SF作家で元、今もプログラマーなのかな。SF作家も、藤井太洋先生なんかバランスシートが生まれた時に資本主義が生まれたのだと。確かに資本という概念自体が、バランスシートがなければ。
大河内:確かに、確かにそうですね。そうかも。
小飼:そこまで大事なもので、しかも簡単なわけじゃないですか。もちろん仕分けが絡んでくると途端にキツくなってくるんですけども、概念は凄い簡単じゃないですか。だから全部これは自分が使えるもの、うち人から借りてきているもの、自分で持っているもの。これだけじゃないですか、ねえ。ねえ、だからあんな簡単なことを、でも簡単なんだけども、言われなきゃ自分で思いつけるかっていうと、ぜんぜん思いつけないわけだよね。そういうものこそ教育が1番効果があるところじゃないですか。
大河内:ああ、そうですね、確かに。
山路:これコメントで「その本の名前教えて」。『国語 算数 理科 しごと』ですね。
小飼:そうそうだと思う。そうだね、減価償却はそこ、やっと掛け算が入ってくるというね。
山路:ちなみに藤井太洋さんは、人間の脳みそっていうのは簿記を、バランスシートを処理するための半導体として、本体はバランスシートのほうなんじゃないかと(笑)
小飼:そう、知性体はバランスシートって。
山路:なんか生物が遺伝子の乗り物であるかのように、バランスシートを処理するための、なんかミームを処理するための機械にすぎないみたいなことを。
大河内:そのために存在している。
山路:「やべえ、この人」と思いましたけど。
大河内:面白いですね。
サラリーマンも年末調整をチェックしたほうがいい理由と「ボッタクリ社会保障」
山路:ただそういうふうに今の資本主義って、ちょっと動いているような気もするから、不思議な、それもむべなるかなという気はするんですけどもね。今、確定申告、そろそろ真っ盛りなんですけれども、まず最低限、税金に関して、これはちゃんと知っておこうよみたいな、これだけはまあ知っておこうよみたいなこととかを。
大河内:どうなんですかね、視聴者の方は。
山路:サラリーマンの方も多いと思いますね。
大河内:サラリーマンの方が多いですかね。じゃあサラリーマンはまず、年末調整で何が起こっているかは知っておいたほうがいいと思います。なんか紙出して。
山路:あれは結局何をやっているのかと。
大河内:そうそう、生命保険料出してって言って、先輩が見様見真似で出してみたいな。
小飼:逆に僕わかんないんだよね、年末調整は。妻がやってるけど、僕はずーっと。
大河内:じゃあ喋ったほうが良さそうですね。
小飼:だからサラリーを受け取っていたこともあったんですけども、確定申告必須のサラリーだったので。
大河内:ああ、そうか、結局そこで精算されるね。
小飼:そうなんですよね。年末調整できないです。あまりに高給取りなんで、じつは。
大河内:だからまあ年末調整は自分の税金がそこで決定しているんですよね、サラリーマンの方々はね。だから確定申告しなくていいんですよ。でも税金が決定しているっていうことは、誰かが計算しているわけじゃないですか。当然資料を出しているから会社が計算してくれる、でもその会社の人たちって、当然リテラシー教育を受けてない人がその会社の経理部に配属されているわけだから、じゃあ100人の税金計算やった時に当然、人的ミスが起こる。
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