『メタルフォーミングのプロフェッショナルエンジニアリングカンパニー』篇では、工場内で穏やかな笑顔の外国人男性が、製品を大事そうに持ちながら、長倉製作所の長すぎる謎の通称「メタルフォーミングのプロフェッショナルエンジニアリングカンパニー」を連呼し、会社を紹介。
『ロゴマーク』篇では、敷地に立ち並ぶ社屋をバックに外国人男性が、長倉製作所のロゴを異常なくらい丁寧に説明。どう見ても「X」にしか見えない部分が「A」であることや「A」の中に「gakura」が隠れていることなど、ロゴの独特の造形を満足げに紹介していきます。
『SNS』篇では、外国人男性が役員室のような部屋で、グローバル企業ならではの規模とSNSへの取り組みについて解説します。社員数が海外通算で2,000人以上である一方で、SNSのフォロワーが6人しかいないという物悲しさを、象徴的なライティングの中で語っていきます。
採用特設サイトやYouTubeではこの他にも、『ホームページ』篇(30秒)、『設備紹介』篇(30秒)も公開されています。
CM公開にあわせ、JR沼津駅には自虐ネタを表現したOOH広告も出稿。「フォロワー6人しかいません。」という切ないSNS投稿風コピーに対して、強引に「なにはさておき正社員募集中!」と告知。見た人がどんな会社か気になってしまうキャッチーな広告になっています。
また、採用サイトもリニューアル。新採用サイトのTOPページでは、思わず読むことを諦めてしまいそうな約1000文字の会社紹介が表示されるものの、「なにはさておき、技術は世界品質。」とまとめ、同社の製品の強みや従業員へのインタビューを紹介し、求職者へ魅力をわかりやすく伝えています。
どのクリエイティブも「業種がニッチすぎて興味を持ってもらいにくい」という課題を逆手に取り、これまで長倉製作所が伝え方に苦慮してきたが故の「迷走」がネタとして見事に表現されています。認知や興味関心を訴求するために自虐を有効に活用したコミュニケーションとして参考になる事例です。