まず、この商品の社会的背景として、現代は情報過多によるストレス社会であり、“なにもしない、をあえてやる”「余白時間」を入浴時に求めているという若年層の実態に着目。同社の調査では、週1回以上の湯船入浴率は87%であり、そのうち、毎日入る人は65%、3日以上だと92%と高い状況にあり、その中でも湯船入浴時間が10分以上なのは、20代が顕著に高いことが判明。同社では、この年代はSNS投稿など自己表現を行う際の新しいアイデアを生み出すために、あえてなにもせず“ぼーっとする”「余白時間」を大切にしており、入浴時間をそれに充てて長湯をする傾向にあると捉えました。
そこで新商品のベネフィットを、従来の温浴効果による疲労回復に加え、アイデア発想等に重要なノイズとなる情報をシャットアウトする入浴時間を“没入入浴”とワーディングし訴求。シトラスやフローラルの香りと、約10分間続く耳心地の良い炭酸泡の音による“没入入浴”から有意義な余白時間が得られるという新たな発想の入浴体験を提案しています。
コモディティー化している市場において、商品が提供する価値を効果・効能ではなく、“入浴中に得られる時間の質”という新たな価値の捉え方や、そこに向けた“没入入浴”というキャッチーなワーディングが、消費者の共感や関心を誘いそうです。