今回の「スマイルボール」の販売は、今年4月に農業総合研究所とハウス食品グループ本社が締結した資本業務提携契約による、初の本格展開となります。10月27日(金)から一部のスーパーマーケットにおいて数量限定で発売予定です。
「スマイルボール」はハウス食品グループが10年以上にわたる研究でつくり出した、生でそのまま丸かじりしても、辛みがほとんどないタマネギです。タマネギと涙の関係を解き明かしたハウス食品グループの研究は、2013年のイグ・ノーベル化学賞(ノーベル賞のパロディーとして「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられる世界的な賞)を受賞しています。
「スマイルボール」は、生で食べる際でも、水にさらす必要がありません。調理の手間が省けるだけではなく、栄養成分の流失も抑えることができます。生で美味しく食べられるので、サラダに最適です。一般的に生で使われている新タマネギの旬は3月~5月の春とされており、この時期を過ぎてしまうと、流通するのは辛いタマネギばかりとなります。しかし、「スマイルボール」の旬は9月末~1月末。「スマイルボール」なら、これまで春だけの楽しみだった生タマネギを用いたメニューが、秋や冬にも楽しむことができるのです。
今回の「スマイルボール」の販売で、農業総合研究所は大きく2つの役割を担います。一つ目は、小さいサイズの「スマイルボール」のブランディングです。今回の販売で取り扱うサイズは、S、M、Lサイズの展開となっていますが、そのなかでも小さいサイズのタマネギは売れ行きが落ちると言われるものです。しかし、当然ながら味や鮮度で劣っているわけではありません。そこで、「プチ」と名付けた小さいサイズのものを、「スマイルボール」ならではの魅力の発信を強化しています。小さいサイズの新たな価値を知ってもらうため、裏面には「プチ1玉でちょうど1人前」となる「プチの輪切りサラダ」のレシピが掲載されています。
二つ目は、すでにある販売網の活用です。農業総合研究所は全国のスーパーマーケットを中心に、産直農産物を展開してきました。今回、その長年培ってきたスーパーマーケットでの農産物販売網を活かして、「スマイルボール」を販売。従来の「規格品」「規格外品」とは異なる価値を見出し、ブランディングすることで「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」というビジョンを実現していくとしています。
タマネギといえば、その特徴となる「辛み」。これを減らすことで、調理時の涙や水にさらすなどの手間が省けるほか、栄養素の流失も防げるという新しいタマネギの価値を創造しています。それにより、「辛み」が苦手だった層や調理の省力化によって積極的に食事に取り入れようという需要の掘り起こしにつながります。また、規格外のものも販売の工夫によって、選ばれる商品にブランディングし、フードロスの課題解決にもつなげています。