同社はこれまで国内の広告やデザインを制作・監修してきた、サイバーエージェント出身の2人からなる企業。AIの生成やアルゴリズムの開発・設計に携わってきたことから、今回のAIによるグラビアアイドルの開発に着手したといいます。複数のキャラクターを作成するのではなく、「藤原れい」という同一キャラクターの開発を続けてAIに学習させることで、より人間に近いクオリティを目指しています。
「藤原れい」は2023年5月8日にInstagramデビュー。1日数百人のペースでフォロワーが増え続け、6月中旬には1万人を突破。フォロワーや閲覧者のほとんどはAIであることに気がついておらず、応援のコメントやDMが相次ぎ、インスタグラマーとして美容クリニックやパーソナルトレーニングなどのモデル依頼、芸能事務所などからのスカウトなども止まないほど注目を集めています。
さらに同社は、批判の的になりかねないことを承知の上でAIであることを隠してきたのには「社会への警鐘」という側面も。今後、AIの技術が上がるにつれ、悪用されたり、犯罪に使われたりする可能性も十分ありうることから、AIの魅力だけでなく「騙されるという危険性」も伝えていかなければいけないというメッセージも込めて、あえてAIであることを隠した発信を始めたということです。
こうした背景の中で生まれたAIグラビアモデル「藤原れい」。今後は、AmazonのKindleブックペーパーでの写真集の発売(11月12日発売・2950円)を皮切りに、同社が手がけるスキンケア商品のモデルにも起用予定とのこと。さらに動画コンテンツとして発信していくことも視野に開発を進め、まずはバーチャル空間(メタバースやWeb3)に登場し、仮想空間に実在する人物のように動きだしたり、会話をしたり、ということを想定。将来的には、ファッションショーのランウェイに登場することも夢ではないとしています。