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別冊 club Zy.[vol.13] 有村竜太朗

2013/12/20 19:00 投稿

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昨年はデビュー15周年を記念した活動を精力的に行ってきたPlastic Tree。12月に最新アルバム『インク』を3Styleでリリース。1月末からは、同作品を手にした全国ツアー"Plastic Tree 2013冬ツアー「インク」"がスタート。3月には、東京キネマ倶楽部を舞台にした、一週間連続公演"Plastic Tree 東京キネマ倶楽部 一週間公演「裏インク」"の開催も決定している。今回はバンドを代表しヴォーカルの有村竜太朗に、"15周年"にまつわるいろんな話を伺った。

撮影:菅沼剛弘 / インタビュー:長澤智典(サポート:斎藤碧)
Photographs by Takehiro Suganuma / Interview by Tomonori Nagasawa(support:Midori Saito)
[2012年9月掲載]

矛盾だったり多少の葛藤だったりは、うちらも人並みにあるんですけど。それでも演ってるのは、「バンド演ってるのが好きだから」ってことじゃないですかね。

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――昨年は、取材でも散々"15周年"について語ってきたそうですね。
竜太朗 15周年に関しては、相当聞かれました。まぁでも、自分たちで言い始めたことですからねぇ。

――質問されるたびに、いろんなことを思いだす機会にはなったんじゃないですか?!
竜太朗 なりました。発言も、聞かれた内容によって変わりますからねぇ。とにかく、意味のある15周年にしたかったんで。

――活動を続けていく中、区切りや節目はあったほうが、バンドにとってもいい表現のモチベーションになっていくことなのでしょうか?!
竜太朗 そうですねぇ。長く演っていると……前は、デビュー10周年ということもやっていたので。そういう節目の時期って、今まで自分たちがやってきたことを改めて見直せたりとか。。。見直せたことによって、「次、こういう風に活かしたらいいんじゃないかなぁ」というヒントを得たりもするので。
 バンドの性格的には、あまり振り返るタイプじゃない…日々の連続性を大事にするタイプだったから。なんか今は、こうやって長く演ってきたぶん、自分たちの活動を振り返ることで、自分たちのバンドのことを再認識するっていうのは、すごく大事な作業にもなっていました。

――そういう節目の時期って、メンバーが…というよりも、まわりの人たちが"○○周年"だからと自覚させていきますからね。
竜太朗 ありがたいことなんですけどね、それは。でも、メンバーもスタッフも、ファンもそうだと思うんですけど。長い時間を一緒に共有してきたことは、すごく意味のあることだと捉えています。

――Plastic Treeのメンバーにとってバンド活動を続けていくことは、今や、日々の生活の中へ当たり前にある感覚じゃない?!
竜太朗 そうですね。そこは…演ってる意識は、バンドを始めた頃とあんま変わらないんで。むしろ、こんだけ長く(バンド)活動を演っていると、活動してないことのほうが不自然ですからね。

――長く活動をしていく中、楽曲を作り続けてくうえでの苦悩や葛藤が生まれたりもするのでしょうか?!
竜太朗 そこにも、矛盾はありますけどね(笑)。

――えっ、矛盾ですか??
竜太朗 こんなにズーッと曲作りを続けていると、たまーに「何故、曲を作る?」みたいに思う気持ちも出ますけど。そう思っても、何故か演っちゃう(曲を作ってしまう)から。

――結局は好きなんですよね、創作活動というものが。
竜太朗 そうですね。もともと時間って限られてるものだし。だからやっぱし、「今、自分たちにしか出来ないことがあるなら演っておこう」と思ってしまう。その気持ちがあるからなのかなぁ?

――その意識は大きいんじゃないですか?!
竜太朗 「こういう発想、また次があるかなんてわかんないし」とか、そのときのモチベーションもあるし。なんか…そのときのバンドの感覚だからこそ作れそうなものは、ちゃんと作品に残したい。そういう気持ちも大きいんでしょうね。

――メンバー内でも、その時々のテンション次第でモチベーションの差が出てくるときもあるかとは思うんですけど。その辺は、どう上手くバランスを取っているのでしょうか?!
竜太朗 矛盾だったり、多少の葛藤だったりというのは、うちらも人並みにあるんですけど。それでも演ってるのは「バンド演ってるのが好きだから」ってことじゃないですかねぇ。
 でも、うちのバンドに関してはテンションの差っていうのはないですね。もし、バンドを進めてくうえでのテンションの差があったら。「あっ、もう(テンションが)同じじゃないんだなぁ」となっちゃったら、自然とメンバーは離れていってるんで。現状活動しているメンバーは、もちろん。その時々に活動していたメンバーも、一緒に演ってる時点では一切の疑問やテンションの差はなかったです。

――ドラムのケンケン以外の3人は、もう付き合い長いですもんね。
竜太朗 長いですね。なんかあまり……モチベーション的な意味での、そういう(心の)疾患を抱えて演っていくようなことは、今のところはないですね。もちろん、演り続けていれば、いろんなものが出てくるとは思うんですけど。


なんか、「ずっといいものを作れるバンドだといいなー」というのがあったんで。
――15年間(インディーズ時代を入れると、もっと長く)コンスタンスに作品をリリースし、全国ツアーを行ってということを繰り返してこれている。その"当たり前を続けていける強み"がPlastic Treeの魅力だと思います。世の中には、当たり前を続けたくても続けられないバンドたちって数多くいますからね。
竜太朗 そこには、いろんな理由がありますからね。まぁうちらに関しては、何時も変わることなく演ってるだけですけどね。バンドを組んで以降、ずっと曲を作って、ライブを演って、また曲を作って、ライブを演って。たまにメンバーが変わって。そんだけですよ。

――その単純な繰り返しの中にも、いろんなことがあるんじゃないですか?!
竜太朗 まぁ、そうですけどね。やっぱ、産みの苦しみみたいなものはありますけど。でも、ライブ演ってんの好きだし、曲書いてるの好きだし、PV撮ってるのも好きだし。要は「物を作るのが好きなんだな」って思います。

――その本質をズーッと変わらずに持ち続けていることが、Plastic Treeの持ち味だもんなぁ。
竜太朗 うーん、そういうのあまり考えたことないんですけど。「このバンドだったらこうしたいな」って気持ちで(曲制作や活動へ)向かっていることだけは、昔から変わんないですね。

――音楽以外での刺激を自分に取り入れようということを、日々の中でもやったりしてるんですか?!
竜太朗 「それって、個人的に何かへ熱中するってことですか?!

――はい。
竜太朗 うーーーーーん、昔はバンドって、自分にとっては宗教に近いものがあって。なんかもう(僕の)全部の意識をバンドが支配していたんですね。今も、それに近い感覚はあるんですけど、昔ほど「バンドがすべて」ではなくなったというか。「バンドしていることが当たり前」になった気がします。Plastic Treeがあるのだって、当たり前のことだし。

――確かにね。一つ聞いてもいいですか?!
竜太朗 どうぞ。

――Plastic Treeの場合、15年前にメジャー・デビューして以降、ズッと音楽を飯の種にして生活してきてますし。それで、いろんな人たちの生活の面倒だって見ているわけじゃないですか。
竜太朗 そうっすね。でも、そこがすごく大事なとこな気もしますからねぇ。なんて言うんですかねぇ…?自分でも上手く説明するのが難しいんですけど…。好きで演ってることだけど、でも同時に仕事として成立してないと、基本的にはバンドも守れなければ、したいことも出来なくなる。もちろん、その規模によってというのもあるんですけど。俺、このバンドを組んだときから、そういうのは何時も付き物の世界と思ってたから…。
 メンバーやスタッフも含めた、バンドの生活を守るためだったりというのは、やっぱありますよね。だからこのバンドを組んだときから、あんま刹那的なバンドにはしたくなかったし。なんか、「ずっといいものを作れるバンドだといいなー」というのがあったんで。  


 

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