このプロジェクトのはじまりは、冷凍餃子の底面がフライパンに張り付いた写真付きの “油いらないって!!書いてたじゃん!!嘘つき!!”という投稿。それを受け、同社は「フライパンを提供いただき、研究・開発に活用したい」と返答し、翌月にはその結果を報告しました。さらに、引き続き最適な調理条件を研究すべく、SNSで「ギョーザ」が張り付いてしまうフライパンの提供を呼びかけました。
その結果、3日間の募集で集まったフライパンは、全国47都道府県から総計3,520個。プロジェクトサイトでは提供されたフライパンの3Dモデルをデジタルアーカイブとして公開し、大きさや厚み、重量などの情報も“フライパンの履歴書”として記載するほか、プロジェクトに連動した「note」で、検証の進捗を報告する記事を更新していく予定ということです。
さらに、プロジェクトサイト公開同日には、日経新聞にて全面広告を掲出。送られてきたフライパンをメインカットに使用し、“永久改良”という強い言葉で、フライパン送付の感謝と思いを示しています。
2020年には「冷凍食品は手抜きである」というネガティブな投稿に対し、担当者が「冷凍餃子を使うことは手抜きではなく手“間”抜きですよ」と反応。「#手間抜き論争」として話題を集め、同社の冷凍食品が好意的に捉えられる契機となるなど、積極的に消費者と向き合ってきた同社。
「フライパンに餃子が張り付く」というSNS上でのネガティブな声に直接反応することは、ブランドにとってリスクと捉え躊躇してしまうこともありそうですが、わずか3日の募集で3500個以上ものフライパンが集まること自体が商品への期待のあらわれであり、ネガティブな声にも真摯に耳を傾けてきたからこそ。消費者との対話を大切にし、その過程や結果も公開するという透明性の高さからも、商品開発にかける本気度を感じさせます。
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