「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2019年12月10日(火)配信その1をお届けします。
次回は、2020年2月4日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2019/12/10配信のハイライト(その1)
- 「吸うカフェイン」と「子供が安心して家出できる先」
- 『アナ雪2』のステマと地方自治体のデータ障害と漏洩
- ハードディスクのセキュリティについてエンドユーザーができること
- 政府で1番ヤバい壊れ方をしているところ
「吸うカフェイン」と「子供が安心して家出できる先」
山路:まあ相変わらず、今日の話題もどんよりしてますね。
小飼:はい、そう、明るい話題1つくらいお願いっていいますけども、むしろこちらがお伺いしたいくらいなので、もう公募します。任意のタイミングでコメント欄に書いて下さい。
山路:明るい話題。
小飼:「シンクライアント」方式で。
山路:アハハ、ある意味大丈夫じゃねえよっていう、とりあえず空元気の出る軽い話題から行きますかね。吸うカフェインが。
小飼:吸うカフェイン……。
山路:発売されることに。
小飼:ニコチンじゃなくて。
山路:そうそう、カフェインを気体状のカフェインのカートリッジを吸う商品というのが、JTから発売されるそうなんですけど、私ちょっと欲しいとか思っちゃったんですけども。
小飼:でもああいうものってさ、どれくらい安全性テストしてるんだろうね?カフェインってけっこう過剰摂取で、心臓止まっちゃう人、けっこう出てますよ。日本じゃわからないけど、けっこうアメリカではポコポコ、うん。
山路:日本でも時々事件になりますよね。コーヒーとかエナジードリンクだったらまだ物理的な限界というか、腹がいっぱいになっちゃうけど、気体で吸ってこれって、なんか、なんかあったりする。
小飼:そう、吸うには吸うだけの理由があって、分子量が低いもので、神経に効くものというのは、もう鼻から摂取するというのが、まあ1番効くわけですね。だからキメるという言葉も出てきているわけですけれども。
山路:でもこれカフェインとかって、まあ弾さんもそうとうコーヒー好きじゃないですか、あれってカフェインの依存症みたいなものっていうのはないんですか?
小飼:いやあるにはあるけれども、まあまずニコチンよりはずっと弱いと。致死量も、その辺の抗精神薬に比べれば、高くないと。まぁでも、あくまでも比較の問題ですからね。
「医療関係者ですが、カフェインは強いですよ」(コメント)
「コナン君とかで使えそう」(コメント)
山路:コナン君は眠らせるほうじゃないんですか(笑)。
小飼:カフェインってどの程度ですかね? 弱いとは思わないけれども。
山路:いやなんか1つのカートリッジでけっこう、あれ? 何百回とか使えるみたいなやつだったかな。何十回じゃなかったかな、ちょっとすみません、ニュースのリンクをまた確認しておいて下さいというのがあるんですけど。コーヒー飲む程度、マジですかそれ。
小飼:あのですね、眠る時間が調整できるというのは、効いたみたいです。だから昼間にガツンとコーヒーを飲んでおくと、ちょうど眠くなる頃にカフェインも切れて、よく眠れるというのは誰か言ってたな。それ正しいかな? 医療関係者の方が今日いらっしゃるみたいなので。
山路:だけど寝る直前に飲んだら、20分30分くらいで効いてくるわけですよね、カフェインってだいたい。さすがに睡眠浅くなるんじゃないかと。
小飼:でもあれかな、ここ数年はカフェインの摂取も減ったと思う、僕。
山路:弾さん自身がっていうこと?
小飼:確かに夜寝るようになったので。
山路:アハハ、それは凄い昼間歩いて疲れてるからじゃないですかみたいな。
小飼:どうなんだろうね、そこは。
「ジフェンヒドラミンを飲んでよく眠った」(コメント)
山路:ジフェンヒドラミンって何なんですか? これって睡眠薬なんですか?
小飼:ええと何だっけ? 何だっけ? すぐに思い出せない。すぐに思い出せない。そういう時はちゃんとググってしまいますね。
山路:もしかしたら眠剤なのかな? ジフェン…ああ痒み止め。
小飼:ああ、なるほどね。眠くなるタイプの抗ヒスタミン剤ですね、これは。そうだ、どこかで見たと思った、はいはい。
「ドリエルとかの成分」(コメント)
「GABA入りチョコレートって効くのかな」(コメント)
小飼:どうなんでしょうね。
山路:最近健康食品を調べた記事っていうのが出てて、あんまりぜんぜん効果ねえよって。
小飼:うん、あんまり効かねえだろうなっていうのも、それは我々の身体っていうのは、もうこう言っちゃなんですけども、40億年かけていろんな化合物を代謝できるようになったわけで、なるべく毒というのはそのまま受け付けないだろうし、薬というのか、栄養にしても急激には回らないようになっているけども、でもそれでも隙だらけですよね。たかだか一酸化炭素でコロッとやられちゃいますからね。
山路:それはなんか進化上のバグみたいな。
小飼:はい。
山路:じゃあちょっともう1つ軽い話題というか、これはもしかしたら軽い話題じゃないのかもしれないけれど。
小飼:なんか凄いな、もう今日の放送、地雷だらけな気がするけど。
山路:これ女子中学生が誘拐容疑で、まあその。
小飼:女子中学生が誘拐したの?
山路:いやいや誘拐された。
小飼:ああ。
山路:女子中学生を誘拐したという男が逮捕された。
小飼:誘拐ではなくって、本人が言うには家出した女の子を匿っていた。
山路:保護してたっていう。個室を与えて、不動産の勉強とか学校の勉強をさせていたみたいな話は、ある意味これも美談ではないと思うんですよね、決して。なんというか、うーん、そこんところは自分の会社で使うためって。
小飼:でもあれだよな、子供が安心して家出する先ってないよな、昔も今も。僕も家出少年だったけれども、はい。
山路:なんかNGOとかでそういうのを頑張っている団体とかもあったりはしますけども。
小飼:でもNGOだってあれなわけですよね、それで家出してきた子供を匿って、親が返せっていうふうに言われたら基本返さないとあれなわけですよ。未成年略取になっちゃうわけですよ。
山路:逮捕されちゃうことにもなりかねないということですよね。
小飼:そうそう。
山路:これって、でも日本だけの問題でも。
小飼:日本だけの問題じゃないです。アメリカって本当に家出少年少女だらけで。
山路:へえ。もう露骨に多い?
小飼:露骨に多いです。露骨に多いから、子供探してますっていうのをミルクカートンに印刷したりもするわけですよ。わりとカジュアルに子供が家出したり、行方不明になったりもしますよね。
山路:これっていうのはもうなんか先進国、発展途上国問わず、ある意味なんというか必然的に起こってしまうこと、それはもうどうしても起こり得てしまうことなのかな。
小飼:ゼロにはならんでしょうね。虐待する親というのもゼロにはなかなか出来ないだろうし。
「親の権利強すぎる」コメント)
小飼:そうなんですよ。でもそれと表裏一体なんですけども、親の義務というのもやたら強いですよね。
山路:扶養義務っていうこと?
小飼:そうそう。
山路:教育を与えなきゃいけない的なこととか、それを。ああ弾さんがつまり言うのは、言ってみたら個人で全部その義務を負わなきゃいけないことが日本は多い。
小飼:日本は多かれ少なかれそうだけども、でも日本は特に強いですよね。親は、両親は結婚してて当たり前。片親に対する補助というのもロクに出ないと。
山路:片親になると途端に貧困に転落してしまうみたいな。
小飼:そうそう。
山路:いや、なんかそこのところっていうのはもっと、片親の支援とか、社会制度のところでなんとか出来るんじゃねえかなという気がするんだけどな。
小飼:まぁただ極端な例でいうとね、もう親から子供を国が取り上げるという風に言うと、クメール・ルージュという面もあって。
山路:それはまた、怖い例が出てきましたな。
小飼:やっぱりね、これ親にとってもプランBが欲しいところなんですよ。親が本当に、親として破綻しているというふうに、要するに降伏宣言をしちゃった場合に、公的機関が引き取ってという。
山路:熊本のほうの病院で最近、匿名での出産を可能にするということを始めたそうなんですよね。それもたぶん論議呼ぶとは思うんだけど、それこそある意味ギブアップした親とかを救済する仕組みで、私自体はそれは凄くいいというか、なんかその病院は勇気あるなと思いましたけどね。
小飼:いやでもねえ。でも、もしそういうとこに気がつく国民だったら、もうこれだけなんというか、ねえ出生率が下がるっていうこともなかったろうしね。出生率の下がり方を見ればわかるんですけれども、いわゆるまともな家庭、両親もちゃんと婚姻して、婚姻したまま子供を持ってというところの出生率っていうのは下がってないんです。そうなる人が減ってるだけで。
山路:そのお母さんになる人が減ったけど、お母さんが産む子供は減ってないという。
小飼:そう、だからお母さんになるためには、まず嫁になるというのが、この国では常識なんですね。
山路:なんか全部繋がっちゃってるんですよね。なんかそれぞれのところが。
小飼:そう、だからリンクが一箇所でも切れるともうアレなわけですよね。マターナルトラックから外れちゃうんですよね。
山路:あれってなんかソロモン言ってる方、荒川和久さんの言ってた。そもそもお母さんが産む子供の数自体は減っていないというやつですよね。
小飼:そうなんです。
「社会がどこまで受け入れる余裕があるかっていう感じがする」(コメント)
山路:うん、まあそうなんだけど、まだ日本って余裕のある国なような気がするんだけどな。
小飼:いや、でも急激に悪く、人口は急激に減りますよ。もうこれからもう凄い人口ピラミッドは頭でっかちになって来てますけれども、無限に寿命があるわけじゃないですから。
山路:ただまぁ国富というんですか、そういうところってなんかもう、言ってみたら破綻寸前というわけでもないじゃないですか。
小飼:ではないですね。だって、ずーっとマイナス金利が続いてて、大きなお金の場合ですけどもね。今日のニュースで、久しぶりに0パーセントになった、上昇して0パーセントになって、上昇して0パーセント。
山路:アハハ、金利が。
小飼:うん、金利が、はい。
『アナ雪2』のステマと地方自治体のデータ障害と漏洩
山路:じゃあもう1つちょっと社会の方で、これももしかしたらなんかでかい話なのかな。『アナ雪2』見ました? 弾さん。
小飼:ああまだ2は見てないですね。なんかステマが云々っていう。
- 「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」に関するお詫び|企業情報|ディズニー公式
- アナ雪2ステマ騒動は連絡ミス、日本ディズニーが釈明。「コミュニケーションに行き届かない部分」 - Engadget 日本版
小飼:ずっと前からやってたと、はい。
山路:ただ何というのかな、ディズニーとかクラスの、言っちゃなんですけども、『アナ雪2』って別に宣伝しなくても、もうヒットしそうなもんじゃないですか。なんかここまで、こんなコセコセとステマをして、バレてそれで大騒ぎになるということをやっている理由がわからんという。
小飼:でもまあディズニーというのは、昔話のパクリで大きくなってきた会社ではありますから、とてもディズニーらしいとは思いますよ。
山路:アハハ
小飼:はい。それだけじゃダメだというんで、どっちかというとオリジナルストーリーをずーっと出していたPixarを買収したということじゃないですか。それはちょっと言い過ぎ? エヘヘへ(笑)
山路:しかし『アナ雪2』とかね、ちょっと私自身も映画見てないから、あの。
小飼:そうなんです、2はまだ見てない。
山路:作品自体についてはなんとも言えない。
「本社はどう思ってるんだろうね?」(コメント)
小飼:Let just marketing go.っていうことなんじゃないですか、アハハ
山路:それはマーケティングに任せよう。
小飼:いや、だから、Let it go.ですよ。
山路:Let it go.アハハ、こういうのってでもステマとかって、アメリカのほうが厳しいんじゃないのっていう印象があるんですけど。
小飼:筈なんですけどもね。でもわりかし、米国企業というのは米国内でローカル法に違反してない限りであれば、わりとグイグイ押すじゃないですか。Double Irish dutch sandwich(注:節税スキーム)の世界ですよ。
山路:え? ダブリュー?
小飼:だからオフショアを使えば節税できると。
山路:これ今日の話題にちょっとずつ関わってくるかもしれないんですが、IT絡みのやつ、今回多いんですけれども、その本題のやつ。
小飼:はい、イット(IT)絡み。Let it go.
山路:(笑)
小飼:もうLet it go.というよりも、Let it be.になりつつあるけど、まあいいや。
山路:この自治体のこれは、これって読み方いまだにちょっとわからないんですけども、IaaSの場合は、Infrastructure as a Serviceの場合って、略語ってこれ何と読めばいいんですかね。イアースかな。そういう自治体向けのこういうサービスを使っていたところのやつが障害が起こりまして、全面復旧が。
小飼:そうそう。
山路:ぜんぜん目処が立たないという、一昨日が。これってでも凄くないですか? っていうかこの事件というのが、原因というのが正確なところはよくわかってなくて、とりあえず今の段階ではDell製のストレージのファームウェアに原因があったみたいな。
小飼:だからファームウェアのバグっていうのは、これ本当に1番勘弁して欲しい、そうそうSSDもだから、SSDって滅多なことじゃ死ななくて、僕も寿命まで使い切ったやつってないんですよ。基本寿命があるとはよく知られているんですけども。
山路:数万回とかの書き換えでしたっけ?
小飼:ああ、まぁそれはセルの種類にもよるんだけども、数万回というよりは、累積書き込みバイト数でみるんですけれども、今はペタバイトとかのオーダーになってて、普通に使ってれば他の部分が先に壊れるというものでもありますし。
山路:可動部分ないですもんね。
小飼:可動部分ないですから、じつはどれくらい強いかって言うと、可動部分のない回路っていうのは、樹脂とかで固めちゃうと大砲で打ち出せます。
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