南アジアのバングラデシュでは、増え続ける降雨量に伴う洪水によって毎年約6万9000ヘクタールほどの農業用地が失われています。これは一次産業が盛んな国において甚大な被害を及ぼし、多くの農業関係者が苦しむ社会問題にまで発展しているのです。そんな中、河川に投げ捨てられるゴミの量も毎年増え続けており、今となっては1日7万3000トンものプラスチックゴミが不法投棄されているというデータもあります。この状況を受け、現地の大企業MGIはプラスチックゴミを利用して農民の労働環境を改善するというWin-WinなCSR事例を実施しました。
“Plastic Farming(プラスチック農業)”という施策では、まず河川に浮いているペットボトルゴミを回収。そのゴミをクリーニングし、加工することで水の上に浮く簡易的な農地を作り出し、それを浸水によって仕事を失ってしまった農民たちに配るという施策です。
簡易農地の作り方講座を開いたり、僻地に住んでいる人であっても真似できるように手順を動画で配信するなどしてバングラデシュ中で苦しむ人々の生活を支えようとした施策は、経済活動の活性化を行いつつ河川の環境改善をも成し遂げた事例として多くの注目を浴びました。
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