さて、この「90年代なかば」という時代は、いま起きているさまざまな問題の起点 となっているようだ。たとえば1月のギョーザ事件。日本冷凍食品協会のデータによると、75年ころから伸びてきた業務用生産量は97年をピークに以降暫減 傾向となっており、かわってこのころから家庭用生産が伸びている。それと同時期に伸びてきたのが事件のギョーザのような「調理冷凍食品」で、その主要な生 産国が中国だ。
農山村に向かった若者のひとりであり、有機農園も併設する熊本の病院で管理栄養士として働く女性(35歳)から、こんなメールが届いた。
「95年、私は大学1年で、スーパーでアルバイトをしていました。当時、冷凍食品というと、お弁当の定番のおかずの座をすでに獲得していましたが、お惣菜 まで冷凍食品を使うという感覚はあまりなかったように思います。冷凍食品が飛躍的に売れるようになったのは、ドラッグストアが薬屋ではなく、『食品を扱っ ていて、かたわらで薬も売る』という形態になり、毎日『4割引』で売られるようになってからではないかと思います」
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