消費者庁の報告書によると、ステルスマーケティング(ステマ)とは、SNSやインターネット広告では広告主が自らの広告であることを隠したまま出稿する広告を指します(※1)。インターネット市場は年々大きくなり、ステマによる問題がより一層顕在化していることを受けて、日本弁護士連合会が2017年2月16日付けで「ステルスマーケティングの規制に関する意見書(※2)」を公表しました。
これまで日本国内では、法規制の整備が不十分であることから、表示内容に優良誤認・有利誤認がない場合は、景品表示法において、ステマを規制できない状況でした。しかし、2023年10月1日のステマ規制開始により、広告出稿を行う場合は、一般消費者が広告と認識できる表示が必要となり、第三者に宣伝やPRなどを依頼する場合も、金銭授受の有無にかかわらず同様に規制されます。そのため、商品貸し出しのレビュー記事なども今後規制の対象となる可能性があります。そして、規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)となっています。
アフィリエイト広告では、アフィリエイトサイトへの掲載内容はサイト運営者に委ねている部分も多く、掲載ルールを明確にすることと、定期的に掲載内容チェックを行うことが大切となります。また、アフィリエイトサイト内の記事は、消費者自身も広告だと認識しているケースもあり、意図的に特定の商品を強くPRしたり、購入を煽ったりする記事は消費者からも怪しまれて逆効果になることもあります。そのため、消費者庁からも告示のあった指針(「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」)を広告主はもちろんのこと、媒体運営者も意識する必要があります。
提携サイトの広告表記チェックには、問題のある広告表現やユーザーに不利益となり得る誤った表現を回避でき、かつ、広告掲載状況を可視化できるといったことがメリットです。インタセクトの「WebAegis」は、アフィリエイト広告だけでなく、さまざまなWEB広告の表記チェックに対応するサービス。とくにアフィリエイト広告では、単純にNG表記を見つけて指摘するだけでなく、そのNGをどのように変更すると広告効果を上げられるかの指導を合わせて行ってくれます。
ステマ規制に違反をした場合、景品表示法の不当表示違反に該当するため、一般消費者へ広告である事実を伝えること、再発防止策の策定、次回以降ステマを行わないことなどを措置命令として出されることになりました。また、必要な措置を行わない場合は、投稿した第三者は処分されず、広告主である事業者に対して2年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方が科されます。さらに、企業イメージの失墜や顧客離れにつながる恐れがあるなど、ステマ規制への違反による代償は大きいものとなります。
知らなかったでは済まされない法規制、あらためて関連資料を確認し、違反しないように心がけたいものです。また、お任せできるサービスで運用の温度感を知ることや、自社でチェックする便利ツールを活用することも視野に、さまざまな対策を講じておくことが必要となっています。
・※1参考資料:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。(消費者庁)
・※2参考資料:ステルスマーケティングの規制に関する意見書(2017年2月16日 日本弁護士連合会)